最終更新日:2023年11月10日
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塾の経営を始めたいと考えている人にとって、最初に必要となる資金や設備、経営者の年収、生徒数確保の方法などは気になるところでしょう。個人塾にするのかそれともフランチャイズ経営にするのかも、それぞれにメリットとデメリットがあるため悩みどころです。この記事では、塾の開業・経営がはたして儲かるのか否かについて、塾運営に役立つ情報も含めた解説を行っていきます。
塾の儲けは生徒数と受講数によって変わります。どれくらいの生徒がどういったカリキュラムを組むのかというのは、年度や学期の始めには把握できるものなので、塾経営は飲食店などと比べて売り上げの予想がたちやすいといえます。塾を開業してからできるだけ早い段階で、損益分岐点を超えるだけの生徒数を確保することができれば、十分に儲けが期待できるでしょう。
ただ、その生徒を集めるのが一番難しいという問題があります。塾開業には、教室となるテナント建設か住居の一室を空けて、机やイス、ホワイトボード(もしくは黒板)などを揃えるなど、ただでさえ初期投資がかかります。テキストや顧客名簿の作成、あるいは収支を管理するうえでも、PCやコピー機なども揃えておいたほうが良いでしょう。生徒数に応じて講師も雇わなければなりません。社員として雇用するのか、それともアルバイトの学生などを雇うのか、人件費が高くなりすぎないように調整する必要が出てきます。これだけの出費が求められるうえに、集客のための広告費用も確保しなければなりません。
集客の方法としては、昔ながらの新聞の折り込みチラシや看板による宣伝、それからホームページやSNSを活用しての情報発信が考えられます。知りたい情報があるときにネット検索をすることが当たり前となった現代では、検索サイトのなるべく上位にホームページが出てくるような工夫が求められます。
また、塾の経営と一口にいっても、個人塾にするのか、フランチャイズ経営とするのか、ネット学習に特化したeラーニングのような形態をとるのか、早い段階で決めなければなりません。塾の形態の変化や宣伝方法の多様化などは、これから塾経営に参入しようとする人にとってはビジネスチャンスと捉えることもできるかもしれません。しかしながら、塾経営で売り上げを出していくためには、クリアしなければならないハードルが多いというのも認識しておくべきでしょう。
塾の経営者が実際にどのくらい稼いでいるのかというと、平均年収は500万円程度というのが実情のようです。それも、開業1年目である程度生徒数が集まった場合です。たいてい学習塾というのは、開業当初が集客にもっとも苦労して、徐々に余裕が持てるようになってから売り上げも安定するといわれています。そのため、開業当初から順調であるほうがめずらしいのです。1年目で十分な生徒数が確保できない場合には、年収100~300万円となる場合もあります。
塾経営者の年収が100~300万円にとどまるというのは厳しい現実です。塾の開業には教員免許などの資格もいらないので、そのハードルはけっして高くないと思われているかもしれませんが、初期費用は個人塾で100~300万円程度、フランチャイズでは1,000万円程度かかるといわれており、十分な生徒数が集まるまで続けていける期間にも限界が出てくるでしょう。
また、学習塾に通う生徒と保護者は、一度通い始めた塾を途中で変更することに抵抗がある人も多いです。切りが良いタイミングでの入塾となれば、生徒数を増やすチャンスは1年ごとにしかありません。授業を体験してもらうために長期休暇中の講座を増やしてみても、大手予備校などは有名講師による値段をおさえた講座を数多く用意しており、小規模の塾が対抗するのは難しいでしょう。
低い年収が問題なのではなく、生徒数を集められなかった結果としてその年収となっているため、売り上げを伸ばすための対策がほとんど存在しないということが問題なのです。結局のところ、どれだけの生徒数を確保できるかが塾経営の生命線となります。
開業当初から生徒を集めるという観点からも、すでに高い知名度を確保している塾のフランチャイズ経営はおすすめできます。子どもを塾で学ばせたいと考えている保護者の気持ちになってみれば、評判にもなっていない無名の個人塾よりは、テレビや雑誌などの広告・宣伝でおなじみの大手塾のほうが安心できるでしょう。フランチャイズ経営は、開業した瞬間から大手の看板を掲げて営業ができるという大きなアドバンテージがあります。
フランチャイズ経営のメリットはこれだけではありません。テキストや授業内容、年間スケジュールなどの教育サービスがすでに確立されており、不明確な部分がほとんどありません。また、塾経営のノウハウも蓄積されているため、疑問や問題があった場合には即座に経営支援のためのアドバイスが受けられます。とくに開業前後の慌ただしい時期、しっかりとした経営ノウハウを持っている人がいろいろと教えてくれるというのは心強いでしょう。開業予定の塾が地域に応じた学習内容と価格設定になっているかなどは、個人で判断するには難しい問題です。
フランチャイズの形態も徐々にですが変化しています。これまでのように経営の多くの部分を手助けしてくれるかわりに、加盟金やロイヤリティを支払うといった契約内容ではなく、経営者側がどのくらいの関係性を求めているかによって、きめ細かく対応するような方法もとられるようになりました。塾開業を希望している人を対象にした研修や勉強会を定期的に開いたり、ベテラン経営者との情報交換の場を提供したりといった、セミナー活動に重点を置き始めた企業もあります。フランチャイズとなってしまうと個人経営と違い、自由がきかなくなるといった古いイメージは捨てたほうが良いかもしれません。
塾のフランチャイズ経営に多くのメリットがあることは間違いないですが、大事なのははたして儲かるのかということでしょう。フランチャイズは経営の支援をしてもらえるかわりに、加盟金やロイヤリティを支払わなければなりません。また、個人塾と比べると初期費用も高くなる傾向があります。そのため、しっかりとした儲けが出なかった場合のリスクも重く受け止めなければなりません。
別業種と比べてみると、コンビニエンスストアのフランチャイズと塾は粗利率がほぼ同じというデータが出ています。年商2,000万円の店で約400万円、年収1億円で800万円程度となっており、塾はコンビニのように仕入れの必要がないのでそのぶん利益率を高く見積もることができます。初期費用を比べてみると、コンビニの場合は3,000万円程度かかるといわれている一方で、塾の場合には1,000万円程度。個人塾と比べれば高くつきますが、同じフランチャイズ経営の別業種と比べると開業資金は少なくて済みそうです。ラーメン店のフランチャイズなどは初期投資もかかりますし、薄利多売のため相当数売らなければ初期投資の回収もままなりません。ラーメン店の開業は当たれば大きいですが、当たらなければ早い段階で閉店に追い込まれるといった、塾経営と比べるとリスクの大きい商売といえます。
塾のフランチャイズ経営は、ミドルリスク・ミドルリターンないしはミドルリスク・ハイリターンと評することができるでしょう。個人塾に比べると知名度や教育サービス、経営のノウハウの点で先んじることが可能となり、別業種のフランチャイズと比べると初期費用や経営のリスクもほどほどといったところで十分にビジネスチャンスがあります。
これまで塾の経営が儲かるのかどうかについて解説をしてきました。十分な売り上げを得るためにもっとも重要なのは生徒数を確保することです。そこで大きな助けとなるのが、知名度、教育サービス、経営のノウハウが揃っているフランチャイズという選択となります。
教育への情熱を注ぐために塾経営に乗り出すのは素晴らしいことです。しかし、情熱のために前のめりになりすぎて、冷静な経営姿勢を失ってしまっては本末転倒でしょう。まずは塾の経営を軌道に乗せるためにも、フランチャイズ経営を検討することをおすすめします。
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