最終更新日:2023年11月10日
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デイサービスの開業をするためには、法律で定められたさまざまな基準などを知っておかなくてはならず、開業する前に十分な知識をつけておかなければ、スムーズに運営できないおそれもあります。
ここでは、デイサービスの開業までの流れや必要になる手続きなどについて解説しています。経営が楽になるサポートを受けることができる、フランチャイズでの開業についてもふれていますので、これから介護事業で独立を検討しているかたは、ぜひご覧ください。
デイサービスの開業にはおもに人員基準と設備基準、そして運営基準の3つの指定基準があり、開業時には、それぞれの法的要件を満たしていなければなりません。指定基準は国によって定められており、自治体によって基準内容が多少異なることもあります。
指定基準を満たさないまま運営していると、新規利用者の受け入れ停止や事業所の指定取り消しを受けることがあるため、事前に知識として身につけておくことが必要です。ここでは、デイサービスの開業で必要になる条件や基準について解説します。
デイサービスなどの介護事業を立ち上げる際は、まず法人格の取得が必要になります。法人格には株式会社や合名会社のほか、NPO法人などがあり、設立できる会社の種類はさまざまです。会社の種類によって、必要になる登録免許税の金額や設立条件などが異なります。事業内容によっては、設立するまでに1年前後かかかることもあります。
たとえば、社会福祉法人は、固定資産税などが非課税となり優遇を受けることができます。しかし、一定の資本金を確保していることや人員要件などの条件を満たさなくてはなりません。法人格の種類によって特徴は大きく異なるため、慎重に選択することが大切です。
人員基準といっても、必要な人数がそろっていればよいわけではありません。人員基準では、事業所に配置すべき職種ごとに人数が決まっているのです。たとえば、運営をおこなう管理者のほか、看護師や介護職員などがそれぞれ1名以上必要になります。
また、利用者の人数によっても、必要となる職種や人員が異なります。地域によっては兼務が認められることもあるため、事前に管轄する自治体の窓口などで問い合わせするなどして確認することをおすすめします。
介護事業は、ほかの事業にはない設備が必要になることも多く、定められた基準がいくつかあります。人員基準と同じように、設備に関しても指定されている基準項目をすべて満たさなくてはなりません。
おもな基準項目として、静養室や相談室のほか、車イスで使用できるトイレなどがあげられます。また、食事場所のスペースには規定の広さが必要となり、食堂と機能訓練室の合計面積は利用者1人あたり3㎡以上を確保しなくてはいけません。たとえば、利用者が10人であれば最低30㎡の面積が必要になるということです。ほかにも設備基準は数多くあるため、詳細は自治体の管轄窓口で確認しておきましょう。
利用者はもちろん、従業員が働きやすい環境を作ることも大切です。入居する利用者に対してスタッフの人員が足りなければ、十分なサービスが提供できません。このため、勤務体制の確保など運営においての基準も開業時には重要になります。
運営基準のおもな内容としては、運営にまつわる設備や会計などの記録をして常に過去2年間は保存することや運営規定の作成も必要になります。さらに、利用者に向けてもサービスの事業計画を交付しなくてはなりません。ほかにも、衛生管理や災害時の計画作成などがあります。
また、介護保険制度は5年に1度の頻度で制度の改正がおこなわれ、介護報酬に関しても3年に1度、報酬改定があります。ここであげた3つの指定基準を含めて、法改正は事業所の運営に大きく影響します。制度の動向にも注意しておきましょう。
デイサービスは、法人格を取得しておけば開業できるというわけではありません。ここでは、デイサービスを開業させるまでの流れを知っておくべきポイントなどもふまえてみていきましょう。
デイサービスと一言でいっても、事業によって提供するサービス内容はさまざまです。リハビリなど機能訓練をメインにした通所介護施設もあれば、障害児の受け入れをする放課後等デイサービスなどもあります。業態によっても必要になる設備や面積も異なるため、まずはどんな事業所を運営していくかを決める必要があります。
開業する業態が決定したら、具体的な開業場所や運営方法などを検討していきます。開業する地域に利用者や従業員がどれくらい見込めるかといった情報を収集や、交通の利便性なども考慮して開業場所を決めることが必要です。ニーズのない地域で開業すると、利用客や従業員の確保が困難になるだけでなく、廃業のリスクも高くなってしまいます。
また、民家を活用するような小規模の運営をするか、利用定員が数十人の大規模な施設を構えるかでも、指定基準の要件も変わってきます。物件は、検討している業態の基準をすべて満たすことのできる場所を選ばなくてはいけません。また、法人格を取得していない場合は会社設立の準備もする必要もあります。
