最終更新日:2023年11月10日
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通勤・通学や趣味でのサイクリングなど、自転車は生活においてさまざまなシーンで使われています。都会では観光名所の近くに駐輪場が増えており、自転車の需要はますます増えている傾向にあります。そのような自転車の魅力に惹かれて自転車屋を開業するという人もいることでしょう。ただ、具体的に開業に必要なことが何かわからないという人も多いかもしれません。ここでは、自転車屋を開業したい人に向けて、開業に必要な資金やどのような自転車屋の経営スタイルがあるかなど、自転車なの開業にまつわるあれこれについてまとめてみました。
何事も先立つものはお金といいますが、自転車屋の開業においてもそれは例外ではありません。自転車屋を開業するにはおよそ1,500万円もの資金が必要とされており、なかでも物件の取得費用は500万~700万と高額です。
商売の対象である自転車を購入しようと思えば、一台あたりおよそ5,000円~5万円はかかるうえに、高価な自転車では10万円を超えるものもあります。これらの商品を取りそろえようとすれば結構な金額になります。
加えて、自転車の売買に関わる備品や自転車修理・整備に必要とされる道具類などもそろえる必要があります。物件の取得費用は開業資金のなかでも大きく変動します。
物件を取得するにあたって、まずは賃貸にするか購入するかという選択があります。賃貸にするのであれば、設備も何もなくコンクリートむき出しの物件であるスケルトン物件か、内外装や設備がある程度整っている居抜き物件が挙げられます。
スケルトン物件の場合、設備や内外装を整えるためにコストと手間がかかります。その分だけ店舗にオリジナリティを出すことができるのがスケルトン物件のメリットと言えます。
対して、居抜き物件の場合はスケルトン物件に比べて手を加える部分が少ないため、コストパフォーマンスの高い物件と言えます。コストだけを考えるのであれば居抜き物件はありがたい存在ですが、自転車屋の場合なかなか条件に合う物件はないかもしれません。
自転車屋を開業するための居抜き物件であれば、元の物件に合わせたスタイルの自転車屋にするか、少し多めに投資して内外装や設備の整備をしていくかどうかということになりそうです。
いずれにしても、自転車屋を開業する場合、賃貸では維持費がかかりやすいという欠点があります。いっそのこと物件を購入してしまい、自宅兼店舗にしてしまうという方法もあります。
一見すると費用がかかるようですが、自宅兼店舗にしてしまうことで自分の生活に係る費用と仕事の経営にかかる費用、一括してしまえるというメリットもあり、長い目で見ると購入したほうが得するという考え方もあります。
自転車の購入については、値段に幅がありますがこれはどのような顧客に対してどのような自転車を売るのかで変わってきます。主婦層にスタンダードな自転車を売ることを目的にすれば、比較的手にしやすいものを仕入れて店頭にならべておくとよいでしょうが、本格的なサイクリングなどスポーツ目的で購入される人に対しては、また違ったタイプの自転車を提供することになります。
年齢層をもっと広げれば、三歳児でも乗れるような三輪車から高齢者が乗れるタイプの安全なタイプ、体力を使わずに乗れる電動自転車など、扱う対象によって自転車にかけなければならない費用も違うため、どのようなコンセプトでどのような顧客をターゲットにしておくかを決めて自転車をそろえておく必要がありそうです。
自転車屋を開業しようとしたときに資格が必要かどうかを考える人もいるでしょう。たとえば、美容室であれば美容師の国家資格が、マッサージ店であればあんま・指圧師の国家資格の取得が必須です。
自転車屋を経営していくうえで役に立つ資格はありますが、基本的に自転車屋の開業では資格は必要ありません。少なくとも法的な縛りはないので、極端な話、自転車についての知識がなくても自転車本体を売り買いできる手腕があれば、開業は何とか成り立つでしょう。
