最終更新日:2023年11月10日
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事業を経営していくうえで、運転資金は必要不可欠なものです。しかし、運転資金の使い方によっては事業に失敗してしまうおそれもあるため、しっかりと項目別にかかる資金を把握して活用していく必要があります。
こちらのコラムでは、事業経営に必要な運転資金の計算方法や項目の種類などについて解説しています。開業を検討していて運転資金について知りたいかたは、事業に失敗しないためにもぜひご覧ください。
運転資金とは、日々の経営をすすめていくうえで必要になるお金のことで、大きく固定費と変動費のふたつにわけることができます。ここでは、それぞれの運転資金の違いや、収入と支出で注意すべき点などについて解説していきます。
変動費と固定費には、大きな違いがあります。まず、変動費とは商品の売上高や販売数の増減に連動する費用のことで、仕入れの原価や原材料費、消耗品費などがおもにあげられます。
たとえば、行列のできるタピオカドリンクの店なら、商品の販売数が多くなるほど、ミルクティーやタピオカをたくさん仕入れて製造しなければなりません。また、容器やストローなど包材の消耗品にも、製造販売した分のコストがかかるというわけです。
次に固定費とは、売上の増減にかかわらず発生する一定の費用を指し、おもに家賃や保険料、宣伝広告費などがあげられます。ほかにも、減価償却費や機械のリース費用など、店舗が営業をしていなくても支払いが発生する費用のほとんどが固定費です。
固定費といわれているものの中には、人件費や水道光熱費のように月ごとに変動するものがあります。たとえば人件費は月給が決まっていても、残業代が発生すれば金額が変わります。
水道光熱費は月ごとの基本料金があるため、もし仮に営業をしていなくても一定の料金が発生します。しかし、営業状況によって水道や電気などの使用が増えれば、大きく変動することもあります。
運転資金は変動費と固定費にわけることができるものの、人件費や水道光熱費のように厳密に分別しにくい費用もあります。事業を経営していくうえでは、運転資金が持つそれぞれの特性をしっかりと把握しておくことが重要だといえるでしょう。
開業する事業によっては、支出に対して収入のタイミングが遅れる場合があることも覚えておかなくてはなりません。たとえば、介護保険が適用されるデイサービスなどでは、利用者の負担金は1~3割で、残りの必要経費は国や自治体から施設へ入金されるという形になります。
この国などからの支援金は、入金までに2~3ヵ月を要することになるため、時間のズレを補填する手持ち資金を前もって準備しておかなくてはなりません。
小売業においては、商品を大量に一括購入するケースもあり、もちろん売上で回収するまえに支払いが必要になります。また、販売が遅れれば、それだけ収入を得られるのも遅くなります。
売上動向はあくまで予測になるので、大量に仕入れて商品を売ることができなければ利益を圧迫してしまうだけでなく、運転資金が不足するおそれもあるのです。運転資金が不足する状況が続くようなら、資金の借入をすることも検討しなくてはなりません。
とくに開業時は、商品を仕入れる数や販売するペースなどを現実的な数字で予測しておくことが大切になります。安定した経営を継続していくためには、変動費や固定費も加味したうえで、余裕を持った運転資金を確保しておくことが重要なのです。
運転資金の固定費や変動費は、用途によってさらに細分化することができます。安定した運営をしていくためには、資金の使い道をそれぞれ正しく把握しておかなくてはいけません。
経常運転資金……経営をしていくうえで常に必要な資金のことで、どの事業においても一番割合の高い運転資金です。おもに、代金後払いで仕入れた買掛金や手形決済には、経常運転資金が使われます。このほか、人件費や家賃なども経常運転資金となります。
増加運転資金……事業の売上が順調に伸長していることで、人件費や水道光熱費が増加している場合などに必要となる資金です。売上金の回収よりも先に支払いが必要なとき、もしくは売上金だけでは諸経費の支払いが足りない場合に、増加運転資金から支払う形になります。また、新規の取引先を増やして契約するための資金としても使われることがあります。
