最終更新日:2023年11月10日
続々独立開業中!独立開業をした方々に人気のフランチャイズ本部ベスト10を公開中。
いま注目の急成長ビジネスがひと目でわかります。
飲食店は、保健所の検査を受けて数多い必要項目を満たさないと、営業許可書を受け取ることができません。また、開業するにあたってさまざまな申請書類もあります。ここでは、保健所の検査項目における注意点や営業許可申請から開業までの流れなどを解説していきます。
再検査になったり必要書類が不足したりすれば、開業日が遅れるおそれもあります。スムーズに開業させるためにも、必要になるものや手続きなどを事前に把握しましょう。
飲食店は、保健所から検査を受けて審査を通過しなければ、営業許可書を受け取ることができません。そのため、店舗開業前には食品を扱ううえで必要な設備をそろえて、衛生管理ができる環境を整えておくことが重要になります。
ただし、地域によって保健所の検査項目は多少異なるため注意しましょう。検査をクリアできず追加工事などが発生してしまうと、開業が遅れてしまうおそれもあるのです。ここでは、基本的な検査の必要項目や注意点などをいくつかご紹介していきます。
飲食店の建物においては、衛生面だけでなく安全面でも必要項目がいくつかあります。検査のまえにどういった項目があるのか知っておきましょう。
〇壁……火を使う周辺や水回りなどの壁では、防火の効果もあり清掃しやすいステンレス製が望ましいでしょう。汚れを発見しやすいように、明るい色を使うこともすすめられています。
〇床……厨房の床は、清掃しやすく清潔に保てる構造になっていることが必要項目としてあるため、カーペットなどの敷物を使うことは禁止されています。コンクリートや耐水性の素材を使用して、排水しやすいよう勾配(こうばい)をつけることも望ましいとされています。
また、開業する業態や規模によっては、油が下水に流れるのを防ぐためのグリストラップを設置しなくてはならないこともあります。グリストラップの設置義務については、地域によって基準が異なるため、管轄の保健所に連絡するなどして確認しておきましょう。
〇天井……実際に運営している飲食店の中には、配管などがむき出しになっている飲食スペースもあります。しかし、保健所によっては衛生面の観点から指摘を受けることもあります。とくに、調理スペースで配管などがむき出しになっている場合は、ボードなどを張って天井を平たんにしておく必要があります。
〇仕切り……厨房のある調理スペースと飲食スペースは、仕切りで分ける必要があります。仕切りはスイングドアのほか、のれんなど簡易的なものでも構いません。
〇換気扇……店内には十分に換気がおこなえる環境が必要になり、規模によって換気扇の設置が義務づけられています。とくに、ガスを使用する場合や油を多く使用する業態によっては、ダクト設備が必要になることもあるでしょう。
また、衛生面からネズミや虫の侵入を防ぐための設備も必要で、換気扇にはシャッターつきのものがよく、一定時間解放される窓がある場合には、網戸の設置が必要になる場合があります。
〇更衣室……店舗内には、従業員専用の更衣室スペースが必要になります。衛生面から、調理スペースとは別の場所に設けなくてはなりません。
飲食店には、とくに食品を扱う厨房において衛生面での厳しいチェックがあります。食中毒などが発生すれば営業停止になるケースもあるので、衛生管理も含めて設備には漏れがないよう注意しなくてはいけません。開業はもちろん、運営を継続させていくためにも、衛生環境はしっかりと整えておきましょう。
〇手洗い場……手洗い場は、従業員用とお客様用がそれぞれ必要になります。お客様用としてトイレにあればよいという地域もあれば、客席のスペースにも別に1つ必要になる場合もあります。
また、手洗い場にはアルコールやハンドソープなどの消毒剤が必要です。消毒剤として、固形の石鹸は周辺に雑菌がつくおそれがあるため、ポンプ式などの液状の消毒剤がすすめられています。保健所によっては、壁などに消毒剤を固定する必要があるので、項目内容を確認しておきましょう。
