最終更新日:2023年11月10日
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いつかは自分のこだわりを詰め込んだお店を開きたい。それは、自分から行動していくことで実現することが可能です。誰でもしっかりと段階を踏んでいけば、ショップ開業は決して夢ではないのです。しかし、そのプロセスは簡単なものばかりではありません。夢への第一歩として、お店を開くために必要な道のりを、1つずつ確認していきましょう。
お店を開くためには、どんなお店にするのかを具体的に決めていかなければなりません。憧れのショップを開業するとなれば、今まで漠然とイメージしていた自分の店を具現化していくことになります。それも、自分だけがわかる形ではなく、誰が見てもわかる形で表現する必要があるのです。まずは、お店のアイデアをとことん練っていきましょう。希望通りのイメージのお店にするためには、どんな工夫をしたら良いのか。どんな点を工夫したら、よりイメージに近付くのか。ほんのちょっとした工夫でも、お店のイメージは劇的に変わることもあります。他のお店とは違う、自分だけのお店を作り上げるためには、こうした自分だけのアイデアが欠かせないのです。これには、細かい部分までしっかりとイメージしてアイデアを詰めていかなければなりません。外装や内装はもちろん、壁や床、天井、窓はどんなイメージにしたいのかも決めていきましょう。あわせて、テーブルや椅子などの設備も、イメージを膨らませておきます。イメージが固まってアイデアが出きったら、実際にそれが実現可能かどうかを検討してみましょう。イメージしたもののなかには、どうやっても実現が難しいものもあるかもしれません。現実問題を加味して、実現不可能なものについては再考する必要があるのです。そうした作業を繰り返して、すべてが実現可能なイメージとアイデアが固まれば、最初の工程は終了です。
お店の大枠が決まったところで、なぜそのお店を経営したいのかについて考えてみましょう。自慢の料理をたくさんの人に食べてもらいたい、自分のスキルを活かして誰かに癒しをあげたいなど、お店を経営したい理由はさまざまあって当然です。これが確立していれば、お店の経営がどんなに困難でも、軸がぶれずに突き進むことができます。お店を経営したい理由が定まったら、経営していくうえでの目標も決めていきます。売上目標でも良いですし、お客様の来店人数でも構いません。こうした具体的な目標があれば達成感が得やすく、経営のモチベーションもアップします。お店をオープンするのならば、明確な目標を作ってまっすぐに進んでいきましょう。
自分のお店を持つためには、もちろんながら資金が必要です。それも、まとまった資金がなければ実現しません。たとえば、飲食店の場合は100~1,500万円ほどの資金が必要といわれています。これだけの金額を集めるのは、決して簡単なことではありません。どんなに必死に働いて貯めたとして、この金額に達するまでにはある程度の時間がかかることでしょう。もちろん、基本的には自分で貯めたお金を資金として使用します。しかし、どう頑張っても自己資金だけでまかなえない場合もあるものです。そこで、親族や身近な友人などに借りるという方法も良いでしょう。まわりに助けてくれる存在がいない場合は、銀行からの融資を検討するのも手です。こうして、できる限りの資金を集めておかなければならないのです。
お店を持つためにかかる費用では、まず物件を借りることで大きな出費があります。お店を開業するためには、前家賃などの他に保証金が必要となってくるのです。この保証金は賃料の約10カ月が相場とされているので、決して安いものではありません。これにプラスして、敷金や礼金、仲介手数料がかかるので大変多額となるのです。さらに、内装や外装を施工するためにも費用がかかってきます。そして、お店の設備や商品にもお金はかかります。人材を募集したりお店をアピールする販売促進の場面だったりでも、費用は発生します。さらに、お店を開業しても軌道に乗るまでには平均で半年ほどかかります。そのため、その期間お店を支えていけるだけの運転資金も作っておかなければならないのです。運転資金の目安は、見込み年商の50%といわれています。年商2,000万円を見込んでいるのであれば、運転資金は1,000万円を用意しておきましょう。また、必ずしも半年でお店が軌道に乗るという保証があるわけではありません。万が一のことも想定して、運転資金はなるべく多く用意しておくと安心です。お店の開業にあたっては、こうしてさまざまな場面で多額の費用が発生します。長期的な貯蓄計画を立てて、しっかりと資金を調達していきましょう。
