最終更新日:2023年11月10日
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飲食店を経営していく上で「回転率」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。回転率という言葉だけを知っていたとしても正確な意味までは深く気にせず、何となくわかったようなつもりなっていることがあるかもしれません。しかし飲食店経営にとって何となくでは済まされないほどに重要なのが「回転率」、そして回転率とあるもののバランスなんです。
このコラムでは絶対に押さえておきたい飲食店の「回転率」と、回転率を上げる方法と注意点などについてまとめました。
飲食店での回転率とは、文字通り、その席を一日にお客様が何回利用してくれたか、何回入れ替わってくれたかを指しています。単純にたとえると、回転率が1回から2回に増えれば、店の売り上げが倍になるということです。
店の売り上げが倍になるのなら、回転率は無視できない数字ですよね。では実際に飲食店の回転率はどのように導き出すのでしょうか。回転率の計算式は以下の通りです。
・回転率の計算式
回転率=来店顧客数÷総席数
回転率は計算式を使って導き出すことができますが、単純に回転率だけに目を向けていればいいという訳ではありません。お店の売り上げには、回転率とは別に(客席)稼働率という指標もあります。
(客席)稼働率は、店内の客席がどれだけ利用されているかを示しています。稼働率は、「稼働率=お客さんの数÷店内の総席数」で求められます。一般に飲食店の稼働率は平均65~70%になっていて、70%以上になるのが理想的です。
お店の回転率だけに目を向けていても、実際はあまり使われていない席が発生していて稼働率が悪ければ、売り上げは良くなりません。たとえば、回転率が1回から2回に増えたとしても稼働率が50%なら、稼働率100%で回転率が1回になっているのと変わらないのです。稼働の悪い席が発生している場合は、何故その席は利用されないのか、原因を洗い出して席が埋まるよう改善していく必要があるでしょう。
またそれとは逆に、稼働率ばかりが良くて回転率が悪くてもやはり売り上げは上がっていきません。お店で売上をあげるために必要なのは、その店舗に対して理想的な回転率と稼働率、そして座席当たりの客単価のバランスなのです。
実際に、飲食店が回転率と稼働率を上げていくにはどうすればいいのでしょうか?それにはまず、店舗の規模とターゲット層に合わせた座席数の設定をすることです。
一般的な飲食店の場合、店舗面積に対して適切な座席数の設定は1坪当たり、1.5~2席ほどが目安といわれています。お店のジャンルと雰囲気や店内の導線レイアウトによっても多少前後しますが、まずはこの目安に従って座席を用意してみましょう。それから、実際の来客層や使い勝手に応じて、お店に合ったベストな席数と座席設定に変更していくのです。
また、たとえば、1人~少人数で来店するランチタイムのサラリーマンなど少人数をメインの客層にした飲食店で、座席が4~6人用のテーブルばかりだったとしたらどうでしょうか。こういったお客様は、多くの場合が1時間前後の休憩時間を利用して来店します。短い時間で昼食を取ることを考えると、店舗滞在は30~40分程度と予想されるでしょう。
しかし、大人数用の座席ばかりが用意されていると、1グループにつき半分以上の座席が利用されないことになるので回転率は良くても稼働率は大幅に下がってしまいます。そのため、1人での来客が多いお店なら、少人数の客が多く座ることができるように席の配置が必要です。
一方、グループ客やファミリーなど5~7人前後の来店も予想される店であれば、もう少しゆとりを持った座席設定が必要になります。回転率は抑え気味になるかもしれませんが、その分、少人数の客を対象にした店舗よりもテーブルごとの客単価は高めになることが多いです。
大人数のグループ客にも1~2人の少人数にも変動的に対応したい場合は、動かせるテーブルと椅子を使い、人数に応じて座席数を増減できるよう工夫することで、機会を逃さず確実に席を稼働させていくことができます。店の業態とターゲットにしている客層に見合った座席を設定して、ムダやチャンスの損失を減らし、飲食店独自の回転率と稼働率のバランスをとっていきましょう。
飲食店が稼働率を上げるには、店舗に対して適切な座席の設定が必要なことがわかりました。ではお店の売り上げを上げるもう1つのカギ、回転率を上げるにはどうすればいいのでしょうか?回転率を上げるにはまず、時間のムダを削る「時短」が求められます。
まずは、キッチンとホールスタッフ間の連携を素早くして、サービスの提供を早めましょう。そのためには、調理や接客のマニュアルの見直しをすることが大切です。このような現場対応の見直しと改善はコストをかけず今すぐに始められる工夫です。
また、食べ終わった食器を下げてテーブル上を片付けるバッシングを素早くおこなうことにより、スムーズに次のお客様を席にご案内することができます。しかし、まだお客様が席にいる場合にテーブルの上を片付けると客をせかしてすぐ追い出したがる店という印象を与えかねません。テーブルの上の片付けは、やりすぎないようにしましょう。
オフィス街のランチタイムを対象とした店であれば、テイクアウトを導入してみることも回転率アップにつながります。テイクアウト用の容器を導入する手間と経費は増えますが、その分、座席が空くのを待つ時間を惜しんで来店してもらえなかったお客様の機会損失を回収することができます。
ほかにも、お客様が列に並んでいるうちにオーダーを取る、食券制を取るといった方法などもあります。お客様が席に着く前からオーダーを把握する工夫も、時短には大変効果的です。オーダーを事前に把握しておくことは、テイクアウトの場合にも有効な方法です。
また、時間制のクーポンを発行することにより来店のピークタイムをコントロールする、という工夫もできるでしょう。居心地が悪くならない程度にほんの少しだけ小さなテーブルや座り心地の悪い椅子に変えてみることも、飲食店が回転率を上げる効果的な方法です。
飲食店の売り上げのアップとは切っても切り離せない回転率ですが、そこばかりにとらわれてしまうとお客様の滞在時間が低下して客単価が下がってしまうことにもつながります。
グループ客をターゲットにした店や客単価を高めに設定した飲食店が回転率ばかりを気にしてしまっていては、「ゆったりくつろげない店」「落ち着いて料理を味わえない店」という印象を与えてしまいます。これでは集客にとってマイナスですし、口コミやリピート客も望めないのです。
その場合は回転率ばかりにとらわれず、稼働率に目を向けましょう。回転率や稼働率の計算式でもふれたとおり、回転率が1回でも稼働率100%ならば、稼働率50%の回転率2回と単純計算の上では差はありません。たとえゆったりした回転率の店舗であっても、確実に席を稼動させて客単価を稼いでいけば、結果として売り上げにつながっていくのです。
飲食店に大切なのは、回転率と稼働率そして客単価のバランスです。店がターゲットとしている客層と方向性をよく検討して、それに見合ったバランスを探っていきましょう。
飲食店の回転率のアップは、売り上げ向上と切っても切り離せないものです。そして、飲食店の回転率は案外小さな見直しと工夫から改善していけるのです。
日々のこつこつとした経験の積み重ねからも改善が望める飲食店の回転率ですが、「そうはいってもちゃんと回転率が上がるか不安……」という方もいるでしょう。飲食店の回転率の上げかたなどに不安のある方は、フランチャイズに加盟して飲食店を始めてみてはいかがでしょうか。
飲食店をフランチャイズの系列からスタートしたら、フランチャイズ本部が開催しているセミナーに参加することができます。すでに確立されたフランチャイズ本部が持つノウハウやコツを得ることができるのです。飲食店の回転率や稼働率についての悩みも、フランチャイズ本部に相談することができますよ。
フランチャイズを活用して、回転率や稼働率のいい飲食店を目指してみてはいかがでしょうか。
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