最終更新日:2023年11月10日
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パン屋を開業して、経営を軌道に乗せていくためには流れをよく押さえておく必要があります。パン屋になるための資格の有無やキャリアの積み方、最短でパン屋を開業するための方法を見ていきましょう。また、開業のために必要な手続きや開業資金、ネットショッピングでパンを販売する方法についても詳しく解説していきます。
パン屋になるために、何か資格が必要になるわけではありません。ただ、パン屋を開業するためには必要となる資格がいくつかあります。調理や加工した食品を店舗で販売するときには、「食品衛生責任者」を必ず1人は置かなければならないため、自分で資格を取るか資格保有者を雇う必要があります。自分で取る場合には、保健所が行っている講習会に参加して、所定の講習を受けると1日で取得することができるのです。栄養士や調理師の資格を持っていれば食品衛生責任者の資格は取得しなくてもいい場合もあるので、保健所に問い合わせてみましょう。
店舗で製造したパンを販売するときに菓子パンを含むときには「菓子製造業の許可」もあわせて得ておく必要があります。惣菜パンや調理パンだけを販売するときには菓子製造業の許可は必要ないものの、地域によっては弁当として扱われる可能性もあります。基準については自治体によって異なるところがあるため、管轄する役場に問い合わせておく必要があるでしょう。また、店内でパンが食べられるようにしたり、飲み物を提供したりする場合には「飲食店営業の許可」も得ておくことが大切です。きちんと許可を取っておかないと、店内で飲食をすることができなくなってしまいます。
さらに、店内の収容人数が30名を超える場合には「防火管理責任者」の資格も取る必要があります。収容人数のなかには、店内で働くスタッフの数も含まれるので注意がいります。防火管理責任者については、管轄の消防本部で講習を1日受けることで取得することが可能です。開業間際に慌ててしまわないためにも、事前の準備をしっかりと行っておきましょう。
パン屋は基本的に誰でも開くことができるといっても、パン作りのことを知らなければ、そもそも商品として販売するパンを提供することができません。パン職人となるにはいくつかのコースがあります。1つはパン製造などの専門学校に通って、パン作りの基本を学ぶコースです。開業のためには必須ではないものの、厚生労働省が認定する「パン製造技能士」と呼ばれる国家資格を取得することができます。専門学校を卒業してからは、実際にパン屋の店舗に就職をすることになるでしょう。
ただ、将来的な独立を考えるなら大手のパン屋はあまりおすすめではありません。待遇面では好条件であっても、大手のパン屋の場合では作業が細かく分業がされているため、全体像が見えにくいというデメリットがあります。独立が念頭にあるなら、パン作りのことだけでなく、接客や経営についても広く勉強できる場所に身を置いたほうがいいでしょう。そのため、中小規模のパン屋に勤めるほうが、将来的な独立にとってはプラスに働きます。あれこれと取り組まなければならず、必然的に長時間労働となってしまいやすいですが、パン屋経営に必要なスキルを基礎からみっちりと学ぶことができるのです。先のことは後から考えればいいという姿勢ではなく、やり始める前にしっかりと自分なりの計画を立てておくことが重要だと言えるでしょう。
サラリーマンを辞めて、他の業界から転職をする場合には、年齢的な不安を抱えてしまうかもしれません。修行をして開業するまでには3~5年程度はかかってくるので、専門学校に通う時間や資金の問題で不安を感じることも少なくないでしょう。誰からも学ばずに、独学で開業するというのも早々に経営が行き詰まってしまう要因になってしまうものです。脱サラでパン業界を目指すなら、繁盛している小さなパン屋で修行をしてみる方法が最適だと言えます。「経験も無いのに雇ってもらえるのか?」とためらいを感じる面もあるでしょうが、何よりも情熱を持っておく必要があります。小さなパン屋であれば、常に人手が足りていない面があるので、熱意を持って働かせてもらえる場所を探すことが肝心です。
一生の仕事としてパン屋を選択するのであれば、3~5年の修行期間は必要なものだと割り切っておきましょう。腰を据えて修行に取り組むことで、どこの街で商売をしても通じるスキルが身につくはずです。修行場所として、大手チェーンや大型ブランド店は避けましょう。働きやすい職場だと感じても、それは作業が分業化されているからであって、何年取り組んでもパン屋開業のために必要なスキルが身につきにくいのです。パン屋を経営するにあたっては、単にパン作りがうまければいいというものではなく、パンを作りながらお店を切り盛りしていくスキルが最も大切だと言えます。大手のパン屋であれば、仕事のボリュームが大きいため、必然的に分業にならなくてはならないのです。数年経って後悔をしてしまわないように、パン屋経営の総合的なスキルが身につく小規模店を狙ってみましょう。
