最終更新日:2023年11月10日
続々独立開業中!独立開業をした方々に人気のフランチャイズ本部ベスト10を公開中。
いま注目の急成長ビジネスがひと目でわかります。
自営業者になると、自分でやりたい仕事を選べるようになり、時間も自由に使えるようになります。稼いだお金がすべて自分のものになるので、仕事のやりがいも大きいでしょう。しかし、自営業者は会社からお給料をもらうことができません。また、税金や年金、健康保険の支払いも自分で行うことが必要です。自営業を始めるには何を準備すればよいのか、自営業者になったら何をしなければいけないのか、自営業の始め方を解説します。
自営業者や自営業という言葉は、一般的には、個人が事業を行う際に使われています。人によっては、自分で会社を作った場合にも自営業者や自営業という言葉を使うようです。しかし、法人を作ると法律上や税務上の扱いがまったく変わってくるので、別の呼び方をすべきでしょう。そのため、ここでは、個人で行なっている事業を自営業と、自営業を行なっている個人を自営業者と呼ぶことにします。
自営業の特徴は、個人によって行われていることです。会社によって行われている事業は自営業ではありません。この特徴は、自分がどうやってお金を得るかにかかわってくるので、とても重要です。会社が事業を行なう場合には、事業を通じて得た利益は会社のものになり、会社から給料が支払われます。これは自分で会社を作った場合でも同じです。しかし、自営業では、事業によって得た利益は直接自分のものになります。自営業では、会社から給料をもらえない代わりに、稼ぎがすべて自分のものになるのです。
また、会社に勤務している会社員は、税金や年金、健康保険の保険料は、給料から天引きされて支払っています。しかし、自営業者は給料をもらうことがないので、給料からの天引きで税金などを支払うことができません。そのため、自分で申告をして、自分で支払うことが必要になります。
稼ぎも税金などの支払いも、すべて自分のものになることが、自営業者と会社員との違いです。
会社員でも自営業者でも、お金を稼げば税金を納めることが必要になります。そして、納めなければならない税金の金額は年収や家族構成などによって増減します。
会社員の場合には、会社が給与計算を行う際に、納めなければならない税金の金額を計算してくれます。しかし、自営業者は、自分で税金の金額を計算して、税務署に申告する必要があります。この手続を確定申告と言います。
確定申告には、青色申告と呼ばれるものと白色申告と呼ばれるものの2種類が存在しています。青色申告とは、複式簿記による記帳などが義務付けられることと引き換えに、最高で65万円までの所得税の特別控除を受けることができる制度です。そして、白色申告とは、青色申告を利用しない場合の確定申告を言います。
確定申告の前提として、自営業を始めた場合には、開業の日から1カ月以内に、税務署に対して「個人事業の開業等届出書」を提出することが必要です。そして、青色申告を利用したい場合には、確定申告をしようとする年の3⽉15⽇までか、新たに事業を開始した⽇から2カ⽉以内に、「所得税の⻘⾊申告承認申請書」を提出することも必要になります。
青色申告は、特別控除を受けられる代わりに日々の経理が難しくなるので、利用しないこともできます。その場合には白色申告になりますが、白色申告の届け出を行う必要はありません。
自営業を始めるためには、税金の支払いなどのための手続が必要です。支払わなければならない税金には、所得税、消費税、住⺠税、個⼈事業税といった種類があり、その支払い先はばらばらです。そのため、国と都道府県と市町村のそれぞれに、開業したことを伝える必要があります。
国に対する届け出は、税務署に「個人事業の開業等届出書」を提出することで足ります。青色申告を利用したい場合には「所得税の青色申告承認申請書」も必要です。
都道府県に対しては、都道府県税事務所に「個⼈事業開始等申告書」を提出することが必要です。そして、市町村に対しては、市町村役場に「開業等届出書」を提出する必要があります。
税務署に提出する書類は、インターネットを通じて国税庁のwebサイトからダウンロードすることができ、郵送での提出も可能です。都道府県税事務所や市町村役場に提出する書類は、地方自治体によって扱いが異なります。
この他にも、業種や業態によっては、行政の許認可が必要になる場合があります。自由業を始めるためには、これらの法的なプロセスを踏むことが必要です。
自営業を始めると、会社員のように会社から給料をもらえることはなくなり、自分でお金を稼ぐことが必要です。そのため、事前に、自営業者としてビジネスを成功させるためのスキルやノウハウを身につけておくことが求められます。
自営業を成功させるために必要なスキルやノウハウは、自分がどんなビジネスをやりたいのかにかかわってきます。飲食店を開いて自分で料理を作りたいならば、料理は絶対に必要なスキルです。美味しい料理を作れることはもちろんですが、プロに求められるスキルやノウハウはそれだけではありません。味だけでなく見栄えも必要になり、そのためには食器選びも重要です。食材の仕入れや管理、食材が無駄にならないようにメニュー構成を考えることも求められます。
