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2024/11/21更新

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キッチンカー開業で加入するべき3つの保険とは?PL保険などを解説

最終更新日:2023年11月10日

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キッチンカー開業で加入するべき3つの保険とは?PL保険などを解説

新型コロナウイルス感染拡大によって、飲食業は営業時間の短縮要請や客足の減少などで大きな打撃を受けています。そんななか、キッチンカーでの営業を導入する飲食店が増えているのです。

大手のコンビニやスーパーも、移動販売事業に参入し始めています。外出を控えている人や密を避けたい人、買い物が困難な人に、近所まできてくれる移動販売のニーズが高まっているといえます。これから飲食店を始めようと考えているなら、キッチンカーでの開業を視野に入れてみるのもおすすめです。

ただし、移動販売は車での移動が基本となり特有のリスクもあるため、任意保険への加入をして正しい知識をもっておくことも大切です。トラブルになってからじつは補償の適用外だったという場合は、多額の賠償金や修理費を自分で負担しなくてはいけません。

この記事では、キッチンカーの開業で加入しておくべき保険を解説します。これから移動販売での開業を検討している方は、ぜひご覧ください。

1. PL保険(生産物賠償責任保険)

PL保険は、正式には生産物賠償責任保険といい、お客様に提供した食品が原因で損害を与えてしまった場合に補償をしてくれる保険です。

飲食店の営業には食品衛生責任者の資格と、提供するメニューに応じた営業許可が必要で、これはキッチンカーで開業する場合でも同様です。食品を衛生的で安全に提供するために最低限必要な知識や設備は、実店舗でもキッチンカーでも変わりはありません。

しかし、キッチンカーの場合は高温多湿の環境で調理や食品提供をおこなうことがあるため、実店舗よりも食中毒のリスクが高まります。大規模な食中毒が発生した場合には損害賠償が数千万円になる可能性があり、たった一度事故を起こしただけで事業の継続は困難になってしまうはずです。

お客様に損害を与えてしまったときの損害を賠償する経済的リスクを回避するために、PL保険への加入は必須といえます。また、出店場所によってはPL保険への加入が条件になっているケースも数多くあります。

PL保険のおもな補償対象には、提供した食品が原因で食中毒が発生したときの医療費や商品の提供時にお客様の所有物を汚してしまったときの賠償金などがあります。保険会社のプランによって保険料や補償内容はさまざまなので、比較しながら自分に合ったものを選びましょう。

日本食品衛生協会や青色申告会のPL保険は、補償内容が充実しており、保険料も比較的安く抑えることが可能です。ただし、加入には入会が必要となり、申し込み期間が限られているのでタイミングには注意が必要です。保険料・補償額は、業種によるリスク区分や年間の売上などで変わってきます。詳しくは、以下のページを参考にしてください。

あんしんフード君・スーパーあんしんフード君 (公益社団法人日本食品衛生協会)
青色PL保険 (東京青色申告会連合会共済会)

2. 自動車保険

キッチンカーで開業するなら運転する時間の長さなどを考えると、交通事故経験の有無に関係なく自動車保険にも加入しておくべきです。出店場所によっては、PL保険と同じように対物賠償責任保険への加入が条件となっているケースもあります。ただし、キッチンカーの自動車保険加入には、一般の自家用車とは異なる点があるため注意が必要です。

保険料が自家用車に比べて高くなりやすい

自動車保険は、基本的に車の使用目的で保険料が変わります。保険会社によって分類の仕方が異なりますが、おもに通勤通学用・日常用・業務用の3種類があります。

一般的な目安としては、週5日以上もしくは月に15日以上業務として使用する場合は業務用車の扱いになります。業務用車は他の分類よりも運転する時間や走行距離が多く、交通事故リスクが高いことから、保険料が高くなるのです。

セカンドカー割引が適用外になる場合がある

車を複数所有する場合は、通常は2台目以降の保険料が安くなるセカンドカー割引という制度が利用できます。しかし、1台目が日常用で2台目が業務用といったように使用目的が異なる場合は、セカンドカー割引が使えません。さらに、被保険者が個人であることも適用条件になっています。

用途車種が業務用の車は、自動的に全運転者が補償対象になるため、セカンドカー割引の適用外となってしまうのです。新規加入の場合は6等級からのスタートになるため、1年目は保険料が高くなることを覚えておきましょう。ただし、用途車種が4ナンバーの自家用軽貨物車の場合は、一定条件を満たすことでセカンドカー割引の対象になることがあります。