そして、小規模店を選ぶときにも、できるだけ地域の一番店となっているお店を選んでみることが大切です。繁盛をしているということは、それだけ地元の人たちから愛されているということであり、学ぶべきことも多いでしょう。閑散としている店よりも、繁盛店のほうが常に忙しいため、しっかりと修行していくことで成長スピードも早まります。何より、繁盛店で働くことで「どうすれば繁盛店になるのか」といった部分が体感的に得られる点は、将来の大きな財産だと言えるでしょう。修行をする場が得られたら、パンに対する自分のこだわりをいったん脇に置いて、素直に修行に励んでいくことが重要です。こだわりが前に出過ぎて素直さを失ってしまうと、先輩とのトラブルのもとになりますし、本来学ぶべきポイントが見えなくなってしまいます。最短ルートでパン屋を開業することを心に決めたら、目の前の取り組むべき課題に集中して修行に励んでいきましょう。
パン屋を開業するために必要となる手続きはいくつもあるので、段取りよく進めていく必要があります。開業計画を立てたら、まずは保健所と税務署に必要な届出を行いましょう。保健所には「営業許可」「菓子製造業許可」「飲食店許可」などを行う必要があります。作りたい店の計画にしたがって、必要な許可を申請します。これらの許可を申請していないと、食品衛生法違反となってしまうので注意が必要です。営業許可申請では、店舗の平面図や設備の配置図を提出することになっているため、ある程度の計画が立ってから行うようにしましょう。
申請はいきなり行うのではなく、店舗の工事を行う前に事前に相談に出向きます。貯水槽や井戸水を利用する場合には、水質検査も必要となるので忘れないように心がけましょう。そして、工事完了予定日の10日前くらいまでに申請書類を提出します。保健所の担当者が店舗に赴き、基準を満たしているのか検査を行い、問題がなければ営業許可が下りることになるのです。仮に検査をクリアできなかった場合には、必要な部分を改善してから再度検査を受けてみましょう。検査をクリアすることで、営業許可証が数日後に発行されます。
また、施設の衛生管理や従業員への衛生教育を行う「食品衛生責任者」の資格も、保有者がいない場合には取得をしておきましょう。店舗の規模によっては、「防火管理責任者」も必要となるので、事前に確認をしておくことが大切です。そして、税務署には「開業届」を忘れずに提出しましょう。特に、税金の控除で優遇されている青色申告を行うためには、開業届の提出が必須なのです。開業時は何かと忙しいものなので、手続きや届出については早い段階から取り組んでおくように意識をしておきましょう。
店舗を構えてパン屋を経営するときには、まず立地条件をよく見極めておくことが大切です。客商売なので、できるだけ人通りの多い場所が良いですが、気をつけるべき点もあります。パンという食品を扱うため、日光の射し具合については慎重に検討しましょう。入り口が西や南に面している場合には、窓から強烈な西日が差し込んでくるため、パンを傷ませてしまう恐れがあります。一般的に、パン屋に適している物件は東か北向きと言われているので念頭に置いておきましょう。
開業しようとする場所で有利なのは、パンを買ってくれそうなターゲットの多い地域です。具体的には保育園や役所、車通りの多い場所などがあげられます。車で来店するお客さんをターゲットにしているときには、駐車場のスペースも必要となるでしょう。車を止めることができれば、遠方からの集客も期待ができます。そして、周辺にライバル店やスーパーなどの商業施設があるかどうかもチェックをしておきましょう。客層を奪い合う店が多い場合には、商品のラインナップそのものを見直して、差別化を図る必要もあります。
また、物件を選ぶときにもともとパン屋をやっていた居抜き物件を検討することもあるでしょう。必要な設備がそろっているというメリットもあるものの、不用品は処分しなければならないため、処分費用も含めたうえで考えることが大切です。さらに、パン屋の営業は多くの電力を必要とするため、電気容量を十分に確保できる物件かの確認もしておきましょう。
繁盛するパン屋にしていくためには、店としての魅力を高めることが欠かせません。「どういったパンがお客さんに受け入れられているのか?」「ライバル店の様子はどうか」といった点を知るために、リサーチをしっかりと行いましょう。単にパンのことばかりに注目をするのではなく、店を訪れている客層や内装、接客態度などさまざまな視点から研究を重ねることが大切です。魅力ある店舗にするためにはパンを陳列しているだけでは駄目で、コンセプトを決めておく必要があります。多くのお客さんに訪れてもらいたければ、入り口をガラス張りにしたり、店内の照明を明るくしたりといった工夫が大切です。内装と並べられているパンのイメージがピッタリであれば、お客さんにとっても印象に残るお店となれるでしょう。