料理だけでなく、集客のための広告の出し方や、入ってみたくなるお店の外観の作り方も成功するためのノウハウになります。どこにお店を出せばよいのか、立地条件や賃料相場の知識も必要です。
お店が繁盛してくれば、同時にたくさんのお客様の対応をして、たくさんの料理を手際よく作ることが求められるでしょう。注文のとり方や管理方法のノウハウも必要になり、同時にいくつもの料理を作れるスキルも必要です。
スキルやノウハウを身につけるためには、資格学校などで勉強をしたり、本を読んだり、ビジネスを意識しながら生活したり、さまざまな方法があります。たとえば、カフェを開店したい場合には、料理教室に通ったり、毎日の食事をお店で出すことを意識しながら作ったりするなどの準備が必要です。どのような注文管理システムがあるのか調べたり、外食の際に注文の取り方を注意して観察したりすることも準備になります。機会を得られれば、実際にカフェを開業している人に話を聞くことも、良い準備になるでしょう。
自営業を始める前に、自分がやりたいビジネスにはどんなスキルやノウハウが必要になるのかを見極めて、それを身に付けることが、自営業を成功させるための準備と言えます。
いくらスキルやノウハウを持っていても、それをお金につなげられなければ宝の持ち腐れになってしまいます。そのため、自営業を始め方としては、自分が持っているスキルやノウハウをどのようにお金に結びつけるか、ビジネスモデルを考えることが必要になります。
ビジネスモデルを考える際には、他人を参考にするだけでなく、自分でアイデアを用意することが大切です。いくら成功しているビジネスモデルであっても、後から真似をしても成功するとは限りません。先に始めた人にはすでに顧客がついていますし、資金力も人によるので、同じ条件ではスタートできないからです。
たとえば、飲食店を開く場合には、大手飲食チェーン店に負けないための工夫が必要です。個人で飲食店を開く強みとして、自分で材料を選び、自分の料理の腕を振るうことで、料理にこだわりをもてることがあげられます。食材1つとっても、地元の食材や名産にこだわったり、鮮度にこだわって冷凍食品を一切使わなかったり、いろいろなアイデアを用意することができるでしょう。メニューを考える際にも、自信のある料理一本で勝負をして有名店を目指したり、豊富なメニューを楽しめる大衆食堂を目指したり、いろいろなアイデアがあります。
料理だけでなくお店のコンセプトにもアイデアは必要です。子育て世代が多い地域ならば子ども連れが入りやすいお店にしたり、近くに学校があれば食べ盛りでも満足できる量を提供したり、できるだけ多くのアイデアを出してみるべきです。
十分なアイデアが浮かんだら、それをまとめてビジネスモデルを考えていきます。ビジネスモデルを考える際には、資金面も考えながら、実現可能な状態まで落とし込むことが必要です。どんな店舗を借りることができるか、保証料はいくらか、改装費用はどのくらいかなどの初期費用の内訳を考えなければ、資金をいくら用意すれば良いのかわかりません。開店後も、賃料がいくらで光熱費がいくら、客単価がいくらで原価率はどのくらい、広告費にはいくらかけたいなどの資金繰りをシミュレートする必要があります。食材にこだわるならば、それをどこから仕入れることができるのか、どの料理の原価はいくらで、どのように価格設定するのかも考えます。
具体的なビジネスモデルを考えるなかで、新しいアイデアが出てきて、ビジネスモデルがブラッシュアップされていき、ビジネスが成功する確率が高まっていくでしょう。
自営業を始める最大のメリットは、自分がやりたいことを仕事にできるということです。どんな仕事にも苦労はつきもので、自営業を始めても楽しいことばかりではないでしょう。それでも、自分がやりたいことを仕事にできているのですから、やりたくない仕事をしていたり、与えられた仕事をしていたりするよりも、前向きに乗り越えることができます。もちろん、やりたいことを仕事にしているので、仕事が楽しいと感じることも多いでしょう。
また、会社員をしていると、毎月給料がもらえる反面、頑張っても報われないことがあります。会社の業績が悪かったり、頑張りを評価してもらえなかったりして、給料に納得できないこともあるでしょう。しかし、自営業を始めると、頑張った分だけ収入になります。収入が少ないときでも納得しやすいですし、会社員では得られないような大きな収入を得ることも可能です。
自由業にはどんなメリットがあるのかを考えて、開業に向けてモチベーションを高めていくことが、自由業の始め方になります。
自営業には、メリットと引き換えにリスクもあります。
