甘くはない？カフェ開業失敗の原因とは

最終更新日：2023年11月10日

• カフェを開業する人が抱く5つの動機
• カフェの経営を軌道に乗せるのは難しい？
• カフェの経営が失敗する原因とは
• 起業の失敗にある怖さ
• 起業を成功に導くための秘訣
• カフェの経営を成功させたい！

「カフェのマスターになりたい。」多くの人が一度は夢に見るのではないでしょうか。
自分のセンスを存分に発揮した落ち着いた内装に、こだわり抜いた豆を使用し、ゆったりとしたBGMの流れるすてきな空間。そんな憧れを実現したいと思ってカフェを開業する人は多いですが、実はその多くは経営につまずき、夢半ばに、愛するカフェを閉めていきます。そんな多産多死の業界であるカフェの開業、そして経営の実態について解説していきます。

カフェを開業する人が抱く5つの動機

カフェを開業したいという人には、さまざまな動機があるでしょう。まずは、もともとコーヒーなどのドリンクが好きな方です。いろんなお店でコーヒーを飲み歩いて最高に美味しいコーヒー豆を見つけ、その最高のコーヒーをたくさんの人に飲んでもらいたくてカフェを開業する方は多いです。また、カフェといえば接客も大切です。単に美味しいコーヒーを出すだけでなく、居心地の良い空間を提供することもカフェの醍醐味ですから、人と会うことや話すことが好きでカフェを開業したいという方も多いかもしれません。
会社勤めに疲れ、自分でお店を経営したいというのも立派な動機ですよね。年金をあてにできなくなった時代ですから、老後も悠々と自分のペースで続けられるカフェを経営する、というのは、満員電車に揺られながら考えたことのある人も多いのではないでしょうか。
店や仕事を通じて自分を表現するのにもカフェは最適でしょう。内装や外装、使用する豆に店内で流れるBGM、とことんこだわり抜いた、まさに自分の城を持つことができます。そんな自分のセンスに共感してくれる人だけが来てくれればいいというスタンスは、自分で開業でもしなければなかなかできることではありません。
カフェやレストランに勤め、仕事の奥深さに目覚めたという人もいるかもしれませんね。働いているうちに見えてくる「もっとこうしたい」「もっとこうすればお客様に喜んでもらえるのに」という想いを満たしてくれるのもカフェ開業でしょう。
カフェの開業を考えている方の多くは、こうしたさまざまな動機を持っています。
しかし、経営につまずいてカフェ開業失敗していくたくさんのオーナーたちも、同じように考え、そして失敗しています。たしかな動機があるからといって上手くいくとは限らないのもまたカフェの開業なのです。

カフェの経営を軌道に乗せるのは難しい？

カフェ開業が失敗していく理由のひとつは、カフェが薄利多売の商売だからです。同じ飲食業界でも、居酒屋やレストランのように1人で何千～何万円も使うわけではなく、また大人数で来店することもほとんどありません。1人でコーヒーを1杯だけ飲むお客さんも少なくありません。
しかも、同じような価格帯で1人客も多い業種である牛丼屋やラーメン屋とは違って回転率も決して良くはありません。待ち合わせや打ち合わせなどでも使われるカフェでは、1時間や2時間近く客が帰らないことは日常茶飯事です。居心地の良い空間をつくることはカフェ開業の醍醐味ですから「早く帰ってください」などはなかなか言えませんよね。
しかし、客単価も回転率も悪くては経営が成り立ちません。何らかの努力が必要です。
たとえば、日本最大の店舗数を誇るコーヒーチェーン店の「スターバックスコーヒー」でも、店舗によっては「勉強禁止」などの張り紙が貼ってあり、回転率を上げようとしています。
また「くつろぐ いちばんいいところ」を提供するという経営理念を持っているコメダ珈琲は、コーヒーチェーン店では3番目の店舗数がありますが、比較的回転率が悪いといわれています。しかし、コメダ珈琲は経営方針として駅前ではなく郊外に広めの店舗を構えており、同時に多くのお客さんが入れるようになっています。
このように、薄利多売で回転率も悪いカフェが売り上げを伸ばすためには、満席をつくるくらいお客さんに入ってもらったうえで回転率も上げていくか、コメダ珈琲のように広い店舗を構えるなどの対策が必要です。しかし、それはスターバックスコーヒーやコメダ珈琲のようなネームバリューがあるからこそできることで、新規参入ではなかなかむずかしいのではないでしょうか。回転率を上げるために厳しくしては客が離れていきますし、大きい店舗を借りてもそこが埋まらなければテナント代であっという間に資金がなくなってしまうでしょう。このように、カフェの経営を軌道に乗せるのは簡単ではないため戦略を練る必要性があるでしょう。