自転車屋は製造業ではなく小売業であり、マーケティングの手法が確立されていれば成功する可能性は高いと言えます。たとえば、自転車についての部品などの詳細な知識がどうこうではなく、どのような自転車がどの顧客層に売れているのかという市場をどれだけ把握できるかということが、自転車屋の経営についてのポイントであると言えます。自転車市場の動向を見極め、流行の自転車や自転車そのもののニーズなどに敏感に反応し、対応していく気構えが求められます。
ただし、開業に資格は必要ありませんが開業届などの提出など諸々の手続きは必要になります。自転車屋を開業すると晴れて個人事業主となるわけですが、そうなると税金の支払い手続き、いわゆる確定申告を自分でしなければなりません。
このときに、青色申告と白色申告の2種類の申告方式がありますが、節税面では青色申告が有利に働きます。収益から65万円もの基礎控除が受けられるという点は、個人事業主にとっては大きなものです。
この青色申告をするために、事前に開業届を提出しておく必要があります。特に資格の取得は義務ではありませんが、個人事業主として開業するなら、お金の流れについて十分に把握しておくようにしておきたいものです。
自転車屋の開業には特に資格を必要としませんが、持っていると役に立つ資格のひとつが、安全運転整備士です。安全運転整備士の資格は、取り扱う自転車の安全性を証明できるものです。
その保証として「TSマーク」というシールを有料で貼ることができます。このマークを貼っている自転車は安全面において信頼性が高いということであり、高品質の自転車を提供できるという証明になります。
そのほかの自転車屋との差別化にもつながり、この資格を持っておくことで意外なビジネスチャンスになる可能性もあるのです。この資格の受験条件は、18歳以上で2年以上の自転車の組立・検査・整備の実務経験があるという要件で、試験内容は実技・筆記・面接があります。
自転車の売買自体は資格がなくてもできますが、それにプラスアルファで付加価値を与えるためにも安全運転整備士の資格を利用するのもよいでしょう。たとえば、安全運転整備士の資格を利用して「自転車の修理屋さん」など自転車の修理・整備も請け負うことができるのはこの資格を持つ強みと言えます。仕事のやりがいとしても、自転車の整備という技術的な側面が加わることで、より充実した達成感を味わえるでしょう。
また、自転車の修理を通して新たな顧客層の獲得も期待できるため、安全運転整備士の資格取得は自転車屋開業において強い味方になることは間違いないでしょう。自転車屋は、自転車の売買で商売人としてのやりがいと自転車整備士として職人としてのやりがいを感じることができる仕事です。
自転車屋を開業しようとしたものの、個人の努力がどこまで社会に通用するのかは未知数です。大成功の可能性もあれば、せっかく開業したにも関わらずすぐさま閉店という事態にもなりかねません。そうなると、つぎ込んだ資金も手間もすべて水の泡になってしまうおそれもあるのです。
このような悲惨な事態は避けたいものですが、その方法としてフランチャイズへの加盟があります。フランチャイズに加盟するということは、大手企業の看板を背負って営業するということです。
フランチャイズを展開するほどの企業ともなればたいてい知名度も高く、集客力の高さで言えば個人商店とは比べ物にならないといっても過言ではないでしょう。いわば、強い後ろ盾がいる環境で開業ができるということです。
フランチャイズへの加盟における強みは、開業・経営のための講習を受けることができ、企業基準の安定したサービスが提供できるまでしっかりと教えてもらえるため、経営の初心者でも安心できるシステムが完備されているという点です。
さらに、開業後のサポートも充実しています。業務形態としては個人事業主であり、一個の店舗を管轄します。いわゆるフランチャイズ店長ということになりますが、通常は孤独な勝負になりがちな個人経営にも関わらず、第三者に経営をサポートしてもらえるというのはかなり心強いものです。自転車屋の開業は独立して自分の店を構えるだけでなく、フランチャイズに加盟して店舗を出すというスタイルも選択肢のひとつと言えます。
