盗品の見極めが肝心！中古車販売の資格について解説します

最終更新日：2023年11月10日

中古車販売店を開業するにはどんな資格が必要かご存知ですか？

中古車販売は卸売り業者がいるわけではありません。そのため、取得すべき資格も他の業種とは少し変わっています。中古車販売に関わる法律なども特殊なので、知らないとあとで痛い目を見てしまうかもしれません。

今回は、中古車販売の資格やどうしてそんなに厳しい審査があるのかについて解説していきます。

• 中古車販売するときには注意が必要
• どんな資格が必要になるの？
• なぜ中古車販売は厳しいのか
• まとめ

中古車販売するときには注意が必要

中古車販売には守るべき法律がいくつかあります。

■古物営業法

車に限らず、中古品の売買には古物営業法という法律が定められています。古物営業法は盗品の売買を防ぐための法律で、当然中古車を販売するときにも遵守する必要があります。もし盗品を売ってしまえば、自分が盗んだわけではなくても罪に問われる可能性があるので、中古車販売を使用と思っている方は必ず覚えておかなければならない法律です。

■道路運送車両法

自動車の登録、検査、保安基準などについて定めている法律です。自動車はすべて「陸運局」と呼ばれる機関で所有者やナンバーなどが管理されます。中古車販売をする場合、販売する中古車を、購入者の代わりに陸運局に登録する際などにこの法律が関わってきます。 また、自分の販売している自動車が安全基準を満たしているかを確認するためにも、必ず知っておくべき法律です。

■不当景品類及び不当表示防止法

この法律は「景表法」とも呼ばれ、中古車販売に関わる法律というよりも、なにかを販売する人全般に関わる法律です。景表法は「販売している商品について誤解を与えるような宣伝をしてはいけない」ということを定めています。 売りたいあまりに大げさな広告を打ってしまったりするとひっかかってしまうので、宣伝をするときには気をつけましょう。

どんな資格が必要になるの？

中古車販売の資格には以下のようなものを用意する必要があります。

■古物商許可証

中古品を取り扱うために必要な資格です。当然、中古車を販売するためにも必須なので必ず取得しましょう。古物商許可証を申請するときは、営業する場所を管轄する警察署へいって発行してもらいます。申請する際には販売する品目を選びます。中古車販売をする場合は「自動車商」を選びましょう。

中古車販売は、他の中古品を取り扱う業種に比べて厳しい審査をされます。理由は販売するものが自動車という非常に高額な商品だからです。高額ゆえに、盗品が売られてしまった際の被害や原状回復にかかるコストも大きくなります。そのため、許可を受けるために必要な書類や満たすべき要件の数も多いです。

■オートオークションへの参加資格

オートオークションとは、自動車のオークションのことです。インターネットなどで個人の使うオークションとは違い、業者間で行われます。参加するには、オートオークションを主催している会社の会員にならなければなりません。

オートオークションの会員になるためには以下のような要件をクリアしなければなりません。ただし、要件はオークション会場によって異なることもあるほか、全ての要件を満たしていなくてもオートオークションの会員になれることもあります。

◇オートオークションに会員になるために必要な要件

・古物商許可証を取得して1年以上経っている
・中古車の販売実績
・会員の推薦状
・連帯保証人
・入会金

オートオークションの会員になることができれば、車が欲しい人の代わりにオークションで購入するという代理業も可能になるので、業種の幅が広がります。また、その他にも取得しておくと便利なものとして

・自賠責保険の代理店登録
・自動車リサイクルシステムの事業者登録

などがあるので、余裕があれば登録しておきましょう。

なぜ中古車販売は厳しいのか

上述のように、中古車販売をする際にはさまざまな条件をクリアする必要があります。これはひとえに古物営業法を守るためにあるといえます。

中古品の売買に際して最も注意すべき点は、買い取るものが 盗品ではないかどうかを確認することです。

中古品は卸売りの業者がいるわけではありません。すでに誰かが購入したものを中古販売店が買い取り、それを販売することで利益をあげます。その際、中古品を売りたい人の持ってきた物品が、本当にその人によって購入されたものなのかということが大きな問題になるのです。もし誰かから盗んだものであれば、犯罪になってしまいます。

中古車販売は、車という高価なものを取り扱う業種です。もし盗まれたものをそのまま売ってしまえば、多大な損失を生じます。そのような事情から、中古車販売をする人たちは自分が販売しているものが盗品であるのかどうかを見極めなければならないので、非常に厳しい審査をクリアする必要があるのです。

中古車販売の資格を取得するということは、そういった犯罪を防ぐことに対して責任を持つという意味もあります。これから中古車販売業をしていく人たちは、そのことを忘れないようにしてください。

まとめ

中古車販売の資格には「古物商許可証」と「オートオークションへの会員登録」があります。他にも取得しておけば事業の幅を広げることにつながる資格もあるので、自分の目指す方向にあわせて選びましょう。また、関連する法律も意識しておいてください。自動車を扱う以上、安全には最新の注意を払いましょう。

中古車販売をする上で、盗品問題は避けては通れません。もし誤って盗品を売ってしまえば罪に問われる可能性もあるので、くれぐれも注意しましょう。

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