カフェの経営が失敗する原因とは

それだけ経営がむずかしいカフェ開業ですが、すべてのカフェ開業が失敗に終わるわけではなく、成功しているカフェもたくさんあります。ここでは、カフェの経営が失敗する理由を考えてみましょう。
まずは過剰な支出。売り上げ以上に支出が大きくなれば赤字となり、赤字が続けば資金は底をつきます。もちろん開業ですから、スタート時の赤字が悪いわけではありません。支出を抑えるために魅力的でない内装や、通行人の興味を惹かない外装では客はなかなか来ません。来たとしても食器は安っぽく、コーヒーも大して美味しくないような店に客がつくはずはありませんよね。ある程度の支出は仕方がありませんが、それでもお金は無限に湧いてくるわけではありません。どんなにこだわりが強いとしても、諦めるところは諦めなくてはいけません。
次に知識のなさです。これはカフェ開業に限ったことではありませんが、開業には思っていた以上にお金がかかります。想像もしていないところでお金が必要になります。家賃と食材と給料だけ考えればいいや。では絶対にどこかで破綻します。
保険や税金、人を雇うのにも想像以上にお金がかかりますし、カフェで流す音楽でさえもお金がかかります。飲食店では飲食店経営許可が必要ですし、そのためには食品衛生責任者を設置しなければならず、そうした申請にもまたお金がかかります。飲食店をオープンするとさまざまな方面から営業の電話がかかってきますが、そうした営業にも馬鹿正直に契約すると月末には驚くほどの請求がやってきます。カフェの開業を考えるなら、そういった部分についてはお金を払ってでも勉強は大切だと言えます。
また、友人やご近所の方への割引のしすぎというのも、カフェ経営では起こりがちです。カフェをオープンすると、オープン当初には友人が来てくれます。しかし、毎月毎月あなたの生活費と諸々の出費を払い続けられるだけ通ってくれるとは限りません。また、ご近所の方だからと割引をして、その方々が常連さんとなっても、割引をしすぎると利益が出ません。オープン記念ならまだしも、しばらく続けてしまうと途中から正規の値段に戻すことはむずかしくなります。また、その方が連れて来たお客さんに対しても同じように割引しなければならなくなります。
友人に頼りすぎたり、ご近所の方だからと割引をしすぎたりすると、最終的には店が回らなくなってきます。もちろん、友人やご近所の方を大切にすることは素晴らしいことですが、利益を上げるために適正な値段設定をしているのであれば、割引のしすぎは自分の首を締めることになります。こうした理由でカフェ開業失敗するオーナーさんは多いです。収入と支出のバランスを考え、知識を持ち、しっかりとした経営方針を持つことが大切です。

起業の失敗にある怖さ

起業の失敗にある怖さについても触れておきましょう。カフェ開業に関わらず、起業にはかならずリスクが伴います。まずは資金面ですが、最初はある程度の資金を用意してから起業に臨むでしょう。ところが、起業をすると最初の数カ月でその資金は、あっという間に目減りしていきます。これが自己資金なのか、借金なのかによって精神的なダメージは変わってきますが、通帳の残高が猛スピードで減っていくのは精神的にかなり堪えます。
それくらいは覚悟のうえで起業を考えていたとしても、実際にやってみると予想以上に不安になるものです。それに加えて予想よりもお客さんがこず、売り上げが全然上がらない日が続くと本当に不安で眠れない日が続きます。
何か対処しなくてはと思っても、営業時間に店舗を空けるわけにはいかず、できることは少なく、焦りばかりがつのります。
そして失敗してしまうと残るのは借金だけ。たとえ自己資金で始めたとしても、そうとう諦めの早い方でなければ、毎月の固定費の支払いや経営方針の転換によって必要になる経費などで借金ができることが多いです。店を閉めたとしても、色々な処分に結局お金はかかります。場合によっては自己破産に追い込まれるリスクもあります。また、会社を辞めて起業する方も多いですが、代謝当時の給料で社会復帰できるとは限らないでしょう。精神的にダメージを受けて、なかなか次の一歩が踏み出せないリスクも考慮しておきましょう。

