最終更新日:2023年11月10日
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自分だけの空間がほしいなどの理由から、一人でカフェ経営がしたいという人は多くいます。食品衛生責任者の資格を取得して、保健所の営業許可が下りれば、カフェの開業はできます。しかし、一人でお店を切り盛りするのは簡単なことではありません。
特に現在は、新型コロナウイルスの影響でカフェを含む多くの飲食業が経営難となっているのも事実です。準備を徹底しておかないと、開業できたとしても短期間で廃業に追い込まれてしまうおそれがあります。
この記事では、一人でカフェを経営するにあたって知っておくべき4つのポイントを解説します。開業したカフェの経営を長く続けるためにも、万全な準備をして起業にのぞみましょう。
一人で経営ができれば人件費がかからないため、パートやアルバイトを雇うよりも毎月の固定費負担が軽減できます。人間関係のストレスもありませんし、営業時間や休日を自分で決められるため自由度が高いのもメリットです。
ただし、一人でカフェ経営をするにはメリットだけでなく特有のリスクやデメリットもあります。自分ですべての作業をしなくてはいけないことを忘れてはいけません。カフェの経営には、ざっと挙げるだけでも以下の作業が必要です。
一人で経営する場合、会社とは違って、体調を崩したときに誰かが代わりになってはくれません。営業ができなくなった瞬間に収入がゼロになってしまうリスクがあります。また、店の営業中は基本的に店から出ることができないため、食材が不足して買い出しにいくときなどは、一時的に店を閉めなくてはいけません。
デメリットをカバーするために、一人でカフェを経営するときは事前に準備をしておくことが大切です。店作りや経営方法の勉強など、開業する前にもさまざまな準備が必要です。
一人でカフェを経営するには、時間とお金の無駄をできるだけ省いて効率よく利益を上げていくことが大切です。どんな空間でどんなメニューを提供したいのか、開業前にできるだけ具体的なイメージをもっておきましょう。
基本的に売上金額は、席数×客単価×回転数で求められます。飲み物1杯で長い時間お客様が滞在する店と、高単価のメニューで回転率が高い店では、1日の利益は大きく変わってきます。理想的なのは席数が多く客単価や回転率も高い店ですが、一人で経営するには限界があるため工夫しなくてはいけません。
例えばテーブル席を多くすると、キッチンとフロアを往復する回数や距離が増える分、効率が悪くなります。注文されたメニューの提供が遅くなれば、クレームが発生することもあるでしょう。お客様を待たせる営業の仕方では、リピーターが減って売り上げも減少してしまうおそれがあります。
一人で経営する場合は、アイデアのひとつとして飲食チェーン店でも多く見られるように、コの字型カウンターの客席にするのがおすすめです。コの字型であれば全体を見渡すことができるうえ、無駄の少ない動線の確保ができます。店作りには、作業効率のよい動線を考えるのもポイントです。
また、少ない席数で売り上げを上げるには、テイクアウトのメニューを販売するのも方法のひとつです。テイクアウトメニューがあれば、店内の回転率を落とすことなく売り上げを上げることができます。
客単価を上げるには単純にメニュー単価を上げるだけでなく、価格と品質のバランスがとれたセットメニューなど、お客様の満足度を高めるようなものを考えましょう。
客単価や回転率を把握するためには毎日の売り上げを分析して、商品の動向などから定期的にメニューの構成を見直すことも大切です。営業が忙しいと日々の作業に追われてしまいがちになりますが、経営者としての視点も忘れないようにしましょう。
自分の店のファンを増やすには、新規の顧客を開拓するための宣伝広告活動も必要です。宣伝広告には、チラシなどよりもInstagramやFacebook、TwitterなどのSNSを活用するのがおすすめです。
チラシ作成には時間や労力がかかりますが、SNSならメニュー写真などを投稿するだけでWeb上の人に対して幅広い宣伝活動ができます。#(ハッシュタグ)で店名や所在地などを付け、こまめに新しい情報を更新し続ければ、多くの人の目に留まり集客効果が期待できるのです。
また、来店されたお客様の口コミも大きな宣伝につながります。来店したお客様が店の情報をSNSなどで拡散してくれるケースも多いため、メニューの見た目の美しさやインパクト、店内の雰囲気など強みをもつことも必要です。ただし、SNSはよいことだけでなく、ミスをした場合の情報も流れてしまうという側面があるので注意しましょう。
通常の店舗営業に加えて、サイドビジネスで収入を得るのもおすすめです。特にカフェの場合は、Tシャツやオリジナルのカップなどの雑貨を作ってオンラインで販売しているケースも数多くあります。他にも、ギャラリーやイベント開業として店舗スペースを貸し出すだけでも、収入を得ることができます。
一人で経営する場合は、無理のある経営をしないことが重要なポイントです。開業初期は気合いで何とか乗り切れたとしても、毎日時間に追われるような経営の仕方では、続けていくうちに心身への負担になってしまうものです。キャパオーバーしないためには、自分がやりたいこととできることの違いを見極めなくてはいけません。
