最終更新日:2023年11月10日
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昨今、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの企業が倒産しています。実際に、コロナ関連の倒産企業件数は、930件(2021年1月27日現在)を超えました。同時に、勤めていた企業の倒産などで職を失ってしまった人が起業をするケースも増えています。
しかし、業種によって多額の初期費用が必要となり、資金調達をしないと起業できない場合もあります。資金を調達する方法はいくつかありますが、事前に必要書類や要件などを知っておかないと1円の資金も調達できないこともあるのです。
この記事では、日本政策金融公庫の融資やクラウドファンディングによる資金調達の方法を解説します。コロナ禍の起業を成功させるためにも、ぜひご覧ください。
一般的に起業時に自己資金が不足する場合は、金融機関などから融資を受けます。なかでも、国が運営する日本政策金融公庫には新創業を積極的に後押しする制度があり、多くの起業希望者に利用されています。
しかし、コロナの影響によって日本政策金融公庫の融資制度にもさまざまな変化が起きています。この章では、日本政策金融公庫が実施している起業希望者向けの制度について解説します。
日本政策金融公庫は、国が出資をして運営している金融機関です。おもに、地域の活性化や雇用の産出、起業希望者を支援する融資制度などを実施しています。メガバンクや地方銀行など民間の金融機関よりも審査が厳しくないため融資を受けやすいのが特長です。また、金利が低く、設備資金なら返済期間を最長20年まで選ぶことができます。
さらに、民間の金融機関での融資には保証人が必要になりますが、日本政策金融公庫の創業融資においては基本的に無担保・無保証人で融資が可能です。
新規創業で利用できるおもな融資制度をいくつかご紹介しておきましょう。ここでご紹介する制度は新規の起業希望者や再度起業したい方に向けた制度です。制度によって利用するための要件や返済期間、利率などが異なるため、自分に合った制度を選びましょう。制度の概要は、リンク先を参考にしてください。
日本政策金融公庫がおこなう創業融資の融資限度額は、3,000万~7,200万円ですが、必ずしも希望する金額の融資が受けられるとは限りません。もし、日本政策金融公庫の融資で希望する金額の融資が難しい場合は、協調融資を検討してみてはいかがでしょうか。
協調融資をすれば、日本政策金融公庫と連携した2つ以上の民間金融機関から同時に融資が可能になり、希望金額の融資を実現しやすくなります。協調融資の効果など、詳しくは下記のページをご覧ください。
・民間金融機関との連携の取り組み (日本政策金融公庫)
日本政策金融公庫では1月26日現在、既存事業者を対象に新型コロナウイルス感染症特別貸付やセーフティネット貸付も実施しています。資金繰りが困難になっている既存事業者からの申し込み希望者が増加していることから、起業者向けの融資に申し込みをしても、融資金を受け取るまでに長い期間がかかるケースもあるようです。
コロナ感染拡大以前は、日本政策金融公庫で融資を受けられるまでに平均1~2ヵ月ほどでしたが、現在はさらに1ヵ月ほどかかるケースもあるようです。このため、融資を検討する場合は、余裕をもったスケジュール管理をしておくことが大切です。
また、一般的に金融機関から融資を受けるには、所定の書類を提出して審査を通過する必要があります。コロナの感染拡大によって審査基準は厳しくなっているといわれており、事業の実現や融資金の返済が見込めないと判断されてしまった場合は、融資を受けられないことがあるのです。
日本政策金融公庫からの融資を受けるには、おもに3つの審査ポイントがあります。融資の申し込みをして審査に落ちてしまった場合は、原因を改善しなくてはいけません。しかし、審査に落ちた原因を公庫側が教えてくれることはないため、どこがいけなかったのかわからないと再度融資を申し込んでも同じ結果となってしまいます。
融資の審査をスムーズに通過するためにも、ポイントを押さえて対策をしておきましょう。この章では、日本政策金融公庫における融資の審査ポイントについて解説します。
融資の審査では、まず信用情報機関を通じて事業主個人の信用情報が調査されます。融資をしても期日までに支払いされない可能性がある、信用情報に問題があると判断されると、審査の通過は難しくなります。
例えば、過去2年以内にクレジットカードの支払い滞納やキャッシングの債務が残っている場合は、審査において不利になります。また、水道光熱費や電話料金、税金などの支払いで遅延・滞納が多数ある場合も、同じように審査に通りにくくなるので注意しなくてはいけません。
特に過去5~10年以内に債務整理や自己破産をしている場合は、審査はほぼ通過できないと思っておいたほうがよいでしょう。返済トラブルなどの信用情報は、信用情報機関に5~10年保管されることになります。このため、融資を受ける際は、異動情報が消えてから融資の申し込みを検討するようにしましょう。
融資を受けるために手間や時間をかけて書類作成などをしても、信用情報に傷が付いていれば無駄になってしまいます。もし自分の信用情報で不安な点はある場合は、事前に信用情報機関で確認することをおすすめします。
CICは、クレジットカード会社を含む900社以上が加盟しており、日本政策金融公庫とも連携している指定信用情報機関です。下記のCICの公式ページから信用情報開示ができますので、気になる点があるなど不安な場合は確認しておきましょう。
