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2024/11/21更新

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セブンイレブンが採用するドミナント戦略のメリット・デメリットまとめ

最終更新日:2023年11月3日

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コンビニ最大手のセブン−イレブンは、出店戦略としてドミナント戦略を採用しているのをご存知でしょうか? チェーン展開するフランチャイズに関係している戦略なので、コンビニで開業しようと考えている方は知っておくとよいでしょう。

そこで本記事では、フランチャイズ展開に大きく関係するドミナント戦略についてまとめました。「うちの近所であのチェーン店をよく見かけるなあ」と感じたら、それはドミナント戦略による出店かもしれませんよ。

ドミナント戦略とは?

ドミナント戦略は、チェーンストアがひとつの地域に集中して出店する戦略を指します。「ドミナント(dominant)」は、「優勢である」「支配的な」という意味です。多店舗出店している地域を「ドミナントエリア」と呼びます。

セブン−イレブンは創業当初からこのドミナント戦略を採用しており、ひとつの地域に多数出店している地域もあれば、ひとつも出店していない地域もあるのをご存知でしょうか。近所でよくセブン-イレブンを見かけるという方は気のせいではなく、それはドミナント戦略によるものです。

セブン-イレブンの出店地域を拡大しており、2015年には未出店であった青森県と鳥取県の出店を果たしました。沖縄県のみ未出店となっていましたが、2019年をめどに進出することが発表されています。

フランチャイズは1つの地域に1店舗の出店に限るなど、地域で店舗数を制限することがありますが、セブン−イレブンの場合はドミナント戦略を採用しているので、すでに店舗がある地域での出店可能です。

ドミナント戦略のメリット

ドミナント戦略のメリットは4つあります。

1:地域での認知度が高まる

    ドミナント戦略のメリット

一定地域に複数店舗出店することにより、その地域でのストアの認知度が高くなります。全国的に知名度が低いチェーンストアでも、集中して出店することで地域での認知度向上が期待できるでしょう。

2:配送効率が上がる

店舗同士が離れていると配送に回る時間がかかりますが、店舗が一定地域に集中させることで配送効率が上がります。配送センターからの距離が近くなることで効率よく配送ができ、さらに新鮮な商品を届けることができるというメリットがあるのです。

3:地域に合わせた広告宣伝ができる

地域によって特性や需要が異なるため、全店舗共通の宣伝広告では地域の特性に対応できません。ある地域では宣伝効果が高いのに、ある地域では効果が薄いというのはよくあることです。

それに対して、ドミナント戦略で特定地域に店舗を集中して出店すると、地域ごとに広告宣伝を変えることができます。店舗ごとに広告宣伝を変えていては費用がかかりますが、特定の地域ごとなら費用も最小限に抑えられるでしょう。

4:スーパーバイザーが巡回しやすい

フランチャイズ展開している店舗の場合、スーパーバイザーが各店舗を定期的に訪れて経営指導を行うのがメリットのひとつです。店舗同士が離れていると移動に時間がかかり、一店舗あたりにかける時間が少なくなってしまいます。

ドミナント戦略で出店することにより、スーパーバイザーが効率良く各店舗を巡回できるようになるため、一店舗あたりにかける時間を長くとることができるでしょう。また、配置するスーパーバイザーの数を減らすこともできるので、人件費の面でもメリットもあります。

ドミナント戦略のデメリット

ドミナント戦略には、3つのデメリットがあります。

1:災害時のダメージが大きくなる

地震などの自然災害が起きた場合、集中出店しているエリア一帯がまとめてダメージを受けてしまいます。店舗同士が離れていれば、少数の店舗が被害を受けても他の店舗で売上をカバーできるでしょう。

しかし、複数店舗が同時に被害を受けると売上が激減しますし、まとまった修繕費が必要になるというリスクがあります。

2:店舗同士での顧客の奪い合い

集中して出店しすぎると、同じチェーンストアでも顧客の奪い合いが起きてしまいます。店舗同士の距離によりますが、出店の仕方によっては共食い状態になってしまうことも考えておかなければなりません。

フランチャイズは同じブランドや店名を掲げているものの、店舗ごとに採算をとっています。店舗同士が顧客を奪い合う状況はチェーン店としてはよくありません。

こうした同一企業内で顧客を奪い合う状況を、マーケティング用語では「カニバリゼーション(共食い)」と呼びます。店舗同士だけでなく、新商品が既存商品の売上を減少させることもカニバリゼーションのひとつです。