メニューの考案については、コンセプトにしたがって狙いとするターゲットが欲しがる商品を開発していく必要があります。高齢者の多い地域であれば、馴染みのある定番の商品が良いでしょう。女性客に多く来店してもらいたいなら、スイーツ系のパンを増やしてみるといいかもしれません。また、サラリーマン層やファミリー層をメインとするなら、惣菜パンや食パンを主力商品として置いておくといいでしょう。店内に並べられている商品から、客層がイメージできるまで試行錯誤することが重要です。
パン屋を開業するには、初期費用として500~1000万円程度の資金が必要となります。そして、資金の半分程度を見込んでおかないといけないのが、パンを製造するための設備費です。オーブンや冷蔵庫などは業務用の大型のものになるので、すべてそろえると数百万円はかかります。設備をリースすれば初期費用は抑えることができますが、修理費などは負担をしないといけないため、中長期的な経営のことも考えて決めていきましょう。物件の費用も自宅を改装して店舗にするといった方法もあるので、自分が作りたい店舗がどういったものによって必要となる資金も異なってきます。
開業に必要となる資金を全部自分でまかなえれば理想ですが、新規でオープンさせるときにはなかなか資金の余裕がないものです。融資を受ける場合には、政府系金融機関である日本政策金融公庫などがいいでしょう。実績よりも事業計画や経営者の人となりが審査のポイントとなるため、銀行融資などよりも審査に通りやすいというメリットがあります。また、開業する予定地の自治体が独自で行っている融資や補助金も活用できる場合があるので、細かくチェックしておく姿勢が大切になるでしょう。
物件が決まり、資金の目途がつけば店舗の工事に取り掛かります。開店の3カ月前から工事を始めるのを1つの目安にしておきましょう。内装や外装の工事だけではなく、電気・水道・ガスといった部分の工事も必要になる場合があるので、余裕を持った計画を立てておく必要があります。そして、工事が完成したら製造設備や店内のインテリアを整えましょう。備品や必要な食材の手配も行っていきます。できるだけ無駄な費用を抑えるためには、複数の会社から見積りを取ることが大切です。
そして、ある程度の準備が整ったら従業員の教育を行ったり、作業手順の確認を綿密に行ったりしましょう。予行練習をきちんと行うことで、気づいていなかった点に意識を向けることができます。保健所から営業許可が下りたら、家族や友人を招いて試食会をやってみるのもいいでしょう。率直な感想をもらって、最終的な改善と調整をすることが大切です。
店舗を構えることに敷居の高さを感じる場合には、ネットショップとして開業する方法もあります。方法としては大きく分けて、「オンラインショッピングモールへの出店」と「独自ドメインの取得」の2種類がありますが、物件の費用がいらない分だけ初期費用を抑えることもできるでしょう。初期費用としては、約250万円程度を見積もっておけば良いと言えます。店舗を構えるわけではないので手続きは比較的簡単ではありますが、いくつかポイントもあります。対面販売ではなく、web上でのやりとりになることをまず念頭に置いておきましょう。
オンラインショッピングモールに出店する場合には、モールがすでに持っている集客力を活用することができ、出店基準を満たすことでネットショップに対する信頼度が増すという点があげられます。ただ、他の店との差別化が図りにくい点と運営のためのコストがかかってしまう点は意識しておく必要があるのです。また、独自ドメインを取得して自分のショップを立ち上げる場合には、お店の独自色を打ち出しやすいメリットがあるでしょう。独自で行う場合には、検索上位に上がってくるまでに時間を必要とするため、根気強く取り組んでいく姿勢が大切です。インターネットにある程度強ければ独自ドメイン、あまり自信がないときにはオンラインショッピングモールへの出店を検討してみると良いと言えます。
ネットショップでは、商品をお客さんのもとに届けるには宅配業者を利用する必要があるので、どの業者にするかを決めておくことが大切です。料金や配達受付時間、破損・紛失時の補償や冷蔵・冷凍便の対応などの点から、最適な業者を見つけてみましょう。また、決済方法についても決めておく必要があります。お客さんの立場からすれば、さまざまな決済手段があったほうが便利です。ネットショップの代表的な決済方法としては、「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」があげられます。クレジットカード決済は購入時に決済が行われるため、代金が未回収となるリスクを防ぐことができるでしょう。銀行振込や代金引換の場合には所定の手数料が発生するため、お客さんに負担してもらうようにきちんと販売ページに記載をしておくことが肝心です。