〇ゴミ箱……厨房内にはゴミ箱の設置が最低でも1つは必要です。また、ゴミ箱は衛生面から、ふたつきのものが義務づけられています。ゴミ箱の大きさに指定はありませんが、長く使用できるように、丈夫で洗うことができるプラスチック製などをおすすめします。
〇冷蔵庫などの厨房機器……飲食店には、オーブンや冷蔵庫などさまざまな厨房機器がありますが、これらはすべて調理スペース内におさめなくてはいけません。このため、ビールサーバーなどの注ぎ口を厨房側に向ける必要も出てきます。
また、冷蔵庫には食材を適切に管理するために、温度計を設置しなくてはいけません。業務用の冷蔵庫であれば、デジタル表記で庫内温度が表示されるものがほとんどですが、家庭用の冷蔵庫などでは、別途温度計を購入する必要があります。
〇シンクと給湯器……シンクは2槽式で、それぞれに蛇口がついているものが望ましいとされています。シンクのサイズは、幅45センチ×奥行き36センチ×深さ18センチ以上必要で、条件を満たしていれば、1槽式のシンクを横並びに設置しても問題ありません。
また、水とお湯が出せる給湯設備も設置義務があり、保健所によっては殺菌効果の観点から60度前後の温度が必要となっている場合もあります。低い温度の給湯設備では、営業許可がおりないこともあるため、事前に保健所の要件項目を確認しておきましょう。
〇食器棚や食器類……食器棚は、食器や皿を清潔に保管するため、食品衛生法により扉がついたものが義務づけられています。店舗営業後には、すべての食器を収納できることが必要です。
飲食店を開業するためには、設備以外に人にも必要項目があります。開業する店舗には、食品衛生責任者を1名以上配置しなければいけません。食品衛生責任者は1日講習を受講することで取得できます。また、栄養士や調理師などの資格を保有していれば、講習を受けなくても食品衛生責任者になれることがほとんどです。
飲食店開業で保健所の検査を受けるまえには申請手続きがあり、必要書類を作成するには時間や手間もかかります。記入漏れや必要書類が不足していれば、何度も保健所に足を運ばなければなりません。無駄な手間を省くためにも、検査までの流れや必要なものをしっかり把握しておきましょう。
店舗工事などで遅れがなく、開業準備ができていれば申請から2週間前後で開業できます。保健所への申請や検査などの日程は、店舗の開業日なども考えながら、余裕をもったスケジュール管理をしておきましょう。保健所へ営業許可申請してから許可を受けるまでの全体の流れは、以下の通りです。
保健所へ申請書類を提出 |
↓ |
店舗検査の日程調整 |
↓ |
開業店舗での確認検査 |
↓ |
飲食店営業許可証の交付 |
↓ |
営業開始 |
まず、管轄となる保健所で、開業許可の申請手続きが必要です。申請したあと、1週間前後で保健所の担当者によって店舗検査がおこなわれます。
店舗検査は、内装工事が完了した時点でおこないます。検査項目には、厨房機器や設備の配置などが含まれているため、検査当日までには内装工事が完了させておきましょう。設備が足りていないなど内装工事が完了できてない状態では、再検査になってしまうこともあるのです。
内装の検査でチェック項目にひっかかってしまえば、再工事で時間や費用がかかるだけでなく、開業日も遅れてしまうおそれもあります。事前に保健所の要件項目を確認して対策をし、時間的な余裕をもっておきましょう。
検査日程などについては、保健所の担当者と調整することができます。店舗検査のあとに、営業許可証の交付予定日の通知がされるので、交付日になったら保健所の窓口へ受け取りにいきます。
検査から営業許可がおりるまでの期間は保健所によって異なり、許可が検査当日におりることもあれば、1週間後になることもあります。また、営業許可証が交付されるまえであっても、保健所から開業の許可が出ればすぐに営業できる場合もあるので、詳細は保健所に確認してみましょう。
飲食店営業許可の申請先は、開業予定の所在地を管轄する保健所の窓口になります。郵送など、ほかの方法では申請することはできません。また、申請書類用紙は保健所によりますが、窓口で受け取れるほか、市町村などの自治体の公式サイトから取得できる場合もあります。
営業許可申請に必要な書類は、おもに以下の通りです。
