理容室開業に必要な資金・手続き。フランチャイズのメリットって？

最終更新日：2023年11月10日

「自分だけのお店を持ちたい！」理容師の資格を持っている人の中には、そう思って資格を取得した方もいるでしょう。おめでとうございます、夢の実現まであと一歩ですね。でも、理容室を開業するためにはどれだけの資金が必要か、どんな手続きを踏まなければならないか、詳しくご存じの方は多くはいないでしょう。

そういった方のために今回は、理容室開業に必要な資金、手続きについてわかりやすく説明いたします。また、今回のコラムでは、理容室をフランチャイズで開業した場合、どんなメリットを受けることができるかも説明しているので、参考にしてください。

• 1.理容室はどれくらい費用がかかる？
• 2.運転資金と開業費用も重要！
• 3.手続きはなにが必要になるの？
• 4.開業よりフランチャイズ？なにが違うの？
• 5.まとめ

1.理容室はどれくらい費用がかかる？

理容室を開業するためにはさまざまな設備が必要です。ここでは、「物件取得費」「設備関係費」の2つに分けて、それぞれどのようになっているのかみていきましょう。
理容室を開業するための場所を借りる資金を、ここでは物件取得費としました。

・敷金
・礼金
・保証金
・仲介手数料
の4つを物件取得費として、物件によって敷金、礼金、保証金は大きく変わってきます。オーナーの考え方や物件の立地によって、家賃数か月分以上の差が出てくるのです。

最低でも敷金・保証金は家賃3か月分、礼金は家賃1か月分を用意する必要があります。よい立地ほど高額になりますが、通常は100万円～200万円くらい用意するケースが多いようです。

設備関係費は工事費と美容器具やスタイリングチェアなどの備品費があります。必要な設備工事としては、理容院の内装工事、給排水工事、空調・照明設備の設置・配線工事などです。家賃よりも高額なケースが多ので、500万円程度はかかると思ってください。

2.運転資金と開業費用も重要！

理容室の開業費用は、店舗開業のときに必要となる諸経費のことです。内訳としては、以下のようになります。

・従業員の募集、研修費といった開業前にかかる人件費
・チラシ、DMなど広告宣伝費
・物販の在庫、シャンプーなどの消耗品の仕入れ
・開業前家賃

そのほか諸経費もあるので、ある程度余裕を持った金額を用意しておくのがおすすめです。

開業費用のほかに、運転資金を用意しておくことも重要です。運転資金とは、開業から黒字化するまでの店舗を運営していくにおいて、必要になる資金のことです。一般的には理容院を開業したあと、収支がすぐに黒字になることはなかなかありません。家賃など、毎月支払う必要のある経費を補填できるだけの資金を、3か月～6か月分は用意しましょう。

当然のことですが、開業費用も必要です。運転資金と同じく、条件によって金額が変わります。あくまで一例になりますが、開業費用を100万円、運転資金が月100万円かかるとすると、最低でも400万円、可能ならば700万円は用意しておく必要があるのです。物件取得費なども合わせると、1,000～2,000万円は準備することをおすすめします。

3.手続きはなにが必要になるの？

理容室を開業するためには、役所への届け出を行わなければなりません。店舗を開業するためには、多くの書類を複数の役所（例：税務署に開業届出書など）に提出する必要があるのです。ここでは他業種でも共通するものは割愛し、理容院を開業する場合に必要な書類のみご説明いたします。

理容室を開業する場合は、開業予定日1週間前までに保健所に必要書類を提出しなければなりません。保健所に提出する書類としては、施設の平面図、構造・設備の概要、従業員名簿・身分証明書、従業員の健康診断書、店舗の図面が必要です。開設者が法人の場合は、会社の登記簿謄本も提出しなければなりません。

また、当然のことですが理容室を開業するためには、理容師の資格を持っている必要があります。自身が理容師資格を持っていない場合でも、資格を持っている従業員を雇えば店舗を開店することができるのです。いずれの場合も理容師が2名以上いる場合は、管理理容師の資格を持っている従業員を雇う必要があるので注意してください。

4.開業よりフランチャイズ？なにが違うの？

理容室を開業する方法としては、フランチャイズに参加するという手段もあります。フランチャイズはのれん分けなどとは違い、大手チェーンに外部の人間が参入することです。

フランチャイズに加盟すると、大手チェーンとしての強力なブランド力が利用できるので、それだけである程度の集客が見込めます。また未経験からの参入方法など、チェーン展開にともなう店舗開業・運営のためのノウハウを確立しているため、充実したサポートを受けることができるのです。そのほかにも、店舗の内装を統一することで工事費などをある程度安くおさえたり、店舗の物件候補を紹介してもらえたり、さまざまな恩恵を受けることができます。

しかし充実した恩恵を受けられる一方で、フランチャイズには参加することで生じるデメリットもあるのです。フランチャイズで店舗を開業した場合、チェーン店として店舗のデザインから運営までマニュアル化されています。そのため、オーナーの個性を出すことが難しく、オリジナリティのある店舗を運営することはできません。また、ロイヤリティや契約更新料などを定期的に本部へ支払う必要があります。

フランチャイズでの理容室の開業は、店舗に自身のこだわりを反映したい方にはおすすめできません。しかし、未経験の方でも参入できたり、店舗を開業するために充実したバックアップを受けることができたり、大きな恩恵があることも事実です。とにかく自身の店舗を持ちたいという方や、理容師として店舗を運営した経験がない方は、フランチャイズを利用してみてはいかがでしょうか。

5.まとめ

理容室を開業するためには、物件取得費や、設備関係費、運転資金、開業費用など、事前に必要な資金を準備する必要があります。条件によって変わりますが、総額1,000～2,000万円は必要です。運転資金などなるべく余裕を持ちたいので、できる限り多くの資金を準備してください。

理容室の開業に必要な手続きとしては、保健所に施設平面図や従業員名簿などの書類を提出しなければなりません。また、店舗を開業するためにはそのほか複数の役所に多数の書類を提出する必要があります。しっかりとなにが必要か調べて、提出漏れがないように気を付けてください。

理容室は自分で開業するだけでなく、フランチャイズという選択肢もあります。フランチャイズなら、物件候補の紹介や、運営ノウハウの教育など、大手チェーンならではの充実したバックアップを受けることができます。店舗を持ちたいけれど、運営は未経験だから不安だという方には、フランチャイズに参加することをおススメします。

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