融資と日本政策金融公庫のお話
【第7話】補足資料の作成方法マニュアル
最終更新日:2023年11月3日
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太郎さん
今回は、補足資料(別紙)の作成方法を教えて下さい!
田原先生
はい。自己資金が潤沢な方は、作成しなくても希望通りの金額を借りられる可能性が高いですが、自己資金が少ない場合で、かつ、借りたいお金も多い場合には、補足資料を添付するべきでしょう。早速、補足資料の作成方法をご紹介しますね。今回は、太郎さんが飲食店を開業するということなので、飲食店を開業する方のための補足資料の作成方法をご紹介していきます!
まず、プロフィールを考えましょう。
太郎さん
プロフィールなので、履歴書に書くように経歴を書けば良いんですよね?
田原先生
もちろん今までの経歴が記載されていれば、それだけでもプロフィールになりますが、太郎さんのアピールできることは、すべてアピールしなければならないのです。例があった方がわかりやすいので、例を使って説明します。
【ダメな経歴の書き方】
・2000年~2005年 |
◯◯店で6年間勤務 |
・2005年~2010年 |
◯◯店で4年間勤務 |
・2010年~現在まで |
◯◯店で勤務 |
これだけ書いてあれば、どこで働いたかはわかりますが、太郎さんのアピールが全く出来ていません。もっと具体的にどういったポジション(役職)で働いていたかも書いたほうが良いのです。
【上手な経歴の書き方】
・2000年~2005年 |
◯◯店で勤務 ホールスタッフ兼調理スタッフとして従事
ホールスタッフを行ったことにより、接客のスキルを磨いた。 |
・2005年~2010年 |
◯◯店で勤務 調理技術の更なる向上を目指して転職
1人で営業するためのノウハウを習得し、店舗責任者を経験 |
・2010年~現在まで |
◯◯店で勤務 調理しながら会話する能力を習得 |
※上記のように勤務先で独立するために必要なノウハウを習得しているはずなので、その内容をわかりやすく伝えることが大事です。
太郎さん
確かに、ただ経歴を書くより、勤務したことで、何を身につけたのかを記載しておいた方が自分のことを融資の担当者に伝えられますね。
田原先生
そうなんです!融資では、いかに自分が素晴らしい人間で、将来稼ぐことができる!ということをアピールすることが大事なのです。アピールできることは、すべて伝えましょう。
次に、出店予定地の立地を別紙で説明しましょう。
太郎さん
どこで、開業するのかを伝えるだけではダメなのですか?
田原先生
もちろん開業予定地が誰でもイメージできる場所であれば、何もいらないかも知れませんが、公庫の担当者が開業予定地を知っているとは限りません。その為、どんな場所なのかをしっかり別紙で説明すべきなのです。
例えばこのような内容を記載すると良いでしょう。
(別紙の記載例)
商圏人口 |
◯◯人 |
最寄駅 |
◯◯駅 徒歩◯分 |
乗降者数 |
◯◯◯人/日 |
近隣施設 |
◯◯市役所、◯◯郵便局、◯◯博物館、◯◯美術館、◯◯図書館、◯◯寺
◯◯公園、◯◯社、◯◯工場、◯◯本社、◯◯ショッピングセンター等 |
例のように、「最寄駅からの所要時間」、「近隣にどんなお店があるか」を記載しましょう。
これだけ書けば公庫の面談担当者も、立地のイメージができます。
太郎さん
これなら、ネットでもすぐに調べられそうですね。
田原先生
はい。その通りですね。Googleマップなどを見れば大体調べられます。
もう一つ欲しい資料が、出店予定地の通行量調査です。
太郎さん
通行量も調べなければならないのですか?
よく知っている土地だし、なんとなくわかるんですが、調べたほうが良いんですか?
田原先生
融資のためにも、将来のためにも、開業予定地の通行量チェックはすべきです。
こちらも例を使ってご説明します。
《店舗前通行量調査》
2016年◯月◯日(◯曜日) 【平日】に実施
|
20歳以上 男性 |
20歳以上 女性 |
合計人数 |
17:00~24:00 |
◯人 |
◯人 |
◯人 |
2016年◯月◯日(◯曜日) 【土日祝日】に実施
|
20歳以上 男性 |
20歳以上 女性 |
合計人数 |
17:00~24:00 |
◯人 |
◯人 |
◯人 |
このような資料を作っておくと、太郎さんのやる気を公庫の担当者にアピールすることができるので、融資を受けやすくなりますよ!
