最終更新日:2023年11月10日
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飲食店を開業したいと考えている人の中には、お店の外観や客席のイメージを鮮明に思いえがいている人もいるでしょう。では、厨房はどうでしょうか?厨房は外観や客席と違って、それほどお客さんの目につきません。しかし、だからといって適当に作っていいものでもないのです。
飲食店の一番の商品は料理でしょう。その料理を生み出す厨房は、一番大事な場所といってもいいお店の中枢であり、心臓部なのです。このコラムでは、飲食店の厨房の種類やレイアウトの作り方などを紹介します。飲食店に興味のある方はきっとお役に立ちますので、ぜひご覧ください。
飲食店で使われている設備には、どんなものがあるでしょうか。厨房で使われている設備の中には、食品衛生法によって設置が義務づけられている設備もあります。まずは、飲食店の厨房には必ず設置しなければならない設備を見ていきましょう。
家庭用のものに比べると容量が大きく、温度管理の精度も高いものが多いです。冷凍と冷蔵の切り替えができるものや、天井部分を作業台として使えるものもあります。サイズもいろいろあって、厨房にピッタリ配置することができるでしょう。飲食店の冷蔵庫には温度計の設置が義務づけられています。そのため、業務用の冷蔵庫には必ず温度計がついています。
食材や食器を洗うときに使う流し台です。食品衛生法では、厨房内に2層以上のシンクを設置することが義務付けられています。
シンクとは別に、従業員が手を洗うための手洗い器を設置しなければなりません。手洗い器には、手洗い用の洗剤を固定して設置しておく必要があります。
厨房内にフタつきのゴミ箱を最低ひとつ設置します。
その他、食品衛生法ではとくに規定されていませんが、たいていの飲食店では必要となる設備もいくつか挙げてみます。
食材を切ったり、料理を盛り付けたりするときに使う台です。作業台が狭いと作業効率が悪くなるばかりか、物を落としてケガをするおそれもあります。実際に使うときのことを考えて、十分なスペースのあるものを設置しましょう。
業務用のコンロは家庭用のものよりも火力が強く、口数が多いものがあります。種類は、台の上に設置するタイプや、台と一体になっていて本体の下部分に鍋などを収納できるタイプなどいろいろです。
また、飲食店の規模や扱うメニューなどによって、あると便利になる設備もあります。少しご紹介しておきましょう。
・食器洗浄機
・製氷機
・ウォーターディスペンサー
・オーブン
・フライヤー
このような便利な設備があれば、従業員の作業効率や店舗内の利便性にも影響してくるでしょう。
飲食店の厨房はその構造によって、大きくオープンタイプとクローズタイプに分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
客席と厨房との間に壁などがなく、お客さんが厨房内を見渡せるような作りがオープンタイプの厨房です。お客さんは厨房で働く従業員のテキパキとした動きや、料理ができ上がっていく工程を見て楽しむことができます。従業員は常にお客さんの視線を意識しながら仕事をすることになるので、仕事の意識も上がるでしょう。このようなお客さんにとってのメリットが多い分、それがお店にとっての強みにもなります。
ただ、料理人として働く人の中には、人に注目されることに慣れていない人もいるでしょう。そういった人にとってオープンタイプの厨房は必要以上に緊張して、思うような仕事ができないこともありえます。また、忙しい時間帯には厨房内の張りつめた空気がお客さんに伝わってしまって、お客さんがあまりくつろげないという可能性もあります。
厨房が仕切られていて、客席から厨房が見えないのがクローズタイプです。従業員はお客さんをあまり意識せずに仕事に集中できます。厨房内の物音やかけ声などがお客さんの邪魔にならずに済むので、落ち着いた雰囲気のお店などにはクローズドタイプが向いているでしょう。
一方、厨房と客席との出入り口が少なくなるため、料理の提供に時間がかかる可能性があります。従業員はそこを1日に何度も行き来することになるので、軽視できないタイムロスになるでしょう。
以上のように、厨房には大きく分けて2種類のタイプがあります。双方のメリット・デメリットを確認して、自分の店舗の理想に合うものを選びましょう。
料理を作るのは、スポーツに似たところがあります。動きは素早いほど有利ですし、無駄な動きがあればその分だけ結果に響いてくるのです。仲間との連携や役割分担も非常に重要になってきます。いかに無駄な動きを少なくし、作業と作業の隙間を埋めるかが、飲食店の大きな課題のひとつです。
飲食店の厨房を設計するときには、そこで実際に調理の作業をするときの「動線」を想定しなければなりません。