起業を成功に導くための秘訣

カフェ開業を成功に導くためには成功するための知識を蓄えることが必要です。最初にも説明しましたが、カフェ開業をする方の動機はさまざまです。しかし、営業を上手く続けられない経営者が多くいます。開業を成功させて軌道に乗せるためには「やってみたい！」だけで動くのではなく、まずは知識を蓄えましょう。手っ取り早いのはカフェで働かせてもらうことです。できる限り自分の理想と近いお店で働かせてもらい、ノウハウを学びましょう。もちろん、ただ従業員として働いているだけでは見えない部分、仕入れや、業者とのやりとりなども見せてもらわなければならないので、最初に事情を話したうえで働かせてもらえる場所を探すことが大切です。
そして集客方法を考えましょう。どんなにすてきな空間を作り上げて、最高のコーヒーを用意していたとしても、それを知ってもらわなければ意味がありません。最初からネームバリューがあればオープンしてすぐにお客さんが足を運んでくれるかもしれませんが、新規開業ではネームバリューはないので、何もしなければお客さんはなかなか来てくれません。お店を知ってもらうためには広告を打たないといけませんが、チラシを作るにしてもそれを配るにも、サイトに載せるにしても、どうしてもお金がかかります。広告費に回せるだけの資金があれば良いですが、0からの立ち上げになると、店舗を用意するのに大量のお金が必要ですから、広告費に回せるだけの余裕はなかなかありません。この問題を上手くこなせるかどうかが重要です。
また、お金の流れ、キャッシュフローを考えなくてはいけません。感覚だけでお金を取り扱っているオーナーさんが意外と多いのですが、特にカフェのような細かいお金が動く業態では特に丁寧にキャッシュフローを考えることが大切です。小さなお金も積み重なると大きな金額になります。コンビニでちょこちょこ買い物をしていただけのはずなのに、月末にクレジットカードの請求を見ると何万円も請求された経験はありませんか？人間の感覚は、それほど頼りにならないものです。
そういったことを考えると、フランチャイズというのはひとつの手と言えます。自分の思い通りのカフェを完璧に作り上げるとまではできませんが、最初からネームバリューがあるため集客が望めますし、何年も手間と時間をかけなければ手に入らないノウハウも簡単に手に入れることができます。フランチャイズとはいえ、自分の城を持ち、マスターとしてすてきな空間をつくりあげることは悪くないでしょう。むしろ、失敗するリスクを軽減するならフランチャイズは最良の選択肢とも言えるのではないでしょうか。

カフェの経営を成功させたい！

もともとコーヒーが好きという方や、人と会うことや話すことが好きで会社員として勤めるのではなくお店を経営したいという方、店や仕事を通じて自分を表現したいという方や、カフェやレストランに勤め仕事の奥深さに目覚めたという方など、さまざまな動機からカフェ開業を考える方がいます。
しかし、薄利多売で回転率も良くないカフェは多産多死の業界で、経営を軌道に乗せるのがむずかしいことは事実です。
こだわりすぎて支出が過剰になってしまったり、知識のなさや、経営方針のブレてしまったりすることもあるため開業に失敗するリスクもあります。カフェ開業に失敗するリスクがある程度存在する以上、もしも失敗した際の金銭的・精神的なリスクも覚悟しなければなりません。それを覚悟したうえで、まずは成功しているカフェのノウハウを学びましょう。また、どんなにすてきな空間で美味しいコーヒーを出していたとしても、知ってもらわなければ意味がないので、集客を工夫して新規客を呼び込む努力をしなければなりません。そう考えたとき、選択肢のひとつとして、フランチャイズを考えてみてはいかがでしょうか。

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