大手企業の手助けを受けられることが魅力のフランチャイズ経営ですが、その最大の利点はリスクヘッジです。個人で一から店を構えてしまえば、廃業した際の多大な負担がすべて自分に降りかかります。
廃業のリスクをできるだけ低下させるためには、フランチャイズに加盟するという選択肢は最適と言えるでしょう。また、短期でお店を持ちたいなど短いスパンでの開業を考えている人にとっても、フランチャイズ経営が合理的です。
一生ものの開業ではなく、次の仕事につなげるための事業経験とするなどが考えられますが、経営の進退においては個人的な開業よりはるかに融通が利きやすいというのもフランチャイズ経営の利点と言えます。
それに加えて、フランチャイズ加盟店舗では、サービスの質を一定に保つために講習期間が設けてあることが多く、経営のサポートも広い角度から受けることができます。自転車屋の開業では、3カ月程度の研修を受けて自転車の知識や商売の手法やシステムなど、経営に必要な流れを一通り体系的に学ぶことができます。
もうひとつ、フランチャイズ経営の利点として挙げられるのは、経営ノウハウを知ることが出来るという点です。フランチャイズ化は企業としてひとつの成功パターンとも言え、その経営手法については大いに学ぶべきことがあります。
本来、経営論やマネジメントについてのノウハウを学ぼうとすれば、高額の受講料を払って研修会などに出向く必要があります。この方法でも理屈は学べますが、やはり実践に勝る経験はありません。
フランチャイズ店で経営というものを事業主という立場から体験できるというのは、個人の経験値として大きな財産になりうるものです。「会社員として働き続けたくはない。でもいきなり自転車屋を起業するのも不安でもっと勉強したい」という人にとっては、フランチャイズ経営はベストな仕事スタイルと言えます。
フランチャイズ経営では経営手法を学ぶことができ、知名度の高い看板を使用することで集客力を保てますが、その一方で不利な点もあります。それは、ロイヤリティの存在です。言い方を変えると手数料ですが、フランチャイズ経営の場合、その多くが看板を貸すかわりに手数料が発生するシステムをとっています。
たしかに、企業もボランティアではないので無料で暖簾分けや経営ノウハウ、そのほかのサービスを提供していれば、それに伴う経費などでいずれ首が回らなくなってしまうおそれがあります。
しかし、ロイヤリティは企業にとってほとんど不労所得とも言えるものであり、フランチャイズ店の収益で十分元が取れるように計算されて料金が設定されています。この仕組みを不服として、個人商店を開業するという人もいるでしょう。
また、フランチャイズ店では経営方針のイニシアチブが企業側にあります。自分の好きなように料金設定したりサービスの工夫をしたりしにくい環境で、個人事業主としてはフランチャイズでは物足りないという人もいるでしょう。
独立経営に向いている人は、明確なビジョンを持っており、自由に経営がしたいという高いモチベーションと自分ならできるという自信がある人でしょう。独立経営ではフランチャイズ経営よりマネジメント力が試され、どのように事業を発展し安定させるかという展望を見渡せる先見性、視野の広さが求められます。
自転車屋を開業するには、特に特別な資格は必要なく誰でもやる気さえあれば着手できると言えます。ただ、簡単に始められるものほど競争も激しく、ほかの店舗と差別化を図るためには安全運転整備士などの自転車にまつわる有用な資格を保有しておくことなど、積極的なアクションが肝要です。
いきなりの独立開業が不安であれば、フランチャイズ店の経営から始めて集客力を確保し、経営ノウハウも身につけるという手もあります。自信があれば個人商店を開業してもいいのでしょうが、開業資金も決して安いものではないので慎重に準備をしていくことが望ましいです。
いずれにしろ、自転車屋の開業において大事なことは、経営し続けることです。どのような業界でも、最終的に長くステージに立ち続けることができるかが勝負の分かれ道と言えます。長く愛される自転車屋を目指して、勇気を出して開業を目指しましょう。
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