資金調達ができたら、どこにお店を建てるのかを考えます。自分の憧れの町にお店を持ちたい、と考える人も多いところです。これから自分が経営していくお店ですから、ぜひ自分が納得できる場所を選んでいきましょう。ただし、憧れだからという理由だけで出店エリアを選んでは、お店の経営が上手くいかなくなってしまう可能性があります。エリアによって、求められているお店にも違いがあるからです。たとえば、のどかな田園風景が拡がる地方エリアで、高級ホテルのような高価な飲食店はあまり合いません。そのエリアの特徴をしっかりと調査して、エリアに合った出店が大切なポイントなのです。エリアに合わせたお店のコンセプトを定めることも1つですが、お店のコンセプトに合わせたエリア選びも良いでしょう。お店のコンセプトに合いそうな地域を選んで、お店が繁盛しやすいエリアで出店するのです。これならばお客様も集まりやすく、お店が成功しやすいといえます。
希望出店エリアの候補が出ても、即決するのはあまりおすすめできません。どんなに素敵でイメージぴったりの場所であったとしても、街にはさまざまな側面があるのです。たとえば、平日や土日、朝や昼、夜などによっても、街の雰囲気は大きく変わります。そのため、エリアを徹底的にリサーチしておくことも大切です。さまざまな曜日や時間帯を徹底的に調査すれば、時間帯ごとのお客様の特徴が見えてきます。これがわかっていると、お店のコンセプトや営業時間、サービス内容も明確にわかるようになってきます。出店エリアの人に喜ばれ、求められるサービスを提供するためには、まずエリアを知ることが大切なのです。
お店のコンセプトや出店エリアが決まったら、競合調査に入ります。競合とは、同じようなタイプのサービスやコンセプトを掲げるお店のこと。こうしたライバルたちのことを知らずして、競合に勝つのは大変困難です。また、競合たちも売り上げを伸ばそうとさまざまな工夫をしています。そんなアイデアなどを勉強すれば、必ず自分の店の糧となってくるのです。だからこそ、競合は徹底的に調査する必要があります。競合店のなかでも、特に人気店については入念な調査をしていきましょう。人気店は、人気を集めるだけの「なにか」があるはずです。人気の理由は何なのかを見極めることができれば、それを自分の店に応用できます。料理がポイントなのか、サービス、待遇、スタッフ、雰囲気がポイントなのかなど、人気店については「なぜそんなに人から愛されるのか」を重点的に見ていきましょう。
お店を開業しても、他のお店と変わらなく特に目立った特徴がないようでは、お客様も増えないままとなってしまう可能性があります。そのお店にしかない「なにか」がなければ、人気店にはなれないのです。そこで、さまざまなお店を調査して、自分なりのアピールポイントを作っていきましょう。また、知り合いなどでお店の経営をしている人がいる場合は、どんどん話を聞いていきます。先輩たちの話は、役に立つ情報がたくさん詰まっています。競合調査と並行して、経営者の話もしっかり聞くように意識していきましょう。
競合調査などが済んだら、実際に物件を契約していきます。物件が契約できたら、いよいよお店作りに入ります。ここで、内装や外装の施工業者をお願いしていきましょう。そして、それぞれの業者の担当者とともに、イメージを形にしていく作業に入ります。自分のイメージがしっかりと伝わるように、とことん話し合って詰めていけると安心です。ただし、内装や外装にこだわりすぎると、初期費用が足りなくなってしまうケースもあります。ここで初期費用がなくなってしまうと、後々苦しい思いをするのは自分です。内装・外装施工にはある程度予算を組んで、他の部分にも費用をまわせるように工夫していきましょう。
施工の料金をリーズナブルに抑えたい場合は、居抜き物件を利用することもおすすめです。居抜き物件とは、前のテナントが内装や外装を残したまま退去している物件のことです。これならば、お店がある程度できあがっているので、費用を大幅に抑えることができます。ただし、居抜き物件については前のオーナーとの交渉が必要です。交渉が成立すれば、お店で必要となるものを引き継ぐことが可能となります。このように、居抜き物件を利用するなど、さまざまな方法で内装・外装施工の費用を抑えていきましょう。
内装・外装は、お店のイメージに直接影響してくる部分です。色合いやデザインを徹底的に吟味して、イメージ通りのお店を作っていきましょう。ただし、どうしても費用がかさんでくる部分なので、できる範囲で自分が施工するというのも手です。たとえば、棚や小物ならば、自分でDIYをして作ることが可能です。業者に頼むと高くなってしまいますが、自分で作れば材料費だけで済んでしまいます。また、自分で作ったものには、深い愛着がわくものです。こうした方法も駆使して、なるべく費用を抑えてイメージ通りのお店を作っていきましょう。