融資を受ける際、自己資金が少なすぎることも審査を通過できない原因となります。例えば、日本政策金融公庫の創業融資制度は、必要資金総額の10分の1以上を自己資金として確保しておくことが要件にあります。そして、自己資金の10倍の融資を受けられることはほとんどなく、2~3倍前後が基本になります。
また、身内などから一時的に借り入れたお金は自己資金として認められないので注意しなくてはいけません。融資の審査では、過去半年分の預金通帳が確認されるため、自己資金として認められるためには、計画的に貯めて通帳記入しておくことが大切です。
金融機関から融資を受ける際は、どうして資金が必要なのか具体的な事業内容を説明するために、事業計画書の作成が必要になります。事業計画書は、事業の継続や返済が可能かといったことを審査するための重要な判断基準になるのです。
事業計画書には決まった形式はありませんが、第三者が見ても理解しやすく説得力のある内容にすることが重要なポイントです。事業内容をはじめ、収支計画や返済計画などを細かく記載する必要があります。
例えば、集客数や売上金額などの予測は、現実味があり根拠のある具体的な数字を記載しなくてはいけません。事業計画書の書き方によっては、融資担当者から数字の根拠について質問を受けることもあるでしょう。その場合も根拠を説明できるように内容をしっかり把握しておくことも大切です。
コロナ禍にある今なら、休業要請を受けた場合の対策や感染症対策をどのようにおこなって営業するかなどの案も盛り込む必要があります。その上で、安定した収入を確保しながら返済までできる根拠を証明する資料を作成しなくてはいけません。事業計画書については、以下のページで作成のポイントなどをご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
起業時には必要書類が多く法律に関する知識も必要になるため、自分ですべての手続きをしようと思うと手間や時間がかかってしまいます。スムーズに開業するためには、以下のような起業のスペシャリストに相談してみましょう。特に、融資にまつわる相談は行政書士がおすすめです。
それぞれの専門家は、その分野に特化したさまざまなノウハウをもっています。なかには、創業融資の申請サポートや総合的な起業支援サービスをおこなっている士業事務所もあります。
また、各自治体でおこなわれているオンラインの起業セミナーなどに参加するのもよいでしょう。自治体によっては、セミナーを受けることで会社設立時に発生する登録免許税の軽減措置を受けられることもあります。起業関連のセミナーなどは、自治体によっても内容が異なるため、ホームページや窓口で確認してみましょう。
近年、クラウドファンディングは、起業時の資金調達の方法として一般的なものになりました。クラウドファンディングは、Web上に自分のプロジェクトやアイデアを公開して、不特定多数の人から資金を調達する方法です。
クラウドファンディングで資金調達を始めるには、サービスサイトに登録をしてプロジェクトの審査を受けなくてはいけません。審査を通過できれば、サービスサイトにプロジェクトが掲載されます。基本的に登録や掲載時に費用はかかりませんが、一部のサイトでは掲載手数料がかかる場合もあるので、登録する前に確認しておきましょう。
また、プロジェクトが目標金額に達成すると、運営サイト側から一定の手数料が差し引かれます。登録するサイトによって手数料の金額は異なりますが、集まった資金合計の10~20%前後が一般的です。
クラウドファンディングはいくつかの種類に分かれており、サイトによっては特定の種類に特化しているところもあります。種類によっては目標金額に達成した場合、支援者に金銭やサービスなどを返礼する、いわゆるリターンが発生します。目標金額を達成するには、魅力的なリターンを設定して、支援者に伝わりやすい説明を掲載するのがポイントです。
さらに、資金の募集方式によっては一定の条件を満たさないと集まった支援金を受け取れないため仕組みを知っておくことも大切です。この章では、クラウドファンディングの種類や募集方式などを解説します。
クラウドファンディングは、おもに寄付型・購入型・金融型の3種類に分けられます。それぞれの特徴を知って、自分のプロジェクトがどの種類に適しているかを選びましょう。
○購入型
購入型はプロジェクトの支援者がお金を支援して、起案者が物やサービス、体験などをリターンする仕組みです。購入型の募集方式には、All or Nothing方式とAll in方式の2種類があります。
All or Nothing方式は、一定期間内に目標金額が集まった場合のみ、資金を受け取ることができます。目標金額を達成できなかった場合は集まった支援金がキャンセルされ、1円も資金を得ることができなくなってしまうので注意しなくてはいけません。目標金額に達成しないと実現できないプロジェクトの場合は、All or Nothing方式のほうがおすすめです。
一方、All in方式は、目標金額を達成できないまま募集期間が終了しても、集まった資金を受け取ることができます。ただし、集まった金額に関わらず、起案したプロジェクトやリターンの実施が必要です。
○寄付型
寄付型は、起案されたプロジェクトに支援者がお金を寄付するシンプルな仕組みです。一般的な寄付と同じで基本的にリターンは発生しません。プロジェクトによっては活動報告やお礼の手紙を支援者に送るケースもあります。寄付型は被災地支援など、おもに社会貢献性の高いプロジェクトが多く選ばれています。