ドミナント戦略で集中出店しすぎると、こうしたカニバリゼーションが起きやすくなります。

3:地域の事情が変わると売上に大きく影響する

たとえば、ある道路沿いに複数店舗出店していたとします。ところがバイパスができるなどで交通事情が変わった場合、店舗に面した道路の交通量が減るかもしれません。

そうなると複数店舗が同時に影響を受け、売上が激減するおそれがあります。地域の事情が変わると売上に大きく影響する、という点もドミナント戦略のデメリットといえるでしょう。

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ドミナント戦略によるエリアマーケティング

1:地域市場

ドミナント戦略で集中出店するにあたり、地域の人口や将来性は重要な要素となります。過疎化でどんどん人口が減っている地域に集中出店しても、ドミナント戦略の効果は期待できないでしょう。

ドミナント出店をするなら、ベッドタウンで人口が増加している地域、鉄道や道路の開通で人の流れが多くなっている地域など、市場規模が大きくなりそうな地域を調査しておく必要があります。

ただし、市場規模拡大が期待できる地域であっても、自社の扱う商品やサービスと需要がマッチしていなければドミナント戦略は成功しません。

例えば、高齢者世帯が多い地域にマンガ喫茶を集中出店しても需要は期待できないはずです。逆に、若い世帯が多い地域に純喫茶を集中出店しても利用者は少ないでしょう。

ドミナント戦略で失敗しないためには、地域の世帯構成、年齢層なども調査しておく必要があります。地域の状況は変わっていくものなので、大規模な開発計画も含めて成長性を調査しておきましょう。

2:地域の需要特性

特定の地域で人気商品であるからといっても、他の地域でも売れるとは限りません。地域によって需要特性が異なるため、エリアマーケティングを実施するなら地域の需要を調査しておく必要があります。

ドミナント出店も同じで、地域の需要特性に適していないと地域に根ざすのは厳しくなるといえるでしょう。反対に、地域の需要特性にマッチしていればドミナント戦略の効果が大きくなります。

たとえば、関東と関西では出汁が異なるため、カップうどんの「どん兵衛」は関東と関西で味を変えているのをご存知でしょうか?これも地域の需要特性のひとつで、日清は地域の需要特性に合わせるために関東と関西で味付けを変えているのです。

このように、風土やライフスタイルの違いによって需要特性が生まれるのは必然といえるでしょう。物価にしても都会と地方では大きな差があるため、価格に対する意識にも違いがあります。

ドミナント戦略では、そうした地域の需要特性に合わせて出店計画を立てなければなりません。メニュー開発や商品のラインナップを考える際は、地域の需要特性を考慮することが大事です。

3:地域の競合性

ドミナント戦略は特定の地域市場で優位性を築くことにあります。すでに他社・他店がドミナント戦略で集中出店している場合、後から参入して需要を奪うのは難しいでしょう。

その地域ですでに「◯◯といえば△△」というイメージが定着していると、ドミナント戦略で地域市場の需要を獲得するのは容易ではありません。

反対に、まだ特定の企業やチェーン店がドミナント出店していない地域は開拓する価値があるでしょう。ブランドが地域に根ざすまでに時間は要しますが、地域市場で優位性を築くなら先にドミナント出店しておいたほうが有利になります。

ドミナント戦略はフランチャイズを選ぶ上でも重要になる

フランチャイズによる出店は、特定の地域に1店舗だけ置く場合と、セブンイレブンのようにドミナント戦略で複数店舗を置く場合があります。

前者の場合、地域の需要を独占することが期待できるでしょう。しかし、すでに加盟店が出店していると、後からその地域では出店することができません。

後者の場合、ドミナント戦略による認知度向上が期待できるでしょう。先に出店している加盟店があっても後から出店できるので、その点は加盟店にとっては非常に助かりますね。

ドミナント戦略で集中出店するとまではいかなくても、同一地域に複数店舗を出店できるフランチャイズもあります。出店可能な店舗数は本部によって異なるので、希望する地域にすでに出店している店舗があるのか、もしあるなら複数店舗出店できるのかという点は確認しておいたほうがよいでしょう。

おわりに

セブン−イレブンがドミナント戦略を実施している理由をおわかりいただけたでしょうか?

近くに「よく見かけるチェーン店」があれば、それはドミナント出店による戦略であると考えてみてください。「よく見かける」と感じている時点で、そのチェーン店のドミナント戦略は成功しているといえるでしょう。

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