人員を補充するだけではない！外国人を雇用するメリットとは？

最終更新日：2023年11月10日

日本にはたくさんの外国人労働者がいらっしゃいます。平成29年10月末の調査では、日本では現在約128万人が日本で労働しているといわれているくらいです。では自分の店に外国人を雇用する場合、気をつけるべき点とメリットはなんでしょうか？

ここでは外国人を雇用するメリットや、このときに注意する点や外国人を雇用するときのルールを説明します。

• 1.職場のモチベーションアップにも！外国人雇用のメリット
• 2.文化や言語の差に注意！外国人雇用の注意点
• 3.勤務時間などもしっかりチェック！外国人雇用のルール
• 4.外国人の雇用の際は法律や手続きの確認が必須！
• 5.まとめ

1.職場のモチベーションアップにも！外国人雇用のメリット

外国人を雇用するのは単なる人員補充だけではありません。外国人を雇用するメリットは具体的に4つあります。ここではその4つのメリットから説明します。

・活気がよくなる
国境を越えて日本で就職しようとしたのですから、働くことに対するモチベーションが高い方が多く、その労働意欲の高さは職場内の環境整備に一役買うことになるでしょう。

・グローバル企業に向けた足掛かりになる

餅は餅屋、外国のことは外国人の方です。今後企業が世界へ進出する場合、商売の基本的な情報から収集する必要があります。このときに外国人労働者の方がいれば、現地の習慣や文化などの基本的な情報の収集をするとき頼りになります。

・違う視点からの発想が期待できる

人間の考え方は生まれ育った環境から来ているといわれています。外国人の方は生まれ育った環境が文化のレベルから全く違うため、日本人とはまた違った発想が期待できる場合があります。違った発想に触れることは日本人にとっても良い刺激になることでしょう。

・助成金が受けられる

外国人労働者を雇って研修を行うときに、内閣府所管の公益財団法人である国際研修協力機構から助成金を受け取ることができます。講習を行うときに出される助成金や、賃金に対して出される助成金があります。

2.文化や言語の差に注意！外国人雇用の注意点

外国人の雇用にはメリットだけではなく注意する点があり、とくに外国人の方は生まれ育った環境が文化レベルで違うため、考え方が根本的に違うのです。ここからはそれを含めて確認しておきましょう。

・慣習の違い

メリットでも説明した「生まれ育った環境が違う」というのがデメリットに働くパターンです。文化や慣習の違いから意思疎通がうまくいかないことがあります。これを解消するには、日本人と外国人の方がお互いの文化を理解し、互いに歩み寄る努力が必要でしょう。

・労働に対するとらえ方

外国人労働者は働くことに対して非常にドライな見方をしています。与えられた分量の仕事をし、終われば定時前であっても帰宅する……ここまで考え方が違うのにはワケがあります。宗教観です。

その昔、キリスト教では労働とは「神から与えられた罰」でした。労働に対してネガティブなとらえ方が続いてから1960年ごろ、「自己実現論」が主流になりました。

これは「食べることや寝ることといった生理的欲求や、経済的な安心感を得る欲求、自分が価値ある存在だと認識される自我の欲求などがすべて満たされたときに、生きがいや充実感を得ることができる」という考え方です。

一方日本では、労働とは「神から与えてくださった神事」という考え方であり、労働することは尊い営みであるという考え方が今も根付いています。またもう1つ、「陰徳善事(いんとくぜんじ)」という考え方もあります。これはこっそり誰かのために働くことこそ美しいとされており、これに見返りは必要ないという考え方です。

このような違いから、日本に根付くこの2つの考え方と外国人労働者の考え方はほとんど相容れないでしょう。

3.勤務時間などもしっかりチェック！外国人雇用のルール

外国人を雇用したからといっても、日本人の労働者と全く同じ扱いはできません。外国人雇用には一定の法律が存在します。ここではそのルールを確認します。

・週に働ける勤務時間

アルバイトとして雇用するときに限りますが、外国人アルバイトを雇用する場合は「週に28時間以内」という制限があります。

・在留資格

在留資格とは単純に日本に滞在するための資格です。在留資格によって日本でできる活動に範囲が定められます。在留資格に定められていない労働をさせてしまうと罰せられる場合がありますので注意が必要です。また、在留資格によってはハローワークなどに届け出る必要もあります。

外国人の雇用にはメリットも存在しますが、このような制度や法律を理解する必要があります。

4.外国人の雇用の際は法律や手続きの確認が必須！

このように外国人を雇用すればメリットも発生しますが、労働ルールの認識や手続きが増えてきます。しかもこれらの報告義務などを忘れてしまった場合、罰せられてしまうおそれもあるために確実に行う必要があります。

もし難しいと思う場合は相談しましょう。フランチャイズであれば本部でサポートも受けることが可能です。

5.まとめ

外国人を雇用するメリットはそのモチベーションの高さや、生まれ育った環境が違うことからくる異なった視点の発想の助言から社内環境の活性化が期待できます。また、条件によっては助成金を受けることが可能です。

しかし、生まれ育った環境が違うことから逆に慣習が違ったり、そもそも労働に対する考え方が違ってくることから摩擦が生じてしまうことがあげられます。

アルバイトとして雇用する場合は週に28時間以内のルールは守る必要がありますし、在留資格を把握した上で申告する必要があります。このために法律の確認や手続きが増加することも考えなくてはなりません。もし自信がない場合は専門の部署で確認をしましょう。

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