一番のリスクは、収入が保証されず、経済的に不安定になってしまうということです。会社員をしていると、自分の業績が悪くても、会社が倒産しない限り、給料をもらうことができます。勤続年数が長くなれば昇給もしていくので、将来の計画も立てやすいでしょう。
しかし、自営業を始めると、利益が出ているときは天井無しでお金を稼げる一方で、赤字になってしまうと収入はマイナスです。利益を上げることができなければ、生活をしていけなくなってしまいます。また、利益を上げた翌年に赤字になってしまうということもあり得ます。
経済的に不安定になってしまうことにより、銀行などからの借入も難しくなってしまいます。住宅ローンを組むことも難しくなってしまい、家を買うためには、頭金を多く入れるか、経営を安定させて続けて黒字を出すことが必要でしょう。
また、会社員ならば会社が行なってくれる税金や年金、健康保険などの手続きを自分で行わなければならなくなります。後で詳しく説明しますが、会社員の場合には、年金や健康保険の保険料の半分を会社が負担してくれますが、自営業者は全額を自分で支払うことが必要です。税金については、自営業者だからこそ利用できる節税方法もあるのですが、会社員には馴染みのない確定申告は面倒に感じるでしょう。
自由業のリスクをよく理解したうえで、ビジネスを成功させるために必要なスキルとノウハウを準備して、アイデアをビジネスモデルにまとめていくことが重要です。
会社員をしていると確定申告をしたことがない人も多いでしょう。しかし、自営業者になると、確定申告を避けて通ることはできません。
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額から、所得税などの金額を計算する手続です。翌年の2月16日から3月15日までの間に、必要書類を税務署に提出します。
確定申告には青色申告と白色申告の2種類がありますが、両者の大きな違いは帳簿付けの方法です。青色申告は複式簿記、白色申告は単式簿記と呼ばれる方法で帳簿付けを行うことになるのですが、複式簿記のほうが複雑な作業が必要になります。たとえば、「現金で鉛筆を100円で購入した」場合、単式簿記ならば、「鉛筆を100円で買った」という日記のような事実のみを記録すれば足ります。しかし、複式簿記では、「現金が100円減った」ことと「消耗品費が100円増えた」ことの両面を記録に残すことが必要です。そのためには初歩的な簿記の知識が必要になるでしょう。
また、青色申告と白色申告とでは、確定申告で提出する必要書類にも違いがあります。白色申告では、収支内訳書(合計2ページ)と確定申告書B(合計2ページと添付書類台紙)を提出します。しかし、青色申告では、所得税青色申告決算書(合計4ページ)と確定申告書B(合計2ページと添付書類台紙)を提出することになります。帳簿や領収書は提出する必要はありませんが、その種類ごとに7年または5年の間、保管しておくことが必要です。
必要書類を提出する方法は、税務署への持ち込み、郵便送付、e-Taxの3種類です。持込の場合には、税務署には相談コーナーが設置されているので、相談をしながら書類を作成することができます。郵便送付の場合には、必要書類は「信書」にあたるので、「郵便物」(第一週郵便物)または「信書便物」として送付します。e-Taxは、インターネットを通じて確定申告が行えるシステムで、利用するには電子証明書の用意が必要です。マイナンバーカードを取得すれば電子証明書が格納されているので、ICカードリーダーを用意すれば、e-Taxを利用することができます。
面倒な確定申告ですが、きちんと行うことでメリットもあります。わかりやすいメリットは、業績が良くなかったときに、税金の還付を受けられることです。自営業者は個人ですから、取引先の会社などから報酬を受ける際に源泉徴収されることがあります。確定申告で支払うべき所得税額を計算した結果、源泉徴収された金額を下回るならば、還付を受けることができます。これは、会社員が会社に年末調整をしてもらう場合と同様です。
青色申告を選択した場合には、さらに多くのメリットを得ることができます。一番のメリットは、最大65万円の特別控除を受けられることです。この控除は黒字になった場合に意味を持ちます。しかし、逆に赤字になってしまった場合にも、3年間にわたって赤字を繰り越すことができます。これも青色申告のメリットです。
また、家族に自営業を手伝ってもらう際に支払う給料についても、青色申告ならば、実際に支払った金額を必要経費にすることができます。この制度を上手く利用することで、家族全体にかかる税金の総額を安くすることが可能です。なお、白色申告の場合には、家族従業員の人数や所得から計算した金額しか必要経費にすることができません。
さらに、青色申告をしていると、経費の計上も楽になります。通常は10万円以上の物品を買うと、法定耐用年数に従って減価償却をすることになり、全額をその年の経費にすることができません。たとえば、20万円のパソコンを購入した場合には、パソコンの法定耐用年数は4年なので、毎年5万円ずつを減価償却して経費に計上することになります。しかし、青色申告をしていると、30万円未満の物品までは、その年に経費に計上することが可能です。この制度を利用すれば、利益が出ている年に来年以降も使うだろうパソコンなどを購入することで、その年の節税ができるようになります。