開業には、経済面についても考えておくことも必要です。施設を大きくすれば設備投資や物件取得費だけでも、多額の資本金を準備する必要があります。もし、初期費用が足りない場合には、資金調達をしなくてはいけません。
資金調達は、日本政策金融公庫や銀行などから融資を受けることができますが、一定の条件を満たしている必要があります。そのうえで、開業するデイサービスの事業計画書を作成して、審査に通過しないと融資を受けることができません。計画書の作成に不安がある場合は、社会保険労務士や司法書士などの専門家にアドバイスを受けるのもよいでしょう。
ほかの資金調達の方法として、自治体から受けられる補助金や助成金の制度を利用する方法もあります。地域によって利用できる制度が異なるため、どのような制度があるかも事前に確認しておくとよいでしょう。
デイサービスを新規開業する場合には、まず国の指定を受け許認可を得なくてはいけません。そのためには、まず開業予定場所の管轄となる自治体へ、指定申請書類の提出が必要です。
おもな必要書類は、指定申請書のほか、施設の平面図や管理者の経歴書など、30種類前後にもなります。ひとつでも書類が足りなければ申請は受理されないので、すべての書類をもれなく作成しなくてはなりません。
申請はいつでもできるわけではなく、受付期間が決まっています。また、必要になる書類も地域によって異なるため、自治体のホームページなどであらかじめ確認しておくことをおすすめします。申請書類は、指定日の約1ヶ月前には提出しておく必要があるため、余裕をもったスケジュール管理をして開業計画を立てることも大切です。
施設と運営するための手続きを終えたら、従業員の募集をしなくてはいけません。介護の資格を保有している人など、人員基準を満たすだけの人数を集める必要があります。
人員の確保ができたら、必要となるのが具体的な運営の準備です。就業規則や社内規定の作成のほか、従業員を雇用するには契約書などの作成も必要になります。さらに、介護給付費などを請求するためのソフトの導入なども必要になるでしょう。
自治体に提出した書類に不備がなく、すべての準備が整ったら営業開始になります。開業の指定日は原則各月の1日となっています。開業後は、新規の利用客を受け入れるための広告活動も大切になります。そして、利用客と従業員のバランスをとって十分なサービスを提供できる環境を維持しながら運営をしていくことが、重要なポイントになります。
デイサービスの開業は申請書類も数多く、ステップを積み重ねながらひとつひとつの準備を確実にこなしていかなくてはいけません。開業準備をしていくなかで不安を感じることも多いはずです。ここでは、デイサービスの開業で、不安になりうる要素などについて解説します。
【不安1】開業・運営の知識が十分か
開業は運営には、ここまでの章で説明してきたように、法律によってさまざまな基準が設けられています。とくに介護事業を立ち上げるには、介護保険制度などの法律をはじめ、運営に必要となる資格など、知っておくべきことが数多くあります。
さらに開業後は、運営していくうえでの資金運用や従業員の管理のほか、医療報酬の請求などの支払い業務もやらなければいけません。これを1人でおこなうには、かなりの負担がかかるでしょう。
【不安2】開業資金が調達できるか
デイサービスの開業で不安になる大きな要素のひとつが、初期投資の費用です。資金調達でもふれましたが、金融機関から融資を受ける際には、事業計画書を作成して信頼を得なくてはいけません。
事業計画書は、金融機関が融資する判断材料になるため、金融機関が納得できる内容でなければ、融資を受けることはむずかしいでしょう。とくに銀行では、新規開業で融資を受けることが困難とされています。
また、資金の運用は開業資金だけでなく、運転資金においても考えておかなくてはなりません。開業後には、人件費や水道光熱費などさまざまなランニングコストがかかります。ほかにも、施設利用者を送迎するために車両を購入すれば、車両費だけでなくガソリン代などの維持費も発生します。
しかし、費用がかかるからといって、やみくもに多額の資金調達をしてしまうのもよくありません。運用にかかる費用と収益のバランスを考慮しないと、開業しても融資の返済に圧迫され赤字経営になるおそれもあり、場合によっては廃業のリスクもあります。開業に失敗しないためには、無理のない運営をしていくということが重要なのです。
【不安3】必要な人員が確保できるか
介護事業は、誰でもかんたんにすぐできるという仕事ではありません。実際に、介護業界では施設数が増加するいっぽうで、専門的な知識をもつ人員の不足が深刻化しているという事実もあります。たしかに、社会福祉士や理学療法士などの専門性の高い資格をもっている看護職員などの確保はむずかしいこともあるでしょう。
また、人員が集まらなければ、募集活動を継続していかなくてはなりません。しかし、採用広告費用がかさむほど、開業後の収益を大きく圧迫してしまうことも十分に考えられます。また、人員が少ない状態で運営すれば、ひとりあたりの業務負担も大きいものになってしまうかもしれません。
【不安4】集客がうまくいくか
どんな事業においても、開業時の集客はその後の運営に影響するため、どれだけ多くの利用者を確保できるかが重要なポイントです。利用者がいなければ、従業員に給与を支払えないどころか運営すらできなくなってしまいます。