セカンドカー割引が適用外になる場合がある

加入できる保険が限られている

キッチンカーは、軽トラックやバンなどを改造することがほとんどですが、構造変更するとそのままの状態では車検が通せなくなります。1ナンバーの普通貨物車や4ナンバーの小型貨物車として登録もできますが、車検を受ける場合は厨房設備などを取り外さなくてはいけません。

厨房設備を固定したまま車検を受けるには、8ナンバーの特殊用途車で構造変更登録する必要があります。ただし、8ナンバーのキッチンカーは、加入できる任意保険を探さなくてはいけません。キャンピングカーや福祉車両などの8ナンバーを取り扱っている保険会社はあっても、キッチンカーを扱っているケースは少ないのが現状なのです。

以下のページでは、8ナンバー登録ができる自動車保険の保険料などが掲載されています。登録車による料金も比較できるので、参考にしてみてください。

移動販売車の自動車保険 (株式会社シェアティブ)

補償の範囲に注意すること

車両保険は、厨房設備費用を含めて保険をかけられますが、基本的には車両に固定されているものが対象です。載せてあるだけの冷蔵庫やヒモで縛ってあるだけの厨房設備などは、補償の対象にならないことがあるのです。設備を車両保険の対象にするには、ボルトなどで車両に固定する必要があります。

4ナンバーの小型貨物車の場合、厨房設備が積載物として扱われることが多いため、一般的な自動車保険では厨房設備まで補償されません。この場合は、積載物が補償される自動車保険を選ぶ必要があります。

車両保険に加入する場合は、補償の範囲がどこまでなのか確認しておきましょう。また、年式の古い車は車両保険が付けられない場合もあるので注意してください。

弁護士特約が付いた保険がおすすめ

自動車保険に加入する場合は、弁護士特約が付いたものを選ぶことも大切です。基本的にキッチンカーは車が進入できる場所に駐車して営業するため、場所や状況によってはもらい事故に遭うリスクがあります。

もらい事故とは、被害者側にまったく落ち度のない交通事故とのことです。もらい事故では被害者側に損害賠償責任が発生しないことから、自動車保険が適用されません。立場上無関係なので、契約している保険会社には加害者側との示談交渉を依頼できないのです。

自分で相手側の保険会社と示談交渉をするには手間や時間がかかります。法律のノウハウをもったプロが相手では、場合によっては不利になってしまうこともあります。本来請求できるはずの賠償をしてもらえない事態を回避するためには、自費で弁護士に委任しなくてはいけません。

しかし、弁護士に依頼する費用は高額であることが多いです。そこで役に立つのが、弁護士特約です。弁護士特約は、もらい事故に遭った場合に示談交渉を弁護士に委任する費用を保険会社が補償してくれるというものです。

弁護士特約は使用しても等級に影響しないため、翌年に保険料は上がりません。自動車保険に加入する際は、万が一に備えて弁護士特約の付いたものを選ぶことをおすすめします。

3. 施設所有者賠償責任保険

施設所有者賠償責任保険は、建物や場所、施設の不備などが原因で発生した損害賠償を補償してくれる保険です。

キッチンカーで営業するうえで起こりうるトラブルは、提供した食品やもらい事故だけとは限りません。例えば、キッチンカーの前に設置した看板が倒れてお客様にケガを負わせたり、厨房設備から油が漏れ出して出店場所の床を汚してしまったりといったケースです。

キッチンカーや設備の不備や欠陥によって起きたトラブルは、自動車事故でも生産物が原因でもないため、自動車保険やPL保険の適用外です。施設所有者賠償責任保険にも加入しておけば、より安心して営業ができます。

ただし、施設所有者賠償責任保険は法律上の賠償責任が前提となるため、台風などの自然災害による事故は適用外となるので注意しなくてはいけません。補償内容も他の保険と同じように保険会社によって異なるため、加入前には保険料や保険金の支払い限度額などの詳細も把握しておきましょう。

4. 開業までに必要な資格や資金も押さえておくべき

キッチンカーの開業は保険への加入も大切ですが、開業前には営業許可や食品衛生責任者の資格取得など他にも準備しておくべきことがたくさんあります。また、保険料も含めてどれくらいの開業資金が必要なのか把握しておくことも重要です。特に、車両の改造には多くの資金や煩雑な手続きが必要で、想像以上に時間をとられるものです。