また、ネットショップでの販売では「特定商取引法に基づく表記」が必要となります。これは、お客さんとのトラブルを避けるためのものでもあるので、正しく記載をしておきましょう。特に送料や商品以外に発生する料金、引き渡し時期や返品の要件などは明確に表示をしておくことが大切です。さらに、「プライバシーポリシー」もきちんと定めておきます。大事な部分の表記が曖昧なままだと、お客さんに不信感を持たれてしまう要因にもなりかねません。不安な場合には外部の専門家などに、一度見てもらうようにしましょう。
ネットショップでのパン屋の経営はメリットがありますが、注意するべき点もあるので押さえておきましょう。店舗販売と違って対面の接客がない分だけ、注文にまつわる事務作業が多くなります。メールの作業ひとつとっても、受注確認・入金先の連絡・入金確認・発送の連絡といった形で、どうしても地味な作業が多くなりがちです。すべてを手入力で対応していては、メールのやりとりだけで時間が過ぎてしまうため、自動送信システムを利用するなどして作業を効率化させましょう。ただ、全部を事務的に行ってしまうと味気なくなってしまうので、発送完了のお知らせメールはひと言添えるようにすると、お客さんから良いイメージを持ってもらいやすくなります。
経理処理についてはクレジットカード決済が主体であるなら、入出金の管理は簡単に行うことができます。オンラインショッピングモールを利用している場合なら、運営側が提供しているシステムは経理処理の強い味方になってくれるはずです。独自ドメインでネットショップを経営しているときには、会計ソフトを利用してみるといいでしょう。パンの販売は顧客単価が低めであるため、日々の入金管理の仕組みをうまく整えておく必要があります。
発送作業については、きちんと予定を組んで行うようにしましょう。場当たり的に発送作業を行っていては、それだけで多くの時間を取られてしまいがちになります。また、作業の手順がまちまちだと発送ミスを出してしまう恐れもあるので避けましょう。注文の締め切り時間や発送日を定めて、予定通りに進めていくほうが作業の効率化につながりますし、ミスをできるだけ減らすことができるのです。集荷や発送に問題が生じないように、複数の業者と契約をしておくことも大切だと言えます。ネットショップでの販売では、「商品がなかなか届かない」といった状態がクレームの大きな要因になりやすいものです。状況が改善されないと、ネットの掲示板などに書き込みが行われて、お店のイメージを下げてしまうことにもなるでしょう。無用なトラブルを避けるためにも、発送作業は厳格に行う必要があります。
そして、衛生管理には徹底して気を配っておきましょう。お客さんからすれば、どのような製造過程で作られているのか見えないため、余計な不安を煽る行為は避けたいものです。自宅のキッチンと兼用で使うのではなく、最低限のリフォームを行って製造ブースを分けておく必要があります。食品の販売となるので、ネットショップであっても保健所への届出は必要なので忘れずに行いましょう。
パン屋を開業するための特別な資格は必要ないものの、販売する形態によって取り組むべき作業は異なります。実際に店舗を構える場合には、保健所に提出する書類の数も多くなるので、早めに準備に取り掛かっておくことが大切です。同時に資金調達も行うならば、開店計画を立てて必要な資金の概算が固まったら、1つ1つ行動していきましょう。店舗を構える場合には初期費用で1000万円程度が必要となるものの、オーブンなどの設備をリース契約にしたり、自宅を店舗に作り変えたりすることで初期費用を抑えることができます。
その一方で、店舗を構えることにこだわりがなければ、インターネットで販売をする方法もあるのです。オンラインショッピングモールへ出店するか、独自ドメインを取得してネットショップを運営するかの2つの方法がありますが、初期投資は250万円程度で済みます。店舗での販売とは異なって、事務作業が多くなったり衛生管理に気をつけたりしないといけないため、ショップを開店させる前に予行練習をしっかりと行うことが大切です。システム化できる部分と手動で行う作業を分け、スケジュールを立てていくことが重要だと言えます。将来的な経営のあり方も考慮したうえで、どの形態でパン屋をスタートさせるのかをじっくりと検討してみましょう。
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