お店がだいたいできてきたら、いよいよお店のオープン日も間近に迫ってきます。この時期に入ったら、人員の調達をしていく段階です。求人広告を出して、オープニングスタッフを集めていきましょう。そのためには、制服を決めたりある程度のスタッフのオペレーションを決めたりしておかなければなりません。また、お店を運営するために必要な人員数も、しっかりと割り出しておきましょう。一日の時間帯によってお客様の出入りは大きく差がでてくる可能性があるので、平日や休日、昼や夜などの時間帯別で人員数を調整します。ここまでのプランが固まったら、それに見合う人材を採用していきましょう。求人広告で面接にくる人材のなかには、競合店での働いたことがある人もいればまったくの初心者もいることが想定されます。競合店での勤務経験がある人材ならば、ある程度即戦力として期待できるので安心です。可能であれば、数人でもこうした即戦力となる人材を確保していきましょう。そして、オープンまでの時間を使って、採用した人材にお店の運営オペレーションをレクチャーする時間も設けていきます。オープニングスタッフの場合、誰かに手取り足取り教えてもらう時間はなく、ロールプレイングのみでぶっつけ本番となってしまいます。これを成功させるためには、事前の入念なレクチャーが欠かせないのです。こうして、オープンまでに人材を育てておきましょう。
これと並行して、レジやテーブルの設置など、店内の設備をそろえておきます。お店を運営していくうえでは、実にさまざまな設備が必要です。オープンして実際にお客様が来てから不足しているものに気付いているようでは、お店の評判に影響してしまいます。そうならないためには、オープン前に設備もしっかりとチェックしなければなりません。そこで、人材の育成をしながらロールプレイングを実施して、足りないものやあったら便利なものを確認してみましょう。本番さながらでロールプレイングをすれば、不足しているものを見つけやすくなります。ここで、忘れているものがないかどうか、細かくチェックしていきましょう。
お店を開業するにあたっては、必要な手続きがあります。これらが済んでいないと、オープン日が来ても開業できないこともあるのです。そのため、必要な手続きはなるべく早く済ませておくことがおすすめです。開業で必須といえるのが、開業届です。個人事業の開業・廃業等届出書と呼ばれる書類を用意し、管轄の税務署へ届け出なければなりません。これを出しておけば、個人事業主として国税庁に認められるので、さまざまな利点があります。たとえば、確定申告で青色申告制度を活用できるという点。青色申告制度では、個人事業主での開業の場合65万円の特別控除が受けられるのです。また、経費の計上が可能だったり赤字の繰越が可能となったりします。開業届は国税庁ホームページでのダウンロードが可能なので、自宅ですぐに作成することができます。作成したら、印鑑を持ってお店がある場所の管轄税務署で処理してもらいましょう。ただし、青色申告制度を利用するためには、事前の申請が不可欠です。そのため、お店がオープンする前の段階で申請は済ませておきましょう。所得税の青色申告承認申請書を作成し、税務署に提出すれば手続きは完了となります。
飲食店を開業する場合には、内装に関する届け出や食品衛生責任者の届け出が必要です。内装に関する届け出は、内装施工の前段階での提出が必要なので、忘れずに手続きをしていきましょう。食品衛生責任者は、お店に調理師や栄養士がいれば必要ありません。調理師や栄養士がいない場合は、管轄の保健所で講習を受けて取得していきましょう。さらにお店の規模が30人以上の場合は、防火管理者選任届も必要です。ただし、これも消防署での講習受講で取得できるので、早めに受講できると安心です。
あわせて、電話回線工事も依頼しておかなければなりません。お店をオープンするためには、固定電話の設置がおすすめです。お店への問い合わせ窓口として、用意しておいたほうが良いからです。最近では、固定電話は引かずに携帯電話をお店用として使用している人もいます。どちらでも基本的には問題ないので、自分がやりやすい方法で電話回線を用意していきましょう。さらに、お店専用の銀行口座も開設しなければなりません。収益の管理には、口座が不可欠なのです。こうした手続きは、お店がオープンしてからではなかなか行うことが難しくなります。ぜひ、オープン前のタイミグで済ませていきましょう。
お客様を呼ぶためには、どんどんとお店をアピールしていかなければなりません。お店の周辺で、チラシなどを配ってみるのも良いでしょう。近所のお客様が増えれば、通ってくれる可能性も高くなります。また、最近多いアピール方法としては、インターネットです。ホームページを作成して、SNSなどでどんどんと拡散していくと、たくさんの人にアピールすることができます。その際、オープン企画としてちょっとお得なサービスを盛り込んでおくことがおすすめです。誰でも初めていく場所にはちょっとした不安を抱くものです。それを払拭するためには、来店すれば得をするようなサービスを用意することが効果的なのです。そして、一度でも足を運んでもらえれば、お店のアピールとしては大成功です。あとは、また来店してもらえるように工夫を凝らせていくだけとなります。