さらに、管轄する保健所が異なる出店場所の場合はあらためて申請手続きが必要になるなど、営業していくにあたって知っておくべきこともたくさんあります。以下の記事では、キッチンカーの開業に必要な費用や許可申請を解説していますので参考にしてみてください。

移動販売の開業で失敗しないために必要な準備や費用を把握しておこう

ノウハウのある専門業者に相談するのも方法のひとつ

キッチンカーの設備にこだわりたいという場合は、製作を専門におこなっている業者に相談してみるのもおすすめです。キッチンカーについてのノウハウを豊富にもっているので、開業までに必要な資格や、車検や保険についてのアドバイスなども受けられるはずです。

また、キッチンカーの製作専門店には、設備や外観をオーダーメイドできるところも多く、費用はかかりますが自分の理想に近いキッチンカーを手に入れることができます。キッチンカーの製作専門店のなかにはキッチンカーの中古販売やレンタカーをおこなっている業者もあるので、費用を抑えたい場合は利用してみるのもおすすめです。

キッチンカー製作をおこなう株式会社フードトラックカンパニーでは、保健所営業許可申請の無償サポートやオンラインによる開業セミナーなどの支援も実施しています。キッチンカーの製作実績が豊富で、自社ローンを利用すれば、頭金なしで初期費用を抑えることも可能です。業務リスクや自動車リスクに対応した保険パッケージもあります。

キッチンカー専用のプラットフォームも活用してみよう

キッチンカーでの開業が初めての場合は、保険の選び方やキッチンカーの入手方法など、どこから始めたらよいのかわからず不安になる方も多いでしょう。その場合は、キッチンカー専用のプラットフォームを利用してみるのもおすすめです。

株式会社Mellow(メロウ)では、移動販売業者とスペース提供者のマッチングサービスを展開しています。また、自治体と連携しながら地域活性化や災害時の対応に向けて、キッチンカーを使った社会実験を各所で実施しています。生産物賠償責任保険と施設賠償責任保険が一緒になった、日本初のキッチンカー専用賠償責任保険を提供しているのも特長です。

開業費用を抑えるには補助金や助成金もチェック

国や自治体では、新規創業希望者に向けた資金の助成や補助を実施しています。受給には一定の条件がありますが、返済の必要がないため魅力のある制度といえます。

昨今のキッチンカー需要の高まりもあり、自治体によってはキッチンカーの開業者を対象とした助成を実施しているところもあります。先ほどご紹介した株式会社Mellowも自治体と連携して、キッチンカーでの開業希望者に最大100万円の補助をする事業をおこなっています。

ただし、開業支援制度は各自治体によって制度内容や受給条件などが異なるので注意しましょう。以下のページでは、独立開業支援制度をさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

独立開業支援は補助金だけじゃない!さまざまな制度を知っておこう!

キッチンカー開業はフランチャイズもおすすめ!

開業までに必要な資格や資金も押さえておくべき

キッチンカーの開業は、フランチャイズ加盟もおすすめです。フランチャイズなら保険だけでなく、経営のノウハウもパッケージ化されています。研修制度や継続的な本部サポートもあれば、業界が未経験であっても安心です。

2021年6月には、食品衛生法の改正によって非接触水道の導入などキッチンカーにおける新たな設備基準の変更がなされる予定です。フランチャイズであれば、こうした変更点にも即時対応してくれるはずです。

フランチャイズで開業を検討している方は、以下のフランチャイズ本部を参考にしてみてください。リンク先では、必要開業資金や本部の魅力もご紹介しています。

COLOR CAFE(カラーカフェ)
COLOR CAFEは、業界最安値の初期費用で移動販売が開業できるフランチャイズ本部です。
加盟金・ロイヤリティが不要で、屋号やキッチンカーのカラーも自由に決められるのが大きな特長です。研修制度やホームページ作成、道具一式の提供など開業前後の本部サポートが手厚いので、移動販売が初めての方にもおすすめです。

キッチンカーでの開業にはいくつかの方法があるので、自分に合った開業方法を探してみてください。スムーズに開業するには、開業資金や必要な手続きなどの準備をしておくことが大切です。そして、万が一のリスクに備えて保険に加入することも忘れないようにしましょう。

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