減少運転資金……事業の売上が減少しているときに、従業員への給与などの諸経費を穴埋めする場合に使う運転資金です。事業の経営が軌道に乗るまでの間、収入と支出のタイムラグを埋めるときにも使われます。減少運転資金を使った場合には、売上をあげるか経費を削減するなどして、早急に経営のバランスを見直す必要がでてきます。
季節運転資金……特定の季節によって必要となる資金で、夏季と冬季に支給する賞与や商品の仕入れが増加するときなどに使われます。例としては、製造業で原材料となる作物が決まった時期にしか入手できず、一度に大量に仕入れる場合などがあります。
設備未払金決済運転資金……本来、経営に必要な機械設備や使用車両などは資金を使って購入するものです。しかし、一括で購入できずに分割で支払っていくことになることもあるでしょう。
もしその設備費に関して半年以上未払いの部分があった場合、この設備未払金決済運転資金として計上されることになります。この運転資金に関しては融資がうけにくくなるため、もし設備の購入資金が不足しているようであれば、半年以内に融資の相談をすることをおすすめします。
事業を経営していくうえで、運転資金は必要不可欠なものです。ここでは、運転資金の仕組みや確保すべき資金の目安などを解説します。
全体の運転費用を把握するには、まず1ヶ月にかかる費用を算出してみるとよいでしょう。運転資金の算式は以下のようになります。
売上債権……売掛金は、商品を販売した分の支払いのことです。いわゆるツケ払いのことで、商品の受け渡しと同時に支払いですぐに現金化されるのではなく、実際の入金は翌月など後払いになります。入金されるまでの間の売掛金と受取手形からなるのが、売上債権というわけです。
棚卸資産…棚卸資産は、仕入れをしてまだ売れていない商品の在庫を指します。商品はもちろんのこと、原材料や消耗品なども資産をしての取り扱いです。
仕入債務……仕入債務は、原材料などの仕入れをおこなったときの買掛金や支払手形を指します。売掛金と同じように1ヶ月分を一括で支払うケースがほとんどで、支払いまでの間の金額が仕入債務となります。
たとえば、事業の決算時における売掛金が200万円で商品在庫が400万円、買掛金が100万円とすると、必要な運転資金は500万円ということになります。
商品を仕入れることで発生した買掛金を支払い、在庫をストックします。そして、ストックした在庫を販売することで、売掛金が発生して入金されるという形が基本的な営業サイクルになります。
しかし、支払いよりも入金があとになるため、運転資金から補うことが必要となるわけです。
運転資金は、「商品を売って売上金を回収するまでに必要な時間を穴埋めするもの」だと考えると、わかりやすいかもしれません。
業種や経営の状況によっても1ヶ月のお金の動きが異なりますが、一般的な運転資金の目安は、3~6ヶ月分といわれています。
資金力が強い企業であれば、1~2ヶ月分でも運営は可能です。しかし、予期しないトラブルがあった場合や、開業して安定していない時期には、余裕を持って用意しておくことが大切です。
さらに、「運営していくうえでの運転資金が何か月分必要になるのか」という回転期間も考えておかなくてはなりません。運転資金の回転期間は、以下の計算式で算出することで算出することができます。
たとえば、運転資金が100万円で1年の売上高が600万円であれば、回転期間は2ヶ月分です。つまり、安定した運営を継続していくためには、最低でも月平均売上の約2ヶ月分は確保しておかなければならないということになります。
自社の運転資金を算出して、回転期間をだしておかないと経営のバランスを大きく崩すおそれがあります。変動費や固定費など、それぞれにかかる費用を詳細までしっかりと把握しておくことは重要なのです。
運転資金は、一定金額を確保しておけばよいというわけではありません。経営状況や予期せぬトラブルなどで多額な資金が必要になる場合もあるため、運転資金は計画をたてて運用することが大切なのです。
事業を経営していくうえで売上金の回収が遅れてしまうと、諸経費を払えずに事業が停止してしまうことがあります。そのような場合でも運転資金に余裕があれば、補填して修正することで事業経営の継続が可能です。