カフェで開業するにあたって、どこにでもあるメニューではなく手作りにこだわりたいという方は多くいます。手作りには温かみがありますが、イチから自分で作ろうと思うと素材の選定だけでも時間と労力がかかります。
場合によっては手作りのメニューを作るほうが原価が高く、利益が少なくなってしまうこともあるのです。特化したメニューや店のコンセプトがあるなら別ですが、どこまで手作りするか線引きをして手数を減らすことも考えておくべきです。
開業時はやりたいことがたくさんあるかもしれません。しかし、メニュー数が多いほどやるべきことの負担が増えるため、初めはメニューの種類を少なくしてスタートするのがおすすめです。
開業時はリピーターがいないため、安定した売り上げが得られるようになるには時間がかかります。季節に合った新しいメニューなどを増やしていくのは、ある程度リピーターを獲得してからのほうが無難です。
また、あらかじめメニューの販売数を限定したり、予約制にしたりするのも方法のひとつです。用意したランチがなくなり次第ランチタイムを終了すれば、余った時間を他の作業に回すことができます。他にも、テイクアウト商品をあらかじめ準備して、ランチタイムは販売に専念するという形態もあります。
ただし、需要に対して用意した数が少ないと売り逃しが発生し、作り過ぎれば廃棄ロスになってしまいます。カフェのような飲食業の場合、食材のロスは利益の損失に直結するため、できるだけ最小限に抑えたいところです。損失を軽減するには、来客数や販売数の動向を分析して、曜日によって調整するなどの工夫をしましょう。
一人でカフェを経営する場合は営業時間を自由に決められるので、自分のペースに合わせて調整しましょう。例えば、ランチタイムとディナータイムの間にいったん店を閉めて中休みをとれば、仕込みなどの時間を確保できます。
拘束時間が長くなるほど、体力は消耗するものですし、気持ちにも余裕がなくなってしまいます。休むときはしっかり休めるように、オンとオフの線引きをしてスケジュール管理することも重要です。
ピーク時など自分一人では営業が難しい場合は、他の人の協力を得ることも必要です。忙しいランチの時間だけアルバイトを雇えば、効率よく利益を出せる場合があります。人件費をかけたほうが多くの利益を得られるのであれば、無理をしながら営業するよりは得策といえます。
経営には税務処理も必要なので、営業時間外で事務作業もこなさなくてはいけません。無料の会計ソフトもありますが、知識がない場合は余計に手間や時間がかかるものです。煩雑な事務作業も税理士などに委託すれば、本来の営業に専念でき自分の休みも確保しやすくなります。費用のかけ方を考えながら、お金と時間のバランスを保ちましょう。
さらに、店を経営するには同業の経営者の人脈を広げておくのもおすすめです。一人で経営する場合は、自分のものさしで物事を測ってしまいやすいものですが、経験の多い同業の経営者からは学べることがたくさんあるはずです。人脈を広げるには、起業セミナーやSNSのコミュニティなどへの参加をおすすめします。
経営のヒントやアイデアをもらえるだけでなく、困ったときに手助けしてくれることや新しいビジネスが生まれるきっかけになる場合もあります。特に、近隣店舗とのつながりを大切にしておけば、集客するためのイベントを開催するなど協力し合えるメリットがあります。
カフェといっても、形態によって必要な設備が異なります。例えば、コーヒーにこだわりたくて業務用のエスプレッソマシンを導入するなら100万円近くかかりますし、焙煎機には1千万円近くするものもあります。他にも、一人で経営するなら食器洗浄機など、作業を効率化できる設備もあれば便利です。
しかし、開業時に全部をそろえようとして資金を使い過ぎてしまうと、経営を続けるための運転資金が不足するおそれがあります。開業してから苦労しないためには、営業に必要な最小限の設備で開業して、利益が出るようになったら少しずつそろえていくという方法をおすすめします。
初期費用やランニングコストを抑える方法をご紹介しますので、覚えておきましょう。
一般的に店舗を構えるには物件の取得に費用がかかり、選定するにも立地環境の調査などに時間や労力がとられてしまいます。もし自宅開業ができるようであれば、新たに物件取得費が発生しないため、初期費用を抑えた開業が可能です。さらに、家賃も不要なので固定費の負担も軽減できるメリットもあります。
費用を抑えて店舗を構えるには、内装工事がされていないスケルトン物件よりも、居抜き物件をおすすめします。前のテナントが同じ飲食業であれば、水道や電気、グリストラップなどの設備が整っていて、そのまま利用できることがあるからです。
また、スケルトン物件の場合は居抜きよりも内装工事に時間がかかり、前家賃によって費用負担も大きくなるため注意しなくてはいけません。カフェの開業にかかる物件の取得や工事にかかる費用の内訳・目安などは以下のページを参考にしてください。
○カフェの起業に自己資金はいくら必要?経営に失敗しないためには?!
