最終更新日:2023年11月10日
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副業をするうえで避けては通れない税金に関する問題。基本的に副業で稼いだ収入には税金がかかり、確定申告というものが必要です。確定申告期間は2月中旬~3月中旬になりますが、確定申告自体が初めてなら今すぐにでも税金に関する知識を蓄えておきましょう。
確定申告は正しく申告するうえで覚えておかなければいけないことが多く、確定申告が初めての方は時間がかかりやすいです。この記事で確定申告のための副業の税金に関する知識と所得額の計算方法について解説していくので、参考にして税に関する知識を深めてみてください。
確定申告とは1年間で稼いだ所得額をまとめて報告し、支払うべき税金を確定させる手続きのことです。サラリーマンやアルバイトなどの給与所得者では「年末調整」という形で所得税が確定されますが、副業の場合は年末調整がないため確定申告が必要です。
ただし注意点として、どのような副業所得でも課税の対象になるわけではありません。具体的には「合計所得額が20万円を超える場合」に所得税がかかるため確定申告が必要になります。
所得を簡単にいいますと、収入から経費を引いて残った金額のことをいいます。収入はご自身が副業などで得たお金のことで、経費はその副業をするうえで使ったお金です。副業の確定申告では収入ではなく所得額を基準として所得税がかかるのでご注意ください。
例えばインターネットで業務をおこなう仕事である「クラウドソーシング」を想定してみましょう。その場合、業務の都合上パソコンやスマートフォンなどの端末や、インターネット接続が必須となるので、これらの利用料金が経費として計上できます。また、仕事場が自宅である場合は光熱費や家賃などの生活費も経費として計上できるでしょう。
ただし、すべての経費が満額を計上できるわけではありません。家賃や光熱費のような「ご自身の生活と併用している出費」で計上できるのは副業で使った分だけになります。そのため、経費の内容によっては副業で使用している割合を考えて経費を決める「按分(あんぶん)」が必要になります。
確定申告の20万円は、ご自身がおこなっている副業すべての所得額の合計額が基準となります。例えば2つの副業をおこなっている場合、2つの副業の所得額を合算した値が基準です。反対に、他の副業で損(赤字)をしていた場合は、他の副業の所得額から差し引きすることができます。これらを具体的に表すと以下のようになるので、イメージするときの参考にしてください。
【複数の副業の所得計算例】
例1.Aの副業で15万円の所得、Bの副業で10万円の所得である場合
計算式:15万円+10万円=25万円(確定申告の必要あり)
例2. Aの副業で15万円の所得、Bの副業で10万円の赤字である場合
計算式:15万円-10万円=5万円(確定申告不要)
なお、副業の所得は基本的に「雑所得」とよばれる分類の収入となります。雑所得である場合、雑所得同士で赤字の差し引きはできますが、その赤字を別の種類の所得から引くことはできないため注意しましょう。例えばサラリーマンの副業で赤字が出た場合、本業の“給与所得”から副業の赤字分をマイナスすることはできません。
「自分が今どのくらいの所得税がかかるのかを知りたい」という時に役立つ所得税の計算方法をご紹介します。大きく分けて3つのステップでできるため、気になる方は実際に計算してみてください。
まずは、副業の所得額を求めるために必要な「所得金額」を求めましょう。先ほど解説した通り、所得は「収入-必要経費」を計算することでわかります。ご自身がしている副業の明細や取引履歴などを確認して、自分がどのくらいの収入を得ているかを確認してみてください。
その後、経費として計上できる出費をまとめておきましょう。なお、副業に関係する出費でも「出費を証明する書類」がなければ経費として認められません。領収書やインターネット通販の購入履歴があればそれが経費の証拠となりますので、しっかりと管理しておくことが大切です。
収入額と必要経費の総額がわかれば、あとは収入から必要経費を引いて計算するだけで、手順1は完了です。また、所得を計算するうえで本業の所得も必要になります。源泉徴収票などを参考にして本業の所得を確認しておきましょう。
所得額から差し引くことができる経費以外のものを控除(こうじょ)といいます。控除には医療費控除や社会保険料控除、雑損控除といったさまざまな種類があり、該当する人が申告することで、所得額を減らすことができ支払うべき税金が減ります。該当する控除制度があれば、それを証明できる書類などを用意したうえで計上しましょう。具体的な控除の種類と内容は、国税庁のホームページで確認することが可能です。