しかし、運転資金が不足している場合には、決算上の売上は黒字になっているのにもかかわらず、経営ができなくなる黒字倒産が起こりえます。
たとえ、日々の売上がよくても、売掛金や買掛金などの支払いがおこなわれるタイミングなどを間違えてしまうだけで、大きな損失となってしまうリスクがあります。また、一度でも資金不足などが引き起こされると取引先の信用を失うだけでなく、顧客が離れてしまうおそれもあります。
さらに、従業員に給与が支払えなければ、不満や不安を感じる従業員は離職することになるかもしれません。人員不足におちいれば、経営はさらに悪化してしまいます。こうしたさまざまなトラブルを回避するためにも、運転資金の運用計画が必要になるのです。
業態によって、変動費と固定費の費用バランスはさまざまですが、売上の状況によっては経営に大きな影響があることも覚えておかなくてはいけません。
変動費は売上に連動して変化するため、売上が少なければ変動費にかかる費用も下がります。販売価格を安くするなどすれば修正がしやすいため、収支バランスもとりやすくなっています。
しかし、固定費の場合、売上が低くなれば収益を圧迫してしまうおそれがあるのです。それどころか、固定費に満たない売上になってしまった場合には赤字経営となってしまい、家賃が払えるだけの売上は最低限確保しないといけない切迫した状況になります。規模が大きく家賃が高い店舗など、固定費の比率が高い場合には、売上の動向にはとくに注意が必要です。
運転資金の必要金額が把握できたら、次は活用方法について考えてみましょう。運転資金の工夫をしていくことで、経営は安定しやすくなります。
経営をしながら毎月かけ続けている運転資金の金額が、本当に必要で適正かどうか見極めなければなりません。
たとえば、開業時にばく大に費用をかけていた宣伝広告費は、集客が安定してきたらおさえることもできるでしょう。過度な広告費用をかけていないか、費用対効果は適正かなど、店の経営状況によって運転資金を見直すことも必要なのです。
雇用しているスタッフが安定しているならば、採用広告費に資金を投じる必要もありません。さらに売上によっては、商品の不良在庫を減らすなどの調整も効果があるでしょう。
運転資金が不足している場合には、融資をうけることもできます。しかし、銀行などから資金の借入をおこなうときは、数多くの条件がある審査に通過しなければいけません。
資金の使い道や返済計画のほか、新事業の開業時であれば創業計画書を作成して申請する必要があります。金融機関を納得させて融資してもらうには、現実味のある予測や説得できるだけの素材がないと困難でしょう。
フランチャイズに加盟して契約締結すれば、資金融資の相談サポートをはじめ、自社ローンの融資をうけられる本部もあります。また、フランチャイズ本部が持っている経営ノウハウは、成功の秘訣ともいえるでしょう。
そして、資金面だけでなく日々の経営面などにおいても定期的な研修や勉強会など、さまざまなサポートをうけることができるのです。とくに、はじめての開業の際には大きな強みとなるでしょう。
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運転資金は固定費と変動費に大きくわかれており、使用用途によってもさまざまな項目があります。売掛金や買掛金には支払いに時間的なズレがあるため、事業を経営していくには、いつの時期にどれくらいの費用が必要かという月ごとのサイクルも把握しておかなければなりません。
安定した経営を継続していくためには、運転資金として費用をかけている金額などが適正かを見極めることが大切です。フランチャイズでの経営であれば、本部から資金面のサポートや、経営面でのアドバイスをうけることも可能です。
本部の持つ経営ノウハウは成功の秘訣が詰まっているため、はじめて開業する場合には大きな強みになるでしょう。まずは、気になったフランチャイズ本部へ資料請求をして、必要な資金などの情報を把握してみてはいかがでしょうか。
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