チェーン店で開業するオーナーが知っておくべきリスクとその回避法！

最終更新日：2023年11月10日

フランチャイズチェーン店で開業してオーナーになる前には、起こりうるリスクについて知っておくことが必要です。なぜならフランチャイズは、本部によって契約内容が異なることが多いためです。

とくに契約について詳細を把握しないまま加盟すると、開業後に本部との間でトラブルに発展するケースもあります。このため、どこにリスクがあるか知っておかなくてはいけません。また経営をすすめていくうえでのリスクも、対策法を知っておけば回避しやすくなるでしょう。

ここでは、フランチャイズ加盟において注意すべき点やリスクの回避方法などについて解説します。フランチャイズ経営のメリットにもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

• 1.チェーン店での開業で考えられるリスクと対策方法
• 2.チェーン店への加盟には数多くのメリットもある
• 3.チェーン店で開業するなら情報を集めて比較検討するのがポイント

 

1.チェーン店での開業で考えられるリスクと対策方法

フランチャイズチェーン店で開業してオーナーになる場合は、個人事業主での開業にはない特有のリスクがあることを知っておかなくてはいけません。安定した経営を目指すためにも、リスクを回避する方法について知っておきましょう。

■契約時や契約終了後にトラブルになりやすいリスク

フランチャイズでは、契約内容が原因で加盟店と本部がトラブルになるケースが数多くあります。フランチャイズは、本部によって経営方針や運営方法などが定められているのが一般的です。本部が提示したマニュアルなどがある場合、加盟者は経営方針の順守など規定に沿った運営をしなくてはならないため、経営面において自由度は低いといえます。

いくら自店の売上を上げたいという理由であっても、価格の変更や営業時間などは勝手に変更できないのです。加盟者が本部への相談なしに運営方法を変更すると、解約に関する規定がない場合は、一方的に本部から契約を打ち切られてしまうケースもあります。加盟時は契約締結で、どのような義務が発生するか事前に確認しておきましょう。

また体調を崩すなど、何らかの事情で経営が続けられなくなった場合は、中途解約することがあります。しかし本部によっては多額の違約金がかかるので、加盟前に金額を把握しておかなくてはいけません。もし違約金が高額で支払えない場合は、赤字を続けながら契約満了まで無理をして経営を続けることになってしまいます。

このため本部とフランチャイズ契約を結ぶときは、体力面や将来的な面も考えるべきです。契約期間の長さによっては中途解約のリスクが高くなること、そして違約金など解約の規定も詳細まで把握しておくようにしましょう。

また、契約内容に競業避止義務についての規定があるかの確認も必要です。競業避止義務とは、契約終了後の一定期間は同業への転職や開業を禁止するものになります。競合他社に情報を漏えいさせて情報元の企業に著しく損失を与えた場合、訴訟に発展し賠償責任を負わなくてはいけないケースがあるので注意しなくてはいけません。

■風評被害によるリスク

フランチャイズは多くの場合、本部の名前を利用してブランドイメージを維持しながら経営をすすめなくてはいけません。しかし本部の看板を背負うことで、自店に非がなくても経営に悪影響をおよぼすリスクがあるのです。

たとえば、本部や同系列の加盟店で不祥事などが起きてしまった場合、ブランドイメージが低下して風評被害を受けるリスクがあるのです。ブランド力の高い本部ほど顧客を多くもっているため、受ける損失が大きく信頼を取り戻すまでに時間もかかるでしょう。本部の経営が大きく崩れてしまえば、加盟店も廃業に追い込まれる可能性があります。

しかし風評被害のリスクは、どのフランチャイズ企業にも起こりうることで、自店が努力すれば確実に回避できるというものではありません。少しでもリスクを軽減するには、信頼できる本部を選ぶのがポイントといえます。本部のサポートが充実していて誠実な対応をする本部であれば、加盟店の管理もしっかりできているはずです。

■商圏にまつわるトラブルやリスク

安定した経営を続けるためには、開業地域を決める商圏調査も重要です。たとえば競合他社の多い地域に出店した場合や出店後にライバル店舗ができてしまうと、集客や売上が不安定になるなど悪影響が出るリスクがあります。

もし実績がなく戦略も立てない本部が開業地域を決めてしまえば、上記のようなリスクが起き、加盟店は経営で苦労する可能性も高くなるでしょう。フランチャイズには物件選定を代行してくれる本部もありますが、リスクを回避するには経営のノウハウを多くもっている企業をおすすめします。

