会社を圧迫する過剰在庫を削減しよう！効率的な在庫管理の方法を解説

最終更新日：2023年11月10日

どんな業種の企業にとっても、在庫の管理は難しい問題です。売れ残った商品をいつまでも抱えていることは、会社にとってよくないサイクルを生み出すかもしれません。このコラムでは、過剰在庫が会社に与える損害、過剰在庫を削減して適切な在庫を維持する方法、在庫を抱えてしまったときの対処法などを解説します。

在庫管理にお悩みの経営者の方には役立つ情報がたくさんありますので、ぜひ読んでみてください。

• 1.あまりに多くの在庫は会社に損害をもたらす！？
• 2.適切な在庫は逆に益になる！在庫削減の前に確認しよう
• 3.「ABC分析」を活用して在庫をしっかり管理しよう！
• 4.過剰な在庫は放っておいてはいけない！その処分の方法とは
• 5.まとめ

1.あまりに多くの在庫は会社に損害をもたらす！？

在庫が必要以上に多いと、売れ残りを大量に抱えることになります。これはさまざまな面で会社の経営を圧迫する原因です。

食品関係の商品の場合、期限が切れてしまった商品は捨てるしかなくなってしまいます。そうなれば会社には、損失しか残りません。食品以外の商品でも、季節ものの商品などは、その季節を過ぎるとまったく売れなくなるでしょう。ある程度の期間使えるものもありますが、売れ残っている間に新しい商品が売り出されることもあります。そうなると、新しい商品の方が売れて、古い商品の需要は少なくなるでしょう。

売るべきタイミングに売ることができず、在庫として残された商品はもうもともとの価格では売れず、値下げをするしかなくなってしまいます。値下げをすれば、会社の利益は減ってしまうのです。

また、在庫を保管しておくにはスペースを作らなければなりません。在庫を管理したり、移動させたりするといった余計な作業と、そのための人件費も発生します。過剰な在庫を抱えていなければ、こういった費用を削減することができるのです。

費用を減らせるだけでなく、在庫を削減すれば手元に残る資金が増えることになります。資金として残しておけば、また次の商品を仕入れるのに使うことができます。過剰在庫を削減することで、会社の資金繰りが楽になるのです。

2.適切な在庫は逆に益になる！在庫削減の前に確認しよう

過剰在庫を抱えることは会社の経営を圧迫しますが、逆に減らしすぎるのもよくありません。在庫削減をしすぎてしまうと、売り切れが発生します。もしもその商品が買いたかったお客さんがいても、売り切れでは売りようがありません。せっかく利益を得られたはずのチャンスを、逃したことになります。

ほしい商品が定まっているお客さんなら、取り寄せるという方法もあるかもしれません。しかし、だいたいのお客さんはその商品の現物を、実際に見てみてから判断したいと思うものです。また、頻繁に売り切れがあって、商品があまり選べないお店よりも、たくさんの商品が並んでいるお店の方にお客さんはいきたいでしょう。

適切に在庫をもっておくことは、お客さんのニーズを満たし、信頼してもらえることに繋がるのです。そのためには、勘や経験を使って仕入れるのではなく、それぞれの商品の適切な在庫の量を決めておく必要があります。

売上データや売上予測をもとに、よく売れる商品は在庫量を増やしましょう。同じ種類の新商品を売り出したら、古い商品の在庫は減らすなどといった、戦略的な在庫管理が必要です。

3.「ABC分析」を活用して在庫をしっかり管理しよう！

適切な在庫を維持し続けるためには、正しい在庫管理をしなければなりません。在庫管理の有効な方法として、多くの企業に取り入れられている方法に、ABC分析があります。ABC分析は、在庫をABCの３つのグループに分けて管理する方法です。

簡単に説明すれば、たとえばすべての在庫を次の3つのグループに分けます。

A「毎日売れる商品」
B「週に一度売れる商品」
C「月に一度売れる商品」

この場合、その商品の売れる頻度ごとに順位をつけてグループ分けをしました。このほかにも、売上の高い順、数の多い順など、目的に応じて基準を変えることもできます。

このようにグループ分けをすることで、その在庫の管理に優先順位をつけることができるのです。例の場合、毎日売れるAのグループは毎日数を確認して、仕入れ数を調節する必要があります。Bはそれが週に一度、Cは月に一度で十分ということになるでしょう。

また、Aグループのよく売れる商品は会社の主力商品ですので、宣伝などの販売戦略を積極的に打ち出していく対象になります。逆にあまり売れないCグループの商品は、値下げや入れ替えの対象として対応することになるでしょう。このようにABCのグループに分けることで、それぞれのグループに違った対策を打っていくことが可能になるのです。

在庫削減や適切な在庫管理にとても役立つABC分析を、ぜひ活用してみてください。

4.過剰な在庫は放っておいてはいけない！その処分の方法とは

在庫削減に取り組んでも、やはり売れ残ってしまうことはあると思います。もしも売れない在庫を抱えてしまい、どうしようもなくなったときには、どのような解決策があるでしょうか。過剰在庫を処分する方法をいくつかご紹介します。

・値引きセール

デパートなどで「在庫処分セール」が開催されているのを、見たことがあるのではないでしょうか。大幅な値下げをおこなうことで、在庫を売り切ろうという戦略です。複数の商品をセットで販売したり、値引き前の価格を表示してアピールすることで、よりお客さんの購買意欲をそそることができるでしょう。

・リサイクル

リサイクルショップに買い取ってもらうという方法もあります。企業の在庫処分専門に対応している業者もあり、大量の在庫を引き取りにきてくれることもあるので、とても便利です。

・廃棄

値引きセールやリサイクルは、少なくなるとはいえ利益が発生する可能性があります。それに対して廃棄してしまう場合は、利益が発生しないばかりか、廃棄するのに費用がかかる場合もあるのです。廃棄処分はこれ以上損失を膨らませないための、最後の手段だといえます。

5.まとめ

在庫を過剰に抱えていると、会社の資金繰りを圧迫してしまいます。かといって在庫を削減しすぎても、利益を逃してしまうことになるのです。在庫をうまく管理するには、ABC分析を活用しましょう。在庫をグループ分けして優先順位をつけることで、管理や対処がしやすくなります。

やむなく在庫を処分する場合は値引きセールで売ったり、リサイクルショップや買取業者に依頼するという方法があります。廃棄処分する場合、費用がかかってしまうので注意しましょう。

在庫管理は大企業にとってさえ難しい課題です。個人で事業を経営している人にとっては、死活問題にもなりかねません。個人事業で過剰在庫を抱えない対策として、フランチャイズに加盟する方法があります。フランチャイズは仕入れや在庫管理についてアドバイスをくれますし、ほかの加盟店と連携して過剰在庫をうまく処理できる場合もあるのです。

在庫の管理がうまくできるかどうか不安がある方は、フランチャイズなどの方法も検討してみてはいかがでしょうか。

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