たとえ、競合の施設よりも充実した設備があって、満足度の高いサービスを提供していたとしても、認知されていなければ意味がありません。開業した施設の認知度をあげるためには効果的な広告活動が不可欠ですが、運営の経験やノウハウがない場合には集客がむずかしいかもしれません。
デイサービス事業は個人経営としてではなく、フランチャイズに加盟して開業することもできます。本部に加盟することで、ここまであげてきた不安要素を解消できることもあるのです。
フランチャイズの本部は、経験で培われた経営ノウハウをもっています。加盟者に専門的な知識や経験がなくても、本部に研修制度などがあれば、運営のノウハウを身につけることができます。
また、開業資金が足りない場合でも、本部の自社ローンや金融機関へ提出する事業計画書の作成サポートを利用できることもあります。さらに開業にかかる費用を本部が負担してくれるケースも多く、加盟者が自己負担を軽減して開業できるという点も大きな魅力のひとつです。
人員や集客のための広告活動においても、本部が一括しておこなってくれる場合もあります。ブランド力の高い本部であれば、集客もしやすいでしょう。以下で、フランチャイズの加盟で得られるメリットなどについて、さらに詳しく解説していきます。
デイサービスの開業は、個人経営としてだけでなくフランチャイズに加盟することでも可能です。ここでは、フランチャイズに加盟することで得られる多くのメリットについて解説します。
フランチャイズとは、本部のブランド力や経営ノウハウを習得できる対価として、加盟店がロイヤリティーなどを支払いながら運営していく仕組みのことをいいます。本部はブランド力が強化でき、加盟者は受けられるメリットも多いため、さまざまな企業で採用されている運営方法のひとつです。
基本的に経営ノウハウは、開業後に経験を積み重ねて、時間をかけながら習得していくものです。しかし、フランチャイズでは経営ノウハウを一度に習得できるため、開業時から運営を安定させやすくなるという特徴があります。
本部のもつ経営ノウハウは、運営を成功させる秘訣が詰まっているということが最大のメリットです。さらに、加盟者は本部からさまざまなサポートを受けながら、運営をすすめていくことができます。本部によっては、社員による経営指導やアドバイスを受けられることもあり、より収益が得られる運営方法を習得していくことができます。
また、個人経営では時間をとられてしまいがちな行政への申請書類作成などの事務作業も、フランチャイズなら本部が代行してくれることもあります。とくに開業時には申請書類も多いため、本部のサポートにより自己負担を軽減しながら本来の営業に専念できるのは大きなメリットといえます。
ほかに、本部のもつ経験ノウハウを活かして立地調査や物件選定をおこなってくれることもあります。集客しやすい立地など、条件のよい運営環境を用意してくれることもフランチャイズに加盟する強みといえるでしょう。
ロイヤリティーの金額によっては、収益を圧迫する原因になることもありますが、サポートを受けることで作業効率や利益があがるのならば、支払う価値は十分にあるといえるでしょう。ロイヤリティーはデメリットととらえがちですが、サポート内容によっては大きなメリットになるということを覚えておきましょう。
フランチャイズの本部選びには、いくつかのポイントがあります。間違った本部選びをしてしまうと、運営に失敗してしまうおそれもあるので注意が必要です。
ただし、本部のなかにはロイヤリティーが高くても、十分なサポートが受けられない場合もあります。このため、フランチャイズ加盟する本部を選ぶときには、どういったサポートが受けられるのかということをリサーチしておくこともポイントになります。
フランチャイズの本部を詳しく知るためには、事業説明会への参加がおすすめです。具体的な開業プランをはじめ、先輩オーナーの話などが聞けるので、より詳しい本部の情報を仕入れることができるでしょう。同業の事業説明会にいくつか参加をして、加盟条件やサポート内容を比較しながら、本部選びの判断材料にしてみるのもよいかもしれません。
デイサービスの開業には、指定基準をはじめ、さまざまな法的な条件を満たさなければなりません。開業するまでには、数多くの申請書類を提出する必要があり、時間や手間もかかります。
また、施設の立地や選定のほか、人員や集客の確保など準備するべきことがたくさんあります。これらを1人でおこなうのは負担も大きく、不安になることも出てくるでしょう。しかし、個人経営ではなくフランチャイズに加盟して開業すれば、さまざまなサポートを受けて開業することができるのです。
フランチャイズ加盟するとロイヤリティーが発生しますが、充実したサポートを受けられるのあれば、支払う価値は十分にあります。フランチャイズに加盟するときは、サポート内容や加盟条件などを見定めて失敗のない本部選びをすることが重要です。まずは、事業説明会に参加をして、情報をたくさん集めてみましょう。
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