また開業場所を決めるのは本部にすべて任せきりにせず、加盟者自身も出店環境を調査して本部と相談しながら決められるというのが望ましいでしょう。何より実績のある本部であれば、商圏を細かく分析して戦略を立て、優位性が高くなる物件を選んでくれるはずです。

また近い商圏でほかの加盟店とかぶらないように、本部が「テリトリー制」を採用しているかどうかもポイントです。とにかく加盟店を増やしたいという本部では、テリトリー制がない場合もあります。

経営戦略がある場合は別として、商圏が近いところで加盟店同士が客を取り合う形になってしまうと、売上が減少するなど損失を受ける可能性があります。その意味では、本部にどういった事業計画や経営戦略があるのか把握しておくのも、加盟を判断するうえで重要な要素といえるでしょう。

2.チェーン店への加盟には数多くのメリットもある

フランチャイズへの加盟はリスクばかりがあるわけでなく、個人事業主として起業するよりも数多くのメリットが得られます。ここでは、フランチャイズチェーンで開業した場合の具体的なメリットについて見ていきましょう。

■本部のブランド力を活かした集客ができる

チェーン店契約を結んだ加盟店は、本部のブランド名や商標の使用権利を取得できるのが一番のメリットです。安心して利用できるというブランドイメージをもった本部であれば、
すでに多くの顧客をもっているため、開業してから短期間で安定した集客を確保しやすくなるのです。

また個人事業主として新規開業した場合は、宣伝広告などに費用かけながら時間をかけて認知度を高めなくてはいけません。フランチャイズは広告活動を本部が一括して実施することが多く、加盟店の費用負担が軽減できるのもメリットのひとつです。資金力のある企業では、TVCMなど大規模な集客方法もあり、さらに売上を伸ばす効果が期待できます。

■未経験でも開業することができる

本来なら経営のノウハウは、営業していく中で成功と失敗を繰り返して身につけていくものです。とくに専門的な技術を必要とする業種などでは、ノウハウを習得するのに長い時間が必要になる場合もあります。

しかしフランチャイズ本部にはこれまでの実績があり、加盟者は契約することでさまざまな経営ノウハウを一度に習得できるのです。何をすると失敗しやすいのか、そして成功するためには何が必要なのかを知ることができるのは、事業を経営していくうえで大きなメリットといえるでしょう。

また本部のなかには、新規の加盟者向けに研修制度を設けていることもあります。開業前に研修を受ければ、経営で必要となる基本的な知識や技術を身につけてから営業にのぞむことができます。このため、業界が未経験の加盟者でも安心して開業できるのです。

■安定した商品や原材料の供給ができる

個人事業主での開業の場合は、経営者自身で商品や原材料の仕入れ先を探して価格交渉などもおこなわなくてはいけません。フランチャイズの場合は、商品や原材料を本部で大量生産・大量仕入れできるため、かかる費用を大幅に抑えることが可能になります。

これにより加盟店は低価格で仕入れができ、経営コストの負担が軽減できるメリットを得られるのです。さらに、流通ルートや在庫管理などの仕組みづくりもできているため、商材の供給が安定しているのもフランチャイズの特徴といえます。

■資金調達がしやすくなる

新規事業を立ち上げる場合は、業種や規模によって多額の開業資金が必要になるものです。このため、必要な開業資金に対して自己資金が不足する場合は、資金調達をしなくてはいけません。

資金調達には、銀行などの金融機関から融資を受ける方法があります。しかし個人事業主で新規開業する場合には、実績がないなどの理由で審査が通りにくく、融資を受けられないケースがほとんどです。

これがフランチャイズ加盟になると社会的信用を得られるため、金融機関での融資なども受けやすくなるなります。中には本部が金融機関を紹介してくれることもあるほか、企業の自社ローンを利用できる場合もあります。とくに自社ローンは貸出金利が安く、何かと資金が必要になる開業時には大きな支えになるでしょう。

■開業前後に本部の手厚いサポートが受けられる

フランチャイズ加盟すると、経営面や資金面において本部からさまざまなサポートを受けられます。たとえば初期費用の本部負担があれば、加盟者はリスクを軽減して開業することが可能です。さらに開業後もSVなどの本部担当者から運営指導やアドバイスを受けられれば、経営の軌道修正もしやすくなります。

