フランチャイズ開業は儲からない？利益を出すために必要なこととは？

最終更新日：2023年11月10日

フランチャイズ開業は儲からないといわれることもありますが、運営のしかた次第では、利益を出すことができます。こちらのコラムでは、フランチャイズの開業において、儲けを出すためにするべきことや注意点などについて解説しています。

また、フランチャイズ加盟のメリットやデメリットにもふれています。独立を検討しているかたは、フランチャイザーで利益を出すためのポイントなどを抑えておきましょう。

• 1.本当にフランチャイズは儲からないのか
• 2.フランチャイズで儲からなくならないためにできること
• 3.フランチャイズの仕組みと特徴をおさらい
• 4.まとめ

1.本当にフランチャイズは儲からないのか

さまざまな独立方法がある中で、フランチャイズ開業は儲からないということを耳にすることもあります。しかし、どんな運営形態であっても、儲からないときは儲からないものです。ここでは、フランチャイズの開業前に考えておくべきポイントなどをご紹介します。

フランチャイズでも儲けを出すことはできる

フランチャイズの開業では儲からない、ということはありません。市場規模が約20兆円ともいわれるフランチャイズ業界は、年を追うごとに売上高やチェーン数が増加傾向にあるのです。近年ではフランチャイズ展開している業種も多く、選択の幅が大きく広がっています。

数ある業種の中で、差別化されたサービスの提供をするなどして、規模や収益を拡大している事業もたくさん存在しているのです。多くの企業が採用しているフランチャイズは、経営を成功させやすい運営方法のひとつといえるでしょう。

ただし、フランチャイズ開業しても、すべての人が独立に成功しているわけではなく、どんな仕事であっても経営には少なからず努力が必要になるものです。何も努力せず、売上などの経営状態が悪化したときだけフランチャイザーのせいにしてしまうような経営者では、運営も長続きはしないでしょう。

また、フランチャイズに加盟することは、フランチャイザーに雇用されるというわけではありません。あくまで、フランチャイザーと対等な立場にあるもので、独立したひとつの店舗として利益を上げなくてはならないのです。

ビジネスにおいて儲けを出すのは、決して簡単なことではありません。自営業やフランチャイズであっても、経営を左右するのは、結局のところオーナーである自分の努力次第なのではないでしょうか。

実際フランチャイズオーナーはどれくらいの年収を得ているのか

一般的なサラリーマンと比較して、高収入を得やすいといわれるフランチャイズ業態の平均年収は、全体で500万円前後とされています。しかし、年収は業種や業態のほか、開業する地域などによっても大きく異なります。加盟店の中には年収が400万円を下回ることもあれば、1,000万円以上の利益を出しているオーナーも存在するのです。

開業するのがランニングコストを調整しやすい業態なら、原価や人件費などの経費を削減することで、得られる年収も大きく変わるはずです。あくまで平均年収は目安なので、運営していくうえで、どれだけ積極的に努力ができるかということも重要なポイントといえるでしょう。

また、年収だけにこだわり過ぎると、フランチャイザーと契約したあとに、運営で苦労するケースもあるので注意も必要です。収入に大きくかかわる要素のひとつとして、労働環境があります。労働時間が長くなってしまえば、儲けが出て年収が高かったとしても、収入がよいとはいえないのです。次に、収入と労働時間の関係性についても考えてみましょう。

ただし収入だけでなく労働時間も考慮しておこう

フランチャイズに加盟する際に、収入と合わせて知っておきたいのが、実際の労働時間です。あるデータには、経営者の1日の平均労働時間が、約10時間というものがあります。また、労働基準法の原則である週40時間を超える残業が日常化しているような、過酷な労働環境の企業が存在するのも事実です。

平均労働時間は、年収を時給換算することでおおよそ把握することができますが、業態によっては残業がかなり多く労働時間が長いケースもあるのです。また、いくら年収がよくても、労働時間が長く残業が毎日のように続いてしまえば負担が大きくなり、体調を崩してしまうことで経営が継続できなくなるリスクもあるのです。