〇営業許可申請書……代表者や食品衛生責任者の氏名をはじめ、店舗の面積や営業の詳細などがおもな記載事項です。
〇営業店舗の配置図と設備の概要……それぞれ提出用と保管用を、2部ずつ作成することが多いようです。必要部数は保健所によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
〇食品衛生責任者の証明となるもの……食品衛生講習を受講した場合は修了証、栄養士や調理士のかたは免許を提示します。
〇許可申請手数料……自治体によりますが、15,000~20,000円前後が必要になります。
また、開業がビル内であり、営業に使用する水が受水槽もしくは井戸水である場合には、水質検査成績書を取得して提出しなくてはなりません。水質検査成績書は、ビルの管理会社か貸主から取得することができます。法人の場合には、半年以内に作成された登記事項証明書が必要となります。
保健所は検査申請のまえに相談に乗ってくれることがあります。事前に相談して注意点や改善点などを聞いておけば、検査当日に検査項目にひっかかって、二度手間となってしまうことを防ぐことができます。
検査をスムーズに通過するためにも、事前に管轄する保健所へ足を運んで必要項目を確認しておきましょう。また、相談の際には、店舗環境やチェック項目となる場所を把握できるように、店舗図面の持参をおすすめします。
飲食店は、フランチャイズに加盟して開業することもできますが、保健所の検査や申請は必要なのでしょうか。ここでは、フランチャイズ開業での店舗検査やメリットなどについて解説します。
保健所の検査は、フランチャイズも例外ではなく、加盟店であっても1つの事業所となるため必ず実施しなければなりません。フランチャイズが自営業と異なる点は、開業でさまざまなサポートやメリットがあることです。
フランチャイズであれば、保健所の検査においてサポートを受けることができます。本部には衛生管理の実績もあるため、保健所の検査項目をあらかじめ把握していることがほとんどです。
本部から事前に、「検査時はどこに気をつけたらいいのか」などの点について、指導やアドバイスを受けることもできます。その結果、検査当日も指摘を受けることなくスムーズに開業することができるでしょう。
フランチャイズなら、保健所の検査以外にも開業時にさまざまな利点があります。本部が物件の管理をしていることも多く、開業店舗の配置図などは本部から取得することもできるのです。このため、何度も保健所に足を運ぶことも少なくて済みます。
加盟する本部によっては、営業許可などに必要となる申請書類の作成を代行してくれるケースもあります。事務作業が軽減される分、店舗の営業準備に専念することができるでしょう。
フランチャイズの本部は、日々の食品管理の方法などさまざまなノウハウをもっています。加盟することで、自営業での開業では得られないような衛生面や安全面における専門性の高い知識なども習得することができるのです。また衛生管理のマニュアルがある本部がほとんどで、研修などがおこなわれていることもあります。
フランチャイズに加盟して本部のノウハウ活用することによって、より安全な店舗運営が可能になるでしょう。飲食店を開業して経営を継続させていくためには、衛生面などを徹底管理しながら、安心して利用できる運営を心がける必要があります。安全な飲食店の開業方法のひとつとして、フランチャイズへの加盟も検討してみてはいかがでしょうか。
飲食店は保健所の検査を受けて、必要項目を満たしていなければ開業許可書を受け取ることはできません。必要項目を知るためにも、営業許可申請のまえに保健所へ相談しておきましょう。
また営業許可申請には、提出書類をそろえておく必要があり許可がおりるまでには時間がかかることもあります。店舗の開業日などを含め、余裕をもったスケジュール管理をしましょう。
フランチャイズ開業でも保健所の検査は必要となりますが、自営業とは異なりさまざまなサポートを受けることができます。フランチャイズ加盟すれば、本部の衛生管理のノウハウが習得できるメリットもあり、安全な店舗運営ができるでしょう。安全管理が重要になる飲食店の開業は、フランチャイズへの加盟もおすすめのひとつです。
カテゴリ