とくに継続的に本部サポートを受けられるのは、フランチャイズ経営の特徴でもあります。ただし加盟店が受けられるサポート内容は、本部によって異なります。加盟前には本部からどんなサポートが受けられるのか確認しておくのも大切なポイントといえるでしょう。

またフランチャイズの多くは、ここまで挙げたブランド力や経営ノウハウの取得、本部サポートを受ける対価として、加盟店から本部にロイヤリティの支払いが発生します。ロイヤリティは加盟先でも金額が異なり、算出方法にも違いがあります。店の売上によっては、ロイヤリティが利益を圧迫する場合もあるので注意しなくてはいけません。

フランチャイズに加盟するときは、ロイヤリティについての知識を身につけておくのも大切です。ロイヤリティの仕組みや本部サポートの具体的な内容については、以下のページも参考にしてみてください。

○FCパッケージの内容を正しく見定めて独立開業を成功させよう！

3.チェーン店で開業するなら情報を集めて比較検討するのがポイント

フランチャイズ展開している企業は、日本全国におよそ1,300社以上あるといわれています。このため加盟する企業を選ぶ際には、長い目で見て将来性や市場規模の動向など細かい分析が重要になります。加盟先の選びかたを間違えてしまうと、開業はできたとしても経営の継続が困難になる場合もあるのです。

とくに現在はコロナ禍の影響で、これまでは順調だった企業でも思わしくない経営状況が続いているケースもあるため、慎重に加盟先を決めなくてはいけません。ここでは、数多くあるフランチャイズ企業から、自分にあった本部を見つけるために何をすべきかを見ていきましょう。

■まずは資料請求から始めてみよう

フランチャイズ企業の情報は公式ページでも確認できますが、加盟店募集のページまでたどり着くのに時間がかかる場合があります。このため企業について知るには、資料請求をしてできるだけ多くの情報を集めるのがおすすめです。

資料請求は基本的に無料でできるため、気になる本部がある場合は入手しておきましょう。企業の資料には、必要開業資金などフランチャイズ加盟に関する情報のほか、おもな事業内容や特徴を知ることができます。情報を多く入手するほど、自分にあった企業を絞りやすくなるはずです。

■よりくわしい本部の情報は事業説明会に参加して入手しよう

気になる企業を見つけて、もっとくわしい情報を知りたい場合は、事業説明会に参加するのがおすすめです。事業説明会では、資料には記載のない事業内容など、より詳細な情報が入手できます。

資料請求しなくても事業説明会には参加できますが、事前に資料を読んでおいたほうが説明会での内容をより理解しやすいはずです。とくに事業説明会は、本部の社員が実施するケースがほとんどです。資料をあらかじめ読み込んでから参加すれば、その場で質疑応答ができ不安なところや疑問点も解決しやすくなります。

また事業説明会の参加は、同じ志をもつ起業希望者が多いので情報交換できるのもメリットといえます。参加したら必ず加盟しなくてはいけないというわけではないので、気になる本部を見つけたら積極的に参加するとよいでしょう。

■複数企業の比較検索には「フランチャイズの窓口」がおすすめ

フランチャイズ企業への加盟条件などは、本部によって異なります。しかし、たとえ初期費用がかからない本部だとしても、安易に加盟を決めてしまってはいけません。

本部選びをするときは、事業の特徴や必要な開業資金だけでなく、さきにも解説したロイヤリティや本部サポートの内容を含めて総合的に判断することが大切です。資料請求や事業説明会で得た情報を参考に、それぞれの企業がもつ特徴などを比較するようにしましょう。

複数の企業を比較するには、ぜひ「フランチャイズの窓口」をご活用ください。フランチャイズの窓口は、日本全国で加盟店を募集している企業を比較検索できるサイトです。各企業の事業内容がわかりやすく、業種や開業資金予算などから企業検索ができます。

ほかにも「業種未経験からスタート」「女性が活躍」といったキーワードでも企業検索ができるため、条件にあった本部を見つけやすいのも特徴になります。さらに各企業の事業説明会のスケジュール確認ができ、参加予約も可能です。

何よりフランチャイズの窓口を使えば、公式ページをいくつも検索する時間や作業負担が省けるはずです。フランチャイズ経営には、さまざまなリスクやメリットがあります。長く経営を続けるためにも、自分にあった信頼できる本部を選ぶようにしましょう。まずは、フランチャイズの窓口で資料請求するところから始めてみてはいかがでしょうか。

• 
• Tweet