商品開発の参考になる椅子作りで成功している2つのメーカーの事例

最終更新日：2023年11月3日

• オフィスチェアーで儲かっているコクヨ
• 理美容の椅子でシェアNo.1のタカラベルモント

たかが椅子、されど椅子。
椅子は生活にも仕事にもなくてはならない家具のひとつで、椅子をビジネスにしているメーカーには椅子に対するこだわりがあります。
今回はコクヨとタカラベルモントという2つのメーカーに注目し、椅子に対するこだわりについて紹介したいと思います。
商売でシェアを獲得するには、使う人のことを考えて商品に対してこだわりを持って開発をすることがいかに大事であることがよく分かります。

オフィスチェアーで儲かっているコクヨ

コクヨと言えばノートや消しゴムなどの文房具のメーカーというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、オフィス家具のメーカーとしても広く知られています。
実はコクヨは文房具よりもオフィス家具の方が売上が高く、特にオフィスチェアーの開発にはかなり力を入れているのだそうです。

オフィスチェアーにも色々な種類があり、多くの方が最初に思いつくのはキャスターがついていて回転する椅子ではないかと思います。
コクヨは事務用の回転椅子を開発する上で重視しているのは、体が痛くならないように体にフィットするように作ることです。
1日座っているとどうしても背中や腰のあたりが痛くなってくるので、体の負担を軽減するように体へのフィット感を高め、座る人が自分で高さや座面の奥行きを調整できるように工夫して作っています。

事務用の回転椅子はリーズナブルな値段のものから高価なものまでピンからキリまであり、10万円以上する高価な回転椅子もあります。
INSPINE（インスパイン）やBezel（ベゼル）といったオフィスチェアーは着座姿勢が楽になるように背フレームなどに工夫をして開発されていて、正しい姿勢を保ちやすく、体圧分散も考えて開発されているので長時間座っても疲れにくい仕様になっています。
座った時の姿勢に合うように人間工学に基づいて開発されているので、他の椅子と比べると座り心地が断然良いです。

コクヨでは事務用回転椅子の他に会議用の椅子も需要があり、使用しない時や持ち運ぶ時のために椅子同士を重ねられるような造りになっています。
椅子をスタッキング（積み重ねること）しやすいように、前脚よりも後ろ脚を広げるという構造を採用しており、この構造によって椅子のスタッキングを可能としているのです。
言われなければ気づかないぐらいの小さな違いですが、椅子をビジネスにしているコクヨは使う人の視点になって考えて椅子を開発しています。

理美容の椅子でシェアNo.1のタカラベルモント

タカラベルモントは大阪府大阪市にある理美容向けの椅子やシャンプー機器、歯科・医療向けの設備機器などを製造・販売しているメーカーで、理美容の椅子でNo.1のシェアを持っています。

タカラベルモントが理美容向けの椅子を作る上でこだわっているのが、美容師さんや理容師さんが使いやすいような造りにすることです。
通常の椅子は座り心地を考えて作りますが、理美容向けの椅子はシャンプーをする美容師さんや理容師さんにとっての使い勝手も大事になります。

以前はシャンプーをすることで腰を痛める美容師さん・理容師さんが多かったのですが、タカラベルモントは洗髪台と椅子を一体化させた理美容椅子を開発し、美容師さん・理容師さんの職業病でもあった腰痛を解消しています。
椅子に座るお客さんの座り心地だけでなく、美容師さん・理容師さんのことも考えて開発しているからこそ、タカラベルモントは理美容向けの椅子でNo.1のシェアを維持することができるのです。

美容師さんや理容師さんのことを考えて椅子を開発しているので、美容師さんや理容師さんから支持されるのは納得ですね。
理美容サービスを受ける側としては座り心地以外はなかなか気にしないものですが、美容師さんや理容師さんの使い勝手を考えて作られていることを知ると、理美容向けの椅子に対する見方も変わってきますね。

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