フランチャイズ加盟には、収入と労働時間のバランスも考えながら、無理せず運営できる事業を選ぶとよいでしょう。加盟したい職種が、どういった労働環境なのかを確認しておくことも大切なのです。間違ったフランチャイザーを選んで開業後に後悔しないためにも、フランチャイズ本部をどう選ぶかのポイントも抑えておきましょう。

2.フランチャイズで儲からなくならないためにできること

加盟するフランチャイズを選ぶときには注意が必要で、フランチャイザーによっては運営のしかたに大きな違いがあります。ここでは、フランチャイズの加盟で失敗しないために、事前に抑えておくべきポイントなどをいくつか解説します。

どんな職種にすべきかしっかり考えよう

フランチャイザーに加盟するときには、どんな職種にすべきかを迷うことがあるかもしれません。加盟する職種によっては競合他社が多い場合もあり、出店する地域で価格競争などが激化していれば、運営を継続していくのが難しくなることもあるのです。競合の中で生き残っていかなければ、廃業のリスクがあるということも知っておきましょう。

また、加盟したいフランチャイザーが競合にない独自の技術をもっていて、業界でも優位性が高い場合は大きな強みになります。さらに、利益率の高い職種であれば、開業しても安定した収入を得やすくなるでしょう。

フランチャイザーと契約するまえには、加盟を検討する業界の市場規模や競合の情報などを仕入れておくことが大切です。加盟後に後悔しないためにも、安定した運営ができる職種なのかをしっかり考えましょう。

事前の計画はしっかり立てておこう

利益を出すための方法は、ただ売上を上げるだけではありません。販売する商品の原価を抑えることや、無駄なところに費用をかけず節約していくことでも、利益率を高めることは可能なのです。利益を出していくには、経営に必要となる運転資金をはじめ、月ごとにかかるコストを計算して、収支バランスのとれた経営をしていかなくてはならないのです。

事業の運営には、月々かかるランニングコストなどさまざまな費用が必要です。とくに、開業前には、新規顧客を獲得するための広告宣伝費や従業員確保の採用広告費などに多くの費用をかけることになるでしょう。また、開業時に融資を受けた場合には、毎月返済していかなくてはならず、利息などをふくめた返済計画もしておく必要があります。

収支予測などの計画が立てられていないと、赤字経営になる可能性もあり、最悪の場合は廃業になるおそれもあります。事業を安定した運営していくには、どこにどれだけの費用がかかるものなのかを、事前にシュミレーションして計画することが大切なのです。

フランチャイザーの情報をしっかり集める

フランチャイズに加盟して事業に失敗しないためにも、契約前にフランチャイザーの情報を取得しておくことは非常に重要です。開業時に必要となる加盟金や月々支払いが必要となるロイヤリティーなどの支出だけでなく、収益の見込みが現実的な数字なのかということも見ておきましょう。

フランチャイザーによっては、ビジネスモデルとして年間や月間での収支目安が公式サイトなどに掲載されていることがあります。ただし、それらの数字が実績ではなく、実現を目指しているという数字になっていることもあるのです。また、年商と年収では、利益に大きな違いもあるため、数字だけに惑わされないようにすることも注意が必要です。

フランチャイザーに加盟することで、どんなサポートがあるのかも知っておきましょう。たとえロイヤリティーが高くても、価格に見合ったサポートがあれば加盟するメリットもあるはずです。

さらに、フランチャイザーの情報を得るためにおすすめなのが、事業説明会などへの参加です。Web上では記載されていないような情報や、フランチャイズ加盟にまつわる詳細の説明を受けることもできるでしょう。

何より、先輩オーナーの話が聞けることや質問にも答えてくれることが多いため、フランチャイザーのことをより詳しく知ることもできます。加盟したい業界の説明会にいくつか参加して、フランチャイザーを比較してみるのもよいでしょう。

フランチャイザーに加盟するまえには、情報を集めることが重要なポイントです。フランチャイズが儲からないのではなく、儲かるフランチャイズに加盟して長期的に継続していけるかを見極めましょう。