やる気以外にも、通行量が多い場所であれば、売上のイメージがしやすくなるため、大切な補足資料となります。
通行量を調べるのは大変ではありますが、どれくらいの方が通行しているかを把握しておくことで、売上を見込むことが出来るので是非調べましょう。
太郎さん
確かに、どれだけの方が通行しているのかを数字で把握しておくことは大事かもしれないですね。
田原先生
そうなんです。太郎さんも是非調べてくださいね!
次は、飲食店を開業される方には、是非作成して頂きたい提供予定のメニュー表を説明します。
太郎さん
すでにメニューの内容と値段は決めているのでこれは簡単に作れそうです!
田原先生
これは、すぐ作れるはずです。
メニュー表は、OPENギリギリに作るのではなく、融資の面談までに作成するようにしましょう。融資の面談の時には、箇条書きした資料があれば十分ですよ。
田原先生
可能であれば、競合調査をすることをオススメします。
飲食店を開業される場合には、近隣にどのような飲食店があるのかを分析し、資料を作成しておくとよいでしょう。
太郎さん
融資を受けるためにいろいろ補足資料を作ることで、融資を受けやすくなりますが、これらの資料作ると、営業してからの売上イメージが湧いてくるので、大変ですがとても大切だなと感じてきました!
田原先生
融資の資料は、融資のために作成するものでもあるのですが、将来のお店の売上見込を検討する際に、非常に重要になります。融資を受けない方も、今回説明している資料を作成してから開業するべきだと思いますよ!
太郎さん
確かに、面倒ですが、絶対作ったほうが良いですね!
田原先生
わかって頂けて良かったです。
補足資料の作成は、もう少しあるので、説明を続けます。
次は、将来どのようにお客様を増加させていくかの補足資料の作成についてです。
・新規客
・リピート客
・常連客
それぞれのお客様を増やすために何をやっていくのかを計画し、その考えを記載しましょう。融資を受けるためにも作成した方がプラスになりますし、間違いなく将来失敗しないためにも役に立ちますので、時間をかけて作成しましょう。
例えば、
新規のお客様を獲得するために ⇒ チラシを配る
リピート客を獲得するために ⇒ ポイントカードや、次回利用できる割引券を作成する
常連客を獲得するために ⇒ お客さんとコニュニケーションを取る
このような項目をたくさん考えることがとても大切になるでしょう。
お客様獲得のために、「やることリスト」を作るイメージを持つと良いのではないでしょうか。
太郎さん
確かに、ただ売上が伸びないなぁと嘆いているよりも、やることをリストにして、そのリストをすべてやれば売上が伸びると考えて営業した方が、モチベーションがあがり、売上も伸びそうですね!
田原先生
その通りです。
何をしていくのかをしっかり考えている方のほうが失敗しにくいです。公庫の融資もしっかり将来のビジョンを考えている方にお金を貸しやすい仕組みになっているのです。
太郎さん
融資の資料作成は、開業後の準備にもなるんですね!
田原先生
おっしゃる通りです!開業後に営業を上手くいかせるための補足資料の作成は非常に役に立つんですよ!
では、最後の補足資料です。
損益計算書を作成してください。
損益計算書というとなかなか難しく感じるかもしれませんが、下記の項目がどれくらいになるのかを検討してみてください。
【売上高】
【売上原価】
【経費内訳】
給与手当
租税公課
荷造運賃手数料
水道光熱費
旅費交通費
通信費
交際費
消耗品費
地代家賃
広告宣伝費
支払手数料
リース料
会議費
諸会費
支払報酬料
その他経費
上記の項目で毎月どれくらいかかるのかをエクセル等でまとめ、どれだけ利益が出るのか計算してみましょう。
太郎さん
補足資料の作成は、非常にボリュームがありますね…
でも、補足資料を頑張って作れば、融資も通りやすく、開業後の準備にも繋がることがわかったので、やる気がでました!
田原先生
やる気がでて良かったです!時間はかかりますが、なんとか頑張ってくださいね!
次は、融資の流れをご説明します。
(第8話につづく)
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