参照:所得金額から差し引かれる金額(所得控除)|国税庁ホームページ
また、「基礎控除」という控除はほとんどの人が受けられる控除ですので、忘れずに計上するようにしてください。基礎控除額は所得2400万円以下であれば48万円を差し引きできます。とりあえず簡単に所得額を計算したい人は、基礎控除額だけを差し引きして求めるとよいでしょう。
所得税では、所得が高い人ほど税率が高くなる「累進課税(るいしんかぜい)」という制度が設けられています。具体的な税率を求める場合は本業の所得と副業の所得を合わせた所得金額を基準として以下の税率で計算します。
課税される所得金額(千円未満切捨て) 税率 控除額 195万円以下 5% 0円 195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円 330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円 695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円 900万円を超え 1800万円 33% 1,536,000円 1800万円を超え 4000万円以下 40% 2,796,000円 4000万円超え 45% 4,796,000円
※2021年時点の情報です。
【所得税の計算例】
例.本業所得300万円、副業所得20万円、基礎控除48万円である場合
3,000,000円-480,000円=2,520,000円
2,520,000円+200,000円=2,720,000円
2,720,000円×0.1(税率10%)-97,500円=174,500円
なお、上記の計算例はあくまで「本業と副業を合わせた分の所得税」となります。副業のみの所得税を知りたい場合は、年末調整にて確定した源泉徴収税額を差し引きすることで求めることが可能です。
2011年から2037年までの期間は「復興特別所得税」というものが設けられており、所得税額に対して2.1%の割合でかかります。例を挙げるなら、以下の計算式で求めることが可能です。
【復興特別所得税額の計算例】
例.所得税額が20万円である場合
200,000円×0.021(税率2.1%)=4,200円
復興特別所得税は東日本大震災からの立て直しを目的として設けられた税金で、納税者全員に支払いの義務があります。そのため、確定申告書類を提出する際は復興特別所得税の分の税金も計算し忘れないように注意しましょう。
会社に内緒で副業をしている方は、確定申告の記入方法に気を付けなければなりません。なぜなら、確定申告の記入次第では会社に副業がバレるきっかけを作ってしまうからです。バレるきっかけというのは、確定申告後に決定される住民税の税額。住民税は基本的には本業の会社の給料からまとめて天引きされる仕組みになっており、そこに副業分の住民税が上乗せされると、副業が怪しまれます。
副業が会社にバレるきっかけを作りたくないのであれば、確定申告書類の住民税に関する項目にある「自分で納付」にチェックを入れて提出しましょう。そうすれば、副業分の住民税を自分で納付することができるため、会社にバレにくくなります。
「所得税を支払いたくない」「確定申告は面倒だ」などの理由で、確定申告書類の提出を怠ってはいけません。確定申告は対象者全員が提出する義務があるもので、提出義務があるにも関わらず提出せず、税金を支払っていないと脱税となります。
そうなると、今後税務署から調査が入り無申告であることが発覚した場合、「無申告加算税」や「重加算税」などの大きなペナルティがかかります。通常支払うべき税金よりも高い金額を支払わなければならなくなるのです。
もし、確定申告など副業の税金関係でお困りごとがあれば、確定申告の提出期限が来てしまう前に誰かに相談しましょう。例えば税務署が開催しているコーナーの利用や国税庁が設置しているチャット窓口など。他にも税に関する相談場所は多くあるので、わからないことがあれば遠慮せず聞いてみましょう。
また、税理士なら税に関する疑問を相談したり、確定申告書類作成を代行してもらったりすることも可能です。確定申告書類作成の代行はある程度のお金がかかりますが、税金の専門家が正しく書類を作成してくれるので、書類作成に自信がないのであればお任せしてみるのもありでしょう。
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