○金融型
金融型は、株式発行やファンドを利用して資金を募る仕組みで、おもに企業と投資家の間でおこなわれるクラウドファンディングです。さらに、融資型や投資型などに分かれ、融資型はソーシャルレンディングとも呼ばれています。購入型や寄付型とは異なり、融資という形式のため、起案した企業は金銭的なリターンによる返済が必要です。
クラウドファンディングは、Web上で幅広く資金を募ることができる点が大きなメリットです。募集期間内であれば目標金額の達成後も資金を集められるため、賛同してくれる人が多ければ、一度に多額の資金を調達できます。また、起業前にファンを作ることや起案したプロジェクトが世間にどれくらい通用するかテストマーケティングすることも可能です。
返済が必要となる融資型では、返済計画が重要視されますが、過去の実績などは加味されません。このため、審査が厳しい金融機関で融資を受けられない方にとっては、ハードルの低い資金調達方法といえます。
ただし、クラウドファンディングには特有のデメリットもあります。例えば、クラウドファンディングは起業前に自分のプロジェクトを広く公開するため、他の人にアイデアを盗まれてしまう可能性もあるのです。All or Nothing方式の場合は、目標金額に達成しないと資金の調達ができないリスクもあります。
何より目標金額が集まったとしても、起案したプロジェクトが必ず成功するとは限りません。クラウドファンディングで資金調達を検討する場合は、リスクも含めて自分のプロジェクトに合った種類や方法でおこないましょう。
融資やクラウドファンディングで起業したい事業の資金調達はできても、経営面において不安を感じる方も多いのではないでしょうか。その場合は、資金面と経営面の支援制度が多いフランチャイズに加盟して起業するのもおすすめです。
フランチャイズは、本部の持つブランドを取得して開業できるため、知名度の高い企業に加盟すれば安定した集客や売上を見込むことができます。また、本部が培ってきたさまざまなノウハウも共有できるため、未経験の業界であっても一定の知識や技術を身につけて開業が可能です。最後に、フランチャイズ加盟で起業するメリットと注意点を解説します。
個人事業主として創業融資を受ける場合は、実績がなく社会的信用に欠けるため、融資を受けるのが難しいケースが多くあります。しかし、フランチャイズなら金融機関との間に入って加盟者の融資を仲介してくれるところもあるのです。なかには、融資先に提出が必要な事業計画書の作成サポートしてくれる本部もあります。
他にも、自社ローンを設けている本部なら、金融機関から融資を受けるよりも少ない金利で資金調達が可能です。資金面の開業リスクを軽減できるのは、フランチャイズの魅力のひとつといえます。
フランチャイズで開業した場合であっても、開業には個人事業主の起業と同じように数多くの書類作成や行政への手続きが必要です。開業が初めての場合は、記入方法や提出先に困ってしまうこともあるでしょう。
しかし、フランチャイズなら、本部が開業にどんな書類や手続きが必要かを把握しており、行政への開業手続きや煩雑な事務処理を代行してくれることもあります。本部が代行してくれることで、加盟者は日々の負担を軽減して本来の営業に専念しやすくなるのです。
店舗が必要になる業種では、物件の取得に多額の自己資金を投資しなくてはいけません。このため、開業後の資金繰りに苦労する経営者が数多くいます。フランチャイズには、本部が物件取得や設備投資などの費用を負担して店舗を準備してくれるところもあるのです。
何かと費用がかかる起業時に資金面のサポートがあるのは、加盟者にとって大きなメリットといえます。フランチャイズは、本部の費用負担によって融資を受けなくても開業が実現できます。
フランチャイズは本部の経済的な支援により、初期費用を抑えて開業できるのが魅力です。しかし、コロナの影響による経営状況の悪化で、フランチャイズの大手企業でも店舗数の縮小や撤退をしているところも数多くあります。
これからフランチャイズに加盟を検討する場合は、初期費用の安さだけではなく、経営状況を把握して将来性があるかどうか慎重に判断することが大切です。多くの情報を集めるためには、フランチャイズ本部を比較して検討するのがよいでしょう。
オンライン説明会を実施している本部も多いので、気になるところがあれば積極的に参加することをおすすめします。一般的に説明会は本部社員が実施しており、資料やパンフレットには記載のない具体的な事業内容や今後の方向性などを知ることができます。質疑応答があれば、気になることや疑問点もその場で解決しやすいのもメリットです。
もしフランチャイズでの起業を検討される場合は、ぜひ弊社のフランチャイズの窓口をご活用ください。日本全国で加盟店を募集しているフランチャイズ本部を業種や地域別で検索ができ、開業資金などの条件検索も充実しています。条件を絞れば、自分の希望に合ったフランチャイズ本部が見つけやすくなるでしょう。
近年は、クラウドファンディングやオンラインで完結するビジネスなど、起業のやり方や経営のあり方も多様化しつつあります。コロナ禍の影響も先行き不透明ですが、これから起業する事業を長く続けていくためには、時代の変化に対応できることが大切ではないでしょうか。
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