この他、青色申告をしていて、自宅マンションの一室を自営業で利用する場合には、家賃や水道光熱費を経費に計上することができます。家賃16万円のマンションで、自営業で利用する床面積が25%の場合には、家賃のうち4万円を経費として計上可能です。この場合で、水道光熱費が2万円ならば、このうちの5千円も経費計上できます。自営業を始めなくても自宅の賃料などは発生するので、その一部を経費計上して節税ができることは、自営業者が青色申告をするメリットです。
確定申告のうちでも、青色申告は難しい帳簿付けが求められますが、上手く活用すれば自営業者の節税に利用することもできるのです。
自営業者になると、年金や健康保険の手続きを自分で行う必要があるだけでなく、加入する制度も異なります。
年金には公的年金と個人年金(私的年金)があります。このうち、個人年金は民間の保険会社などが販売している金融商品で、加入は任意です。
公的年金には、国民年金、厚生年金、共済年金の3種類があります。このうちの国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての人に加入が義務付けられているものです。そして、厚生年金は厚生年金法の適用を受ける会社に勤務している人に加入義務が、共済年金は公務員や私立学校教職員などに加入義務があります。
公的年金のなかで、国民年金が基礎年金、厚生年金と共済年金が上乗せ年金と呼ばれているのですが、会社員は厚生年金制度を通じて国民年金にも加入することになります。一方で、自営業者は国民年金にしか加入義務がありません。そのため、会社員のほうがもらえる年金額が多くなることが通常です。
この穴を埋めるために、自営業者は、付加年金、国民年金基金、確定拠出年金(個人型)のいずれかに任意加入をすることが可能です。自営業者になると、厚生年金に加入していない分、上乗せ年金に任意加入したり、個人年金に加入したりして、老後に備えることになります。
また、会社員が厚生年金に加入する場合には、会社が保険料の半分を負担してくれるのですが、自営業者は国民年金の保険料の全額を自分で負担することが必要です。
健康保険は、大きく被用者保険と地域保険の2種類に分類できます。被用者保険にはさまざまな種類があるのですが、会社員は協会けんぽか健康保険組合に加入しています。協会けんぽは、社会保険庁が運営していた政府管掌健康保険を前身としており、全国健康保険協会が運営し、中小企業の会社員が主な加入者です。健康保険組合は、大企業が単独または複数で設立したもので、その会社員が加入します。
地域保険は、被用者保険に加入できない人に向けた健康保険です。市町村単位が運営する国民健康保険と都道府県単位の同業者組合が運営する国民健康保険があり、自営業者は、いずれかに加入することになります。同業者によって組合が組織されて国民健康保険が運営されている場合には、市町村ではなく、組合の国民健康保険に加入することが可能です。
健康保険の保険料は運営主体ごとに異なり、同じ会社員でも、勤務先が違えば保険料が異なることがあります。自営業者の場合も、市町村によって保険料はばらばらです。また、保険料の支払いについても、会社員の場合には会社が半分を負担してくれますが、自営業者は全額を自分で支払う必要があります。
自営業者になると、事故にあったり病気になったりしたときや老後への備えを、自分で用意することが求められると言えます。
自営業を始めると、会社員とは立場がまったく変わります。毎月の給料がもらえなくなるので、赤字になってしまうと収入はマイナスです。確定申告も行わなければなりません。年金や健康保険も、自分で手続きをすることが求められるようになります。やらなければいけないことが増えるうえに、リスクも負うことを覚悟する必要があります。
それでも、やりたいことを仕事にできるうえに、頑張れば頑張るほど収入は青天井で増えていきます。そして、必要なスキルやノウハウを準備して、アイデアをまとめてビジネスモデルを考えることで、自力で成功の確率を高めることが可能です。苦しいこと以上に、やりがいがあることが自営業の魅力です。
開業後に苦労している自分だけでなく、それをどのように乗り越えるのかをイメージすることが大切です。どうすれば成功できるのかを考えて、そのための道のりをイメージすることが、自営業の始め方だと言えるでしょう。
また、フランチャイズの窓口では、独立開業をサポートするメールマガジンを無料で配信しています。いまなら登録された方全員に無料で「フランチャイズ虎の巻」をプレゼント中です。必ずお役に立つ内容になっていますので、フランチャイズでの開業を検討中の方はぜひご登録ください。
カテゴリ