まだ来店したことのない人に来てもらうことが、何より一番大変なことです。これをスムーズにするためには、お店の知名度を上げていくことがおすすめです。人は、まったく聞いたことがないものよりも、何度か目にしたもののほうに親近感を抱きます。だからこそ、どんどんと情報を拡散して、なるべく多くの人の目に触れられるようにアピールしていきましょう。
お店が本格的にオープンする前に、プレオープンを行うのも大変おすすめです。プレオープンをすると、お客様がお店に求めているサービスをオープン前に知ることができます。実際にお客様にお店を体験してもらわないと、お店の改善点はなかなか見えてこないものです。それをオープン前に見つけることができるのは、プレオープンの大きなメリットといえます。また、人員の教育がきちんとできているかも見定められるという利点もあります。プレオープンでまだ教育が必要だと感じるようならば、オープンまでの時間でまた指導していくこともできるのです。
お店にとってメリットが多いプレオープンですが、お客様にとっても、お店の先取りができた感覚になり大変嬉しいものです。そのうえ、プレオープンに来てくれたお客様は、お店そのものに親しみを抱いてくれることも多いのです。すると、その後も通ってくれる可能性が高くなるというメリットも考えられます。こうしたメリットも考えると、プレオープンはお店の近所の人々への告知が有効といえます。こうすることで、地域密着型店舗として親しんでもらえることもできます。そこで、近所の人々にチラシや声掛けでプレオープンに足を運んでもらえると良いでしょう。また、来店した際に、SNS上のお店のページにいいねを押してもらうなどするだけでも、お店のアピールにつながります。最近ではインターネット上の口コミがお店の売り上げに大きく影響してくるので、なるべく良い口コミを書いてもらえるようにサービスを充実させていきましょう。
飲食店をオープンするのであれば、注意しなければならない点があります。何より一番注意したいのが、営業時間です。日本では風営法があり、深夜0時~翌6時までは基本的に酒類などを提供することができません。この時間帯にも酒類の提供をしながら営業をしたい場合は、届出をしなければならないのです。もし、届出なしに深夜営業をしていると、50万円以下の罰金刑を受ける可能性もあります。深夜0時以降も酒類の提供をしたい場合は、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出を警察署へ提出します。これによって、24時間の営業が可能となるのです。ただし、お客様の横についたりするような接待は、一切できません。こうした接待サービスをしたい場合には、専用の手続きが必要なのです。しかし、接待ができる手続きをすると、深夜0時~翌6時までは一切営業ができなくなります。つまり、接待をして深夜0時~翌6時までの営業を諦めるか、接待を諦めて深夜の時間帯でも営業を続けるかのどちらかとなるわけです。一方で、深夜0時以降の営業でも酒類を提供しない場合は、この届出は必要ありません。
さらに、カフェなどをオープンした場合、手作りのケーキやパンのお持ち帰りサービス、いわゆるテイクアウトサービスを行うときには、菓子製造業の許可の取得も必要となります。どんなお店をオープンするのかによりますが、必要な場合はこうした届出もあわせて提出するようにしましょう。
憧れの自分のお店を開業するためならば、どんな大変なことも頑張れるという経営者が多くいます。実際、開業までにはやらなければならないことがとても多く、生半可な気持ちでお店をオープンすることができないでしょう。そのうえ、まとまった資金も必要となるので、下積み期間がなければ実現しません。そこまで苦労してでも開業したい、自分のお店。そんな大切なお店をしっかりと経営していくためには、準備期間が非常に重要なのです。お店の基盤をしっかりと固めておくことで、後々の経営も楽になります。それは、お店を開く理由や目的をはっきりさせておくことも忘れてはいけないポイントです。
さらに、競合のリサーチや開店エリアの特徴も、十分に把握しておく必要があります。そして、何より忘れてはいけないのが、事務処理です。各種手続きを忘れてしまうと、どんなに苦労して開業にこぎつけてもオープンできなかったり、法に触れてしまったりする可能性もあるのです。お店を開くには、しっかりした準備が欠かせません。この準備を抜け目なく行っていくことは、これからのお店の経営を大きくサポートしてくれます。自分がこだわって作ったお店ですから、ぜひ細部まで注意を怠らずに、入念に準備をしていきましょう。
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