3.フランチャイズの仕組みと特徴をおさらい

フランチャイズ開業は、加盟することでのメリットも多く、事業経営に成功しやすい運営方法のひとつです。ここでは、成功のパッケージ化ともいわれるフランチャイズの仕組みや特徴をあらためておさらいしておきましょう。

フランチャイズの仕組みとは

フランチャイズとは、加盟店が対価となるロイヤリティーをフランチャイザーに支払うことで、ブランド力や経営ノウハウが取得できる仕組みのことをいいます。加盟者は経営ノウハウを一度に習得できるので、個人事業主での開業とは違い、経験を積み重ねて試行錯誤せず運営を安定させやすくなります。

フランチャイズ提携をした場合、フランチャイザーにはブランド力強化や規模拡大などのメリットがあり、加盟者側もさまざまなメリットを取得することができます。次に、加盟者側が得られるメリットについてふれていきましょう。

フランチャイズで開業することのメリット

フランチャイズに加盟することで、個人事業主の開業にはないたくさんのメリットを得ることができます。開業時に、フランチャイザーが物件取得などの費用を負担してくれるケースもあり、初期投資を抑えて開業できることが大きな魅力のひとつです。

フランチャイザーは、培われた実績から経営の分析もでき、収支予測も立てやすくなっています。加盟店は、経営ノウハウを取得できるだけでなく、フランチャイザーから安定した運営ができるよう継続的なサポートやアドバイスを受けることもできるでしょう。

研修制度などがある場合、専門的な知識や経営方法を習得できるため、業界未経験であっても開業することが可能になるのです。また、フランチャイザーによっては複数店舗の経営が可能なこともあるため、多店舗展開で規模を拡大すれば年収を大幅に上げることも実現できます。

さらに、ブランド力の高いフランチャイザーであれば、既存の顧客をもっていることがほとんどです。本来なら新規開業時に必要となる広告宣伝費なども軽減して集客ができ、経営が短期間で軌道に乗りやすくなる点も大きなメリットといえるでしょう。

フランチャイズで開業することのデメリット

フランチャイズにはメリットばかりでなく、デメリットやリスクがあることも覚えておきましょう。フランチャイズに加盟することは、フランチャイザーのブランドを守らなくてはなりません。このため、経営においてルール化がなされており、自分の理想とする運営のしかたに制限がかかる場合もあります。

また、同じブランド内で不祥事などが発生してしまうと、たとえ自分の加盟店が悪くなかったとしても風評被害などを受け、売上が減少してしまうリスクもあります。もし、開業して売上の不調が続けば、フランチャイズへ毎月の支払いが必要となるロイヤリティーが収益を大きく圧迫するリスクもあります。

フランチャイズへの加盟は、事前に業種や労働環境をふくめ、メリットとデメリットを知っておくことが大切です。加盟したい業界が、現実的に儲かるビジネスなのかをさまざまな視点から見てみましょう。年収などをふくめて、フランチャイザーを選ぶ際の判断材料を集めながら、総合的に分析することがポイントです。

フランチャイズは儲からないとは限らず、実際に成功している加盟店オーナーも数多くいます。失敗するリスクばかり考えるよりも、どうしたら成功するかという考えかたでフランチャイザーを選ぶことが大切なのです。

4.まとめ

フランチャイズ開業は儲からないといわれることはありますが、加盟したすべての人が独立開業に失敗しているわけではありません。実際に、フランチャイザーと契約を結び、起業に成功している人はたくさんいます。

平均年収は、フランチャイザーの業態や規模によっても大きく変わります。フランチャイザーを選ぶには、年収だけにとらわれず、労働時間などの環境とあわせて考えることがポイントです。収支バランスがよく、現実的に収益を上げられる事業なのかをいろいろな角度から分析して見極めましょう。

フランチャイザーを見極めるには、事業説明会などに積極的に参加をして情報を集めることをおすすめします。そして、年収を上げることや儲けることは、どんな業態であっても自分自身が努力をし続けるということが一番大切なのです。

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