たとえば、洗い場と食器を置いておく棚が離れていたら効率が悪くなります。そのようなロスは、飲食店の作業効率の観点で見ればかなり無駄な時間になってしまいます。逆に洗い場が棚に近ければ、すぐに作業を始められるでしょう。
レイアウトを考える際は、料理を作る工程や人の動きをイメージしてみましょう。それと設備の配置をリンクさせ、動線を作るのです。
効率よく仕事ができれば、料理の提供スピードが上がり、お客さんをお待たせしなくて済みます。そうすればお客さんはお店を信頼して、また来てくれるかもしれません。また、より少ない人数で仕事をこなすことも可能になり、人件費の節約にもなります。
厨房のレイアウトは一度作ると、変更することが難しくなります。場合によっては、設備をまるごと買い替えなければいけないようなこともあるでしょう。そうする必要があるくらい、効率のいいレイアウトは重要なのです。シミュレーションを重ねて、心地よく仕事ができる環境を整えましょう。
飲食店を開業しようとするとき、経営者を悩ませるのは開業のための初期費用。飲食店を開業するのには、およそ1,000万円~1,500万円の費用がかかるといわれています。なんとか切りつめられるものはないかとお悩みの方もいるでしょう。
そんなときには、居抜き物件を使うことをおすすめします。居抜き物件とは、前のテナントが使っていた設備や内装が残ったままになっている物件のことです。この居抜き物件を借りる場合、造作譲渡料を支払うことで、その残された設備をそのまま買い取ることができます。前のテナントが同じ業種であれば、ほとんどそのまま使用できる可能性が高く、そうなれば店舗の内装工事費や設備費をかなり浮かせることができるのです。
開業費用を節約できるので、多くの経営者が居抜き物件を利用して開業をしています。ただ、設備はすべて中古品になりますので、まだ使えるかどうか先に確認しておく必要があるでしょう。
また、厨房などのレイアウトはほとんど動かせないことが多いです。飲食店では厨房のレイアウトは非常に重要で、今後の運営さえも左右します。ここは妥協できないポイントです。レイアウトを変えるために改修工事をして費用をかけるくらいなら、むしろ居抜き物件でなくてもいいのかもしれません。
設備費用を抑えるのなら、中古品を購入する方法もあります。他の飲食店で使われなくなった、まだまだ使える業務用の設備が販売されているのです。厨房設備を専門に扱うリサイクルショップなどもあります。お店によっては、一定期間の保証をつけてくれる場合もありますので、一度探してみてください。
費用を抑えて飲食店を開業するなら、フランチャイズも有力な手段です。飲食店をフランチャイズ展開する企業は加盟店を増やすために、オーナーがスムーズに開業できるサポートをいろいろと用意してくれています。そのうちのひとつで、飲食店の厨房設備をリース・提供してくれる場合があります。これを利用することでお店の設備費用を節約できるのです。
故障や不具合があったときにも、フランチャイズの本部が対応してくれるので安心ですね。どんな設備が必要かと迷うことも、フランチャイズならありません。基本的には決まったものを使いますので、本部のアドバイザーも使い方はよく知っています。すでにいくつもの店舗をもっていますので、効率的な厨房のレイアウトも完成したものを教えてもらえるのです。
その他にも、フランチャイズのメリットはたくさんあります。開業前の物件探しや市場調査、開業時の資金調達を手伝ってくれることがあるのです。また、商品は本部が開発したものを使いますので、自分でメニュー開発をする必要もありません。食材なども本部が大量に仕入れたものを使うので、コストが安く済みます。定期的に経営のアドバイスをもらうこともできるのです。
このような頼もしいサポートがあるフランチャイズは、経営が未経験の人には非常におすすめの方法をいえるでしょう。
飲食店に必要な設備は冷蔵庫、シンク、コンロ、などいろいろあります。食品衛生法で設置が義務づけられている物もありますので注意しましょう。飲食店の厨房にはオープンとクローズの2タイプがあります。オープンタイプにはお客さんを楽しませたり、安心感を与えられるのがメリットです。クローズタイプは客席の雰囲気を邪魔しなくて済むというメリットがあります。
飲食店にとって、厨房のレイアウトはとても重要です。作業をするときの動線を考え、効率的な配置を作りましょう。前のテナントの設備が残っている居抜き物件をかりれば、開業費用を抑えられます。ただ、自分で思うようにレイアウトを設計できないというデメリットもあります。
フランチャイズに加盟すれば、完成している厨房レイアウトをそのまま使うことができますので、設計を考える手間が省けるでしょう。また、厨房設備をリースしてもらえる場合もあるのです。はじめての飲食店なら、フランチャイズの加盟を一度考えてみてください。
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