小さな規模の店であれば、内装工事をDIYしてみるのも費用を抑えられるひとつの方法です。手間はかかりますが、業者に依頼すると数万円かかる壁の塗装も、自分でやれば数千円で済むことがあります。他にも、テーブルやイスといった備品も手作りできれば費用負担の軽減が可能です。
カフェには、キッチンカーの移動販売という形態もあります。移動販売なら一人で経営ができ、店舗を構えない分、少ない初期費用で開業が可能です。
ただし、キッチンカーで開業するには特別な営業許可や手続きが必要で、自動車保険についても知っておかなくてはいけません。移動販売の開業に必要な準備については、以下のページを参考にしてください。
○移動販売の開業で失敗しないために必要な準備や費用を把握しておこう
小さな規模のカフェであっても、開業時には何かと費用がかかるものです。自己資金が不足する場合は、資金調達が必要になることもあります。飲食業の資金調達には融資を受ける方法もありますが、毎月の返済によって資金繰りが厳しくなるおそれがあるため、できれば避けたいところです。
そこでおすすめしたいのは、クラウドファンディングと補助金・助成金を活用した資金調達です。クラウドファンディングは、Web上で不特定多数の人から出資を募る方法で、近年は一般的なものになりつつあります。自分が公開したプロジェクトに賛同してくれる人が多いほど資金が集まりやすく、目標金額以上の資金を調達できることもあります。
国や自治体が実施している補助・助成の制度は、新創業に向けたものも多く、返済が不要なもの魅力です。ただし、開業支援はすぐに受けられるわけではなく、要件や注意点もあります。以下のページでは、開業支援の詳細について解説していますので、参考にしてください。
○独立開業支援は補助金だけじゃない!さまざまな制度を知っておこう!
一人でカフェを開業したくても、初めての起業の場合は何から始めたらよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。また、未経験でノウハウがない場合は、自分一人で経営できるか不安なことも多いはずです。その場合は、フランチャイズに加盟して開業するのもおすすめです。
フランチャイズに加盟すると、本部のブランド名だけでなく、経営のノウハウも一度に取得して開業を実現できます。多くのフランチャイズ本部では、未経験の加盟者に向けた研修制度があり、一定の知識や技術を習得してから営業にのぞむことも可能です。他にも、本部によっては以下のような経営サポートや資金面の支援などを受けられます。
ほとんどのフランチャイズ本部では事業説明会を実施しており、無料で参加が可能です。説明会では、企業の資料には掲載されていない詳しい事業内容を聞くことができるのもメリットです。近年は説明会や個別面談をオンラインで実施していることも多いので、一度気軽に参加してみてはいかがでしょうか。
フランチャイズは本部のブランド名や登録商標を利用できるのが一般的ですが、なかには開業支援のサポートのみをおこなっている企業もあります。独自のコンセプトで自由度の高いカフェ経営をしたい方にはおすすめです。
一人でカフェ経営するのは、決して簡単なことではありません。しかし、開業前の準備をしっかりしておけば、余裕をもった営業ができるだけでなく、経営に失敗するリスクも軽減できます。
長く経営を続けるには、お金や時間を有効に使いながら心身の負担を減らして無理をしないことがポイントです。カフェの開業はフランチャイズの加盟でも可能なので、経営面や資金面で不安がある方は、説明会の参加を検討してみてはいかがでしょうか。いろいろ比較しながら自分に合った開業方法を選んで